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夢幻水滸伝

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第三話 都へその四

 大きさはかなりのもので縦にも横にも相当だった。中里は空からその都を見たうえで正門の前に着地して言った。
「ここが都か」
「ええ街やろ」
「ああ、流石に大きいわ」
「ここに百万以上おるねん」
「百万か」
「この世界の日本で二番目の街や」
「一番は何処や」
 中里は芥川に本能的にこう問うた。
「それやったら」
「大坂や」
「そこか」
「あと名古屋に江戸、広島、博多も大きいな」
「そうした街がでかいんやな」
「そや、ただ一億六千万の人口は結構分散してる」
「地方の力が強いんか」
 人口面からとだ、中里は話を聞いて思った。
「そうやねんな」
「そや、あちこちに結構大きな街があるで」
「各地域にか」
「関西がそうした街が一番多いのは確かやけどな」
「つまり関西は商業の中心か」
「穀倉地帯も抱えてるしな」
「そんで国力高いんやな」
 町も田畑もあるからだとだ、中里は理解した。
「僕等の勢力は」
「実際にそやで」
「成程な」
「そんで都は商業も栄えてて周りに田畑も多くてな」
 芥川は中里にさらに話した。
「言うまでもなく政治の中心や」
「拠点やからか」
「そや、結構な場所やで」
「その割に守り弱いな」
「この盆地自体は守りやすいけどな」
 芥川は盆地の周りを見回した、中里も彼と共にそうした。そして中里も頷いて言った。
「盆地やしな」
「そや、周りが山でや」
「そのせいでやな」
「場所としては守りやすいんや」
「街には入らさせへんねんな」
「そういう場所やねん」
「そういうことやな、あと川が南にあるな」
 都のだ、彼等の後ろになる。
「鴨川か」
「都の水源やで」
「堤防も整えられてるな」
「さもないとな」
「水害に悩まさせられるか」
「橋もよおさんかけてるしな」
 見れば実際に橋もあった。
「便利よおしてるで」
「やっぱり治水とか大事か」
「内政第一や、自分にもそっち頑張ってもらうで」
「というか普段は」
「メインそっちやろ」
「軍事よりもな」
「そうなるな」
「そこはええな」
「ああ」
 中里も頷いて答えた。 
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