Blue Rose
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第四十九話 受験の後でその十一
「もうね」
「休んで」
「ゆっくり寝るのよ」
今日もというのだ。
「そうしてね」
「わかったわ、そうするわね」
優花は姉のその言葉に頷いた、そしてだった。
姉を病院に玄関で送り出してだ、その日はテレビやパソコンを観たりして姉が言った通りにじっくりと身体を休めてだった。昼食は自分でスパゲティ、ミートソースのそれを作って食べてだ。やはり自分で後片付けもして。
午後も休んだ、そして四時になるとだ。
携帯が鳴って見るとだ、龍馬だった。龍馬は優花に笑顔で言ってきた。
「今こっちにいるんだよな」
「ええ、お家にね」
そこにとだ、優花は龍馬に答えた。
「いるわ」
「そうか、それでどうしてるんだ?」
「ゆっくりと休んでるわ」
優花は微笑んで龍馬に答えた。
「お家の中でね」
「そうしてるんだな」
「明日に備えてね」
「俺もだよ」
「龍馬もなの」
「ああ、親に言われてな」
両親にというのだ。
「ゆっくりと休んでるよ、今は」
「そうなのね、龍馬も」
「明日に備えて休めってな」
「おじさんとおばさんに言われたの」
「そうなんだよ、学校から帰ったらな」
「だからお家にいるのね」
「それでな」
龍馬は電話の向こうの優花にさらに言った。
「酒も飲まないでな」
「龍馬もなのね」
「休んでな」
そしてというのだ。
「夜はステーキと豚カツな」
「それも一緒ね」
「輸入肉と買って来たカツでな」
龍馬は笑いつつ優花に話した。
「お袋が入試前にって言ってくれたよ」
「そうなのね」
「たっぷり食えって言ってくれてるからな」
「お腹一杯食べるのね」
「ステーキは三枚食いたいな」
「三枚って」
「カツもな」
「食べ過ぎじゃないの?」
優花は電話の向こうの龍馬に笑って突っ込みを入れた。
「幾ら何でも」
「いや、腹減るからな」
「だからなの」
「三枚ずつ食ってな」
そしてとだ、龍馬も笑って話す。機嫌はかなりいい感じだ。
「それで早いうちに寝ようって思ってるんだよ」
「そうして英気を養って」
「テスト受けるぜ」
「それはいいことね」
「そうだろ、まあ三枚ずつ食うぜ」
またこう言う龍馬だった。
「酒は飲まないけれどな」
「普通なら飲んでるでしょ」
「そうしてたな」
自分でもわかって言う。
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