八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五話 夜になってその十
「酔い潰れないでよ」
「大丈夫、大丈夫ヨ」
「これでも意識ははっきりしているある」
「確かに足はふらついてるけれどネ」
「そこで止まっているあるよ」
「ならいいけれど酔い潰れるのなら」
その場合についてもだ、日菜子さんは言った。
「容赦しないわよ」
「海か運河に落とス?」
「それで頭を冷やせ、あるか」
「それはしないわ、ホテルに連れ戻して」
そしてというのだ。
「お風呂に叩き込んでよ」
「そこでお酒を抜かせル」
「そうするあるか」
「そうするからね」
酔い潰れるのなら、というのだ。
「いいわね」
「わかってるわヨ、そこまではネ」
「酔っていないから安心するよろし」
「とにかくいよいよネ」
「夜景の時間あるな」
「もうすぐよ」
二人の問いに真面目に答えていた。
「それは」
「よし、じゃあネ」
「それ観るあるよ」
「あと花火モ」
「そっちもある」
「折角の夜だから」
ハウステンボスのだ。
「どっちも観ようね」
「ええ、それじゃア」
「今から観るある、あっ」
最初に水蓮さんがだった、僕達の方を見た。
そしてだ、二人にこう言った。
「義和達あるよ」
「あっ、そうね」
「偶然ネ」
「飲んでたんだ」
僕は三人に声をかけた。
「これまで」
「この通りね、このこの二人が飲んで」
日菜子さんは二人を指差して僕に笑って話した。
「それでちょっとね」
「二人共大丈夫?」
「大丈夫ヨ」
「この通り意識はしっかりしてるある」
「これ以上は飲まないシ」
「心配無用ある」
「だといいけれど」
見ていて不安なのは事実だ、酔い方を見ていた。
「それでこれから」
「どうするか?」
「はい、日菜子さんも二人」
「夜景見るヨ」
「三人である」
二人は日菜子さんが言う前に言ってきた。
「そう約束したのヨ」
「飲む前にある」
「それで灯りが出るまで飲んでテ」
「こうなったある」
「お約束だね」
待っている間に飲んで飲み過ぎる展開はだ。
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