レーヴァティン
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第四話 村で聞くことその二
「今はな」
「そうか、じゃあ出すな」
「悪いな」
「部屋は何処がいいんだい?」
「それも何処でもいいさ」
久志はこちらのことにも無頓着だった、無頓着というよりかはそうしたとを選んでいられる精神状況ではなかったのだ。
「飯を食えて休めていたらな」
「そうかい、じゃあ男二人でな」
「ああ、どの部屋だよ」
「空いている部屋に案内するな」
「飯もだよな」
「後で持って行くな」
「悪いな」
「代金先払いだよ」
親父は久志に宿代の話もしてきた。
「金がないなら飯抜きで馬小屋で寝てもらうぜ」
「あるぜ」
金はだ、久志はにやりと笑って答えた。
「幸いな」
「どれだけだい?」
「質問に質問で返すぜ」
久志はこの前置きからだ、実際に親父に聞き返した。
「この宿は一人一晩幾らだい?」
「金貨四枚だよ」
「充分過ぎる程あるぜ」
こう言ってだ、久志はその金貨を四枚出した。そして英雄も金貨を四枚出した。親父はその合わせて八枚の金貨を見て笑みで応えた。
「それならいいぜ」
「合格だな」
「ああ、充分にな」
「じゃあ飯も頼むな」
「すぐに部屋に持って行くな」
「それじゃあな」
こうしてだ、二人は空いている部屋に案内された。そこでパンと冷えたシチューを貰ってだ。そのうえで寝た。
そして翌朝だ、久志は朝起きると別のベッドで寝ていた英雄に言った。
「いい朝だな」
「そうだな、よく寝られた」
「疲れが取れたぜ、ただな」
「ただ、何だ」
「男二人で同じ部屋で寝るのはな」
ベッドから起き上がってそこから出た、見れば今はトランクス一枚だ。そしてそれはやはりベッドから起き上がった英雄も同じだった。
「複雑な気持ちだな」
「女ならいいか」
「それ一択だろ」
まさにとだ、自分の服を着つつ言う。
「それこそな」
「それは俺も同じだ」
「ああ、それも美少女とな」
「美少女か」
「俺よりも少し年下位で」
「同年代じゃないのか」
「俺は年下趣味なんだよ」
自分も服を着る英雄に言った。
「だからなんだよ」
「そうか、俺は同年代だな」
「女の子の趣味はか」
「髪の毛は黒のロングがいい、清楚なな」
「お嬢様タイプかよ」
「俗に言うな」
「俺は黒のショートで活発な感じだよ」
久志は自分の女の子の趣味をさらに話した。
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