夢幻水滸伝
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第五話 出雲へその四
「あそこは壊さん様にな」
「僕の力はそこまで強いんか」
「この世界やとな」
またこの話になった。
「覚えておいてや」
「わかったわ、ほなな」
「一振りか二振りで終わるからな」
「そうか、それがほんまかも見せてもらうで」
「僕は嘘は言わん」
「そのことも見せてもらうわ」
お互いにやり取りをしてだ、そしてだった。
中里は自分達に迫ってきたならず者達にだ、自分の口で告げた。
「ほな覚悟はええな」
「一人で何言ってやがるんだ」
「こっちは三十一人だぞ」
「それで勝てるって思ってるのかよ」
「馬鹿かこいつは」
「それが勝てるらしい、まあとにかくや」
落ち着いた声でだ、中里は答えた。
「成敗させてもらうわ」
「ああ、やったれ」
こうだ、鵺も言った。
「すぐに終わらせてや」
「それでやな」
「軍勢に戻るんや」
「総大将が軍勢を離れること自体あかんしな」
「ほんまはな、そやからや」
このこともあってというのだ。
「すぐに戻るんや」
「ここでの仕事終わらせてな」
「ああ、そうするんや」
中里にこう言ってハッパをかけてだった、鵺は彼を背に乗せ続けていた。ならず者達はその中里と鵺を囲み。
一斉に襲い掛かった、だが。
中里が両手にそれぞれ持っていた刀を一閃させた、すると。
ならず者達は全てだった、刃に切られるだけでなく。
そこから放たれた雷や風の刃で両断された。全てのならず者達が首や胴を吹き飛ばさせて倒れた。それを見てだった。
切った中里本人が唸って言った。
「ほんまにな」
「言うた通りやろ」
「凄いな、三十人が一振りずつで終わったわ」
「これが神星の力でや」
「神具の力か」
「そや」
まさにそれだというのだ。
「見た通りな」
「そやねんな」
「これだけの力があるからな」
「星の奴、そして神具は強いんやな」
「圧倒的な位にな」
そこまでというのだ。
「そうやねん」
「成程な」
「さて、後はな」
見ればならず者達は全員倒れている、生き残りは一人もいない。全員両断され中里達の周りに骸を晒している。
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