| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

虹の転生者達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

標的0 Prologue

 
前書き
はじめまして。フラン大好きみづごろうでっす。ちょっと覗いただけの人も、とりあえずプロローグだけ見てってくれると嬉しいです。 

 
 ある日のヴァリアーのアジト。談話室にはベル先輩とヴァリアー霧の守護者前任だったマーモン先輩とそして霧の守護者後任だったミー、フランがいました。え?なんで過去形なのかって?それは今はヴァリアー霧の守護者はマモ先輩が戻ってきたんで守護者はマモ先輩がやるみたいです。ヴァリアーリングも取られちゃいましたしねー。今のミーはヴァリアーの下っ端枠ですよ。まぁ、元幹部なので幹部しか入っちゃいけない談話室とかも普通に入れるし、部屋も変わらずなんであまり以前とは変わらない感じなんですよねー。幹部っていう肩書にもあまり興味もないですし。
 でも…

「しし♪マーモン♪」
「…何?用がないなら話しかけないで。金数えてるから」

 この不愉快な光景はあまり見たくありませんね。もうミーなんて認識してない様にも感じるくらい静かに二人だけの世界に入っちゃってます。凄く疎外感があって不愉快極まりないです。確かに数年前から数か月前まではマモ先輩は死んでた…それも自殺で。だから気持ちも分からなくもないけど…。

「相変わらずだな~、マーモンは。ったく、何で霧はこうも可愛げのないやつばかりなんだか」
「…それってミーも含まれるんですかー?」

 思わぬ流れ弾で思わず口出ししてしまう。

「あたりまえだろ♪カエル」
「…っていうかー、堕王子はいつまでこのカエルを被せとくつもりですかー?もうマモ先輩帰ってきたからいいじゃないですかー。」

 この堕王子はマモ先輩が帰ってきてからもこのくそ重たいカエルを被せ続けた。脱ぎたいって言っても駄目の一点張り。どうせ今回も…

「駄目に決まってんだろ♪糞ガエル」

 …ほらね

「…理由を聞いてもいいですかー?」

 あまりにも頑ななのでミーはミーから聞くことにしました。

「別に、理由なんてねぇよ。お前はマーモンが帰ってきても代わりは代わりだ。それ以下でも以上でもねぇし。だからこそ幹部しか入れないこの談話室に居るんだろうが。」
「…っ」

 その言葉を聞いた瞬間ミーの胸にズキン!っていう痛みが走りました。

(代わり…代わり…かぁ。)
「…?カエル?」
「ベル…ちょっと言い過ぎじゃない?」

 先輩が訝しげにミーに近づく。瞬間ミーは顔をあげて、柄にもなく叫びました

「堕王子!!!」

 そう言った後、ミーは逃げるように談話室を後にしました。途中、誰かにぶつかった気がしますけどよく覚えてません。
 実はミーは幸いなことに今日からジャッポーネで長期任務があるので暫くはこっちに帰ってきません。



 場所は戻ってミーのいない談話室。もちろん、ミーが居ないのでミーの知らない会話が繰り広げられていた様です

「おぉ゛い!!フランとなんかあったのかぁ゛?」
「…別に。」

 スクアーロ先輩が明らかに拗ねてるようなベル先輩に話しかける

「…何かあったのかい?」
「いやよぉ゛…さっきフランとすれ違ったんだが泣いてるように見えてなぁ゛」
「はぁ?あのカエルが?気のせいだろ」
「そうかぁ゛?…それと何か嫌な予感がひしひし感じやがる。さっさと仲直りした方がいいぞぉ゛」
「っち。るっせぇな。二重の意味でよ。王子が何しようがお前には関係ないじゃん。」

 そう言ってベル先輩は立ち上がる。

「気分悪ぃ。任務行ってくる」

 そう言いながらベル先輩は談話室を後にしました。



 それから数時間後、ミーはジャッポーネの空港へ降り立ちました。

「…ふぁああ。やっとジャッポーネに着きましたね。えっと確かあのナッポーがミーの迎えに来るんですよねー」

 ミーはそう言いながらあの特徴的すぎる髪形を…(グサッ)探すまでもなく見つかりましたね

「ちょっとー。久しぶりに会った弟子に酷いじゃないですかー。ししょー」
「クフフ。ちょっとした挨拶じゃないですか。」
「…槍を頭にぶっさす挨拶とか相変わらずイカレてますねー。サイコp(グサッ)ゲロ」

 …うぅ、また刺されました。

「まったくししょーは相変わらず短気ですねー。ちょっとしたじょーだんじゃないですかー」
「…フラン?どうして泣いてるのですか?」
「…へ?」

 ししょーに言われてミーの目から熱い汁が出てる事に気が付く。

「あれ…?おかしいなー…?なんで…ミー…泣いて」
「………」

 呆然としてるとししょーは黙ってミーを抱きしめます。幻覚で周りから見えない様に。…そういう気遣いムカつきますが今は黙って甘えときましょうか。
 そう思ったとき、ミーの目からダムが決壊したかのように涙が止まらなくなりました。
 


 それからの事はあまり覚えてません。気づいた時にはミーはボンゴレのアジトに居て寝室のベッドで寝てました。喉乾いたな思いミーはベッドから降りて寝室から出てキッチンへ向かいました。

「…ししょー」

 キッチンに着くとどういう訳かししょーが眼鏡をかけて資料を眺めていました

「おや、起きましたかフラン」

 ミーに気づくと資料から目を離し眼鏡を外しました。

「お仕事中ならミーにお構いなく続けててください。水飲みに来ただけなのでー」
「おや、おチビがそんな事を言うなんて珍しいですね。大丈夫ですよ。ただの最終確認ですので」
「そうですかー?」
「ホットココアでよろしいですか?」
「…え。ししょーが淹れてくれるんですかー?…明日任務大丈夫ですかね?」
「どういう意味ですか?」
「じょーだんですよ。」

 他愛のない雑談をしながらししょーはミーにあったかいホットココアを淹れてくれる

「…何も聞かないんですか?」
「何がです?」
「だってあんな醜態さらしたんですよ?」
「どうせ話したくないんでしょう?」
「まぁ…それは」
「なら何も聞きませんよ。まぁ、本当に辛い時、我慢できないときは聞いてやらないこともないですが」
「…何ですかー。その上から目線」
「お前は生意気だけど可愛い愛弟子ですから、本当に辛い時はヴァリアーを抜け、僕の元へ戻ってきなさい」
「…話はぐらかされた気がしますー」

 それから、近況報告やお互い小突きあってミーたちは就寝しました




 次の日、ミーとししょーは敵対勢力の偵察をするべく、森を翔けていました

「ししょー、今回の敵ってそんなに手ごわいんですかー?」
「敵自体はそうでもないですが匣兵器が厄介と聞きます」
「ふぅん…」
「あとはあまりいい噂も聞きませんしね」
「ふーん。薬物の密売ですかー?」
「そういう噂もあります。けど問題は人体実験してると噂されてます」

 ししょーはそういうと顔が険しくなります

「…確かにそれは見過ごすには気分の悪い案件ですね。でも分かりませんね」
「…何がです?」
「ミーはともかく、そんなファミリーの元へ何故ししょーが行くんですかー?十代目ならししょーをそんな所に送り込まないと思うんですがー」
「あぁ、その事ですか。僕がお願いしているんですよ。僕はマフィア残滅とか言ってますがさすがに無差別では効率が悪すぎます。ですのでまずは黒い噂の絶えないところから壊滅させることにしました。」
「ふぅん。ししょーも一応考えるんですねー。だからそういう情報の集まりやすいファミリーに所属してるんですね。てっきりただ素直になれないツンデレかと思いましたー」
「…お前にだけは言われたくないですね」

 敵の確認を終えた所で丁度敵さんのお出ましですー

「おや、もう見つかってしまいましたか」
「めんどーですねー」
「貴様らか!最近我がボルサネーラファミリーを嗅ぎまわってるという奴らは!」
「…そーなんですかー?」
「…はい。何回か偵察には来ています。ただ、思ったより規模がでかかったのでお前に来てもらいました」
「ふーん。めんどーですねー。殺りますかー?」
「許可します。そのために暗殺部隊であるお前を呼んだのですから」
「りょーかい!」

 そう言ってミーは森全体に幻覚を広げましたー。森全体は赤い血糊の様なものがついてる木になり、その木の陰にはミーが沢山います。更には時折ナイフや石、ナッポー等の鈍器も飛ぶようにする。もちろん、幻覚に混ぜた本物もありますよー

「…フラン、どんどん君の幻覚えげつなくなってないですか?」
「えー?気のせいじゃないですかー?それに元はししょーの教えですよー」

 ミーたちが会話してる間も敵の断末魔が絶えません

「それはそうですが……っ?!フラン!危ない!!」
「へ?」

 ミーの背中がじんわりと痛みを告げる。いつのまにか後ろへ回っていた敵の剣がミーの背中から胸まで貫いていた。

「っ…油断…しました」
「っ…フラン!」
「すみません…ししょー。ミー…ここでジ・エンドみたいです」
「馬鹿な事言わないでください!」

 そういうししょーの顔は涙でぐちょぐちょでした。はは…最期にししょーの泣き顔見れただけで満足ですよ。あと…最後に心残りがあるとすれば先輩と仲直りすればよかったなーなんて…。そう口に出そうとしても言葉は紡がれることはありませんでした。
 最期に見たのはししょーの泣き顔とししょーの後ろで剣を振りかぶってる緑の髪をした少女でした































「おぎゃーおぎゃー」

 …赤ん坊の泣き声?誰ですか?人が寝てる横で赤ん坊を泣かせてるのは…。おちおち寝れやしません。

「おめでとうございます!元気な赤ちゃんですね!」
「私の…赤ちゃん?」
「おぎゃ!おぎゃ!」…?誰ですか?あんたたち…

 あれ?喋れてない?かわりに赤ん坊の声…?え…まさかこの赤ん坊って…ミー?!
 そういえばなんで死んだはずなのにミーの意識があるんでしょー?これが所謂転生ってやつですかねー?

「よく頑張ったな!」
「あなた…見て、私たちの可愛い娘よ」

 って娘?!今聞き捨てならない事言いましたね。ミーは生前は男だった筈ですよー?

「今日からお前の名はフランだ!フラン・スペードだ」









 それから10年の月日が経とうとしていました。10年間で色々と分かった事があります。たとえばミーの居た時間より前の時代、つまり白蘭を倒した十代目の時間に生まれてしまったこと。おまけに十代目と同い年ときました。
 二つ目はミーの父親のファミリーはボンゴレの同盟ファミリーという事。まぁ、ミーだけ生き残ってもう両親共々亡くなっちゃいましたけどね。
 三つめはそのファミリーの家宝がミーが生前持っていた666のヘルリングだという事。そのヘルリングにミーは選ばれたみたいで、その影響かミーの瞳は左目は生前と変わらず翡翠色、右目は霧の炎と同じ藍色です。
 そして最後は…

「フーラン♪」

 この白い男、白蘭が三歳年上のミーの幼馴染ということですかねー。此奴も例の能力のおかげか前世?の記憶を持ってるみたいです。因みに少し気になってたししょーの安否も此奴が教えてくれました。ししょーは深手を負いましたが無事だったみたいですねー。まぁ、今となっては関係ありませんが

「何ですかー?白蘭。」

 此奴は不覚ですが一応親が亡くなったので一緒に住んでる保護者の様な立ち位置です

「いやね、随分怪しいお客様が来てるよ」
「怪しい?」

 白蘭は珍しく戸惑った表情でその‘お客様’を通す。すると鉄の帽子を被り、チェック柄の仮面を付けた男が入ってくる

「…なるほどー。確かに怪しいお客様ですねー。」

 ミーはそう言って一息付いて睨みを利かせながら言いました

「…で?アルコバレーノの産みの親が何故ここに居るんですかー?…チェッカーフェイスさん」
「おやおや、私のことをご存知だったか。」

 チェッカーフェイスがここに居る。それだけで威圧感が半端ないです…。

「私のことを知ってるのなら話は早い。フラン・スペード!君にはアルコバレーノの素質がある!是非アルコバレーノになってもらいたい!」
「はぁ?!どーいうことですか?アルコバレーノはもう全て埋まってる筈ですよ」

 ミーの属性、霧はマモ先輩が居ますし一応雲の波動も流れてますがスカルが居るはずです。

「おや?第八の属性のことまでは知らなかったか…」
「第八の属性…?」

 それって勿論夜空の事じゃないですよねー?

「第八の属性…虹だ」
「虹…?」

 アルコバレーノの虹ってどーいう意味でしょー?

「そう!虹だ!虹は大空よりも希少な属性だ!の割には地味な役回りだがね」
「どーいう意味ですかー?」
「それは自分で見つけるといい。」
「っていうかー、なんでミーなんですかー?」
「そうだよ!フランはまだ十歳、明らかに周りのアルコバレーノと年代も一致しない!実績もないのに…」

 そう白蘭が言うと困ったように笑いながら言いました

「さっきも言った様に虹はただでさえ希少な存在。彼らの同年代にはいい虹が見つからなくてね。ようやく素質を持った君という存在を見つけた。そっちの白い彼もそれなりの素質を持ってるみたいだが…残念だ」
「っ…!」

 白蘭はチェッカーフェイスを悔しそうに睨む。
 …ミーだってアルコバレーノにはなりたくないです。前世の記憶…アルコバレーノの成れの果ても見ちゃってますし。でも…チェッカーフェイスはそれを許してくれないし逃げれる自身もない…。それなら

「ミーの拒否権は勿論ないですよねー?」
「勿論!」

 そう叫んだ時、チェッカーフェイスがあの噂の光を放つ

「っ!フラン!」
「白蘭?!」

 白蘭はミーの所へ飛び込んで来ようとしました。だけど一歩及ばず…

「っ…」
「フラン?大丈夫?」
「なんとか…」
「ごめん…守れなかった」

 光が止んだとと思ったらミーたちは体が小さくなっていて、首にはおしゃぶりが下げられていました。白蘭のおしゃぶりは濁った色をしていました。それだけで自分のおしゃぶりを見るまでなく、ミーはアルコバレーノになったってわかりましたー…。因みにミーのおしゃぶりは角度によって七つの色に変わるおしゃぶりでした。

「だいじょーぶですよ。ミーとしてはあんたが何故あんな無茶をしたのか気になります」
「…僕らって前世の記憶を持ってるからこそアルコバレーノの秘密も知っているよね?」
「そーですねー。」
「フランの幼馴染として生まれたからかな?フランにはあんな最期になってほしくなかったんだよ。下手したら復讐者になっちゃう様な最期に…。例え中途半端に呪いがかかっても本気の力さえ使わなければ呪いは少しずつ解ける方向に進むしね。まぁ、失敗しちゃったんだけどね」
「でも、アルコバレーノってリボーン達の代で終わるんですよ?」
「…分からないよ。まず、僕たちが幼馴染でフランがツナクンと同い年の時点で僕らの前世とこの世界が食い違ってるからね。それに僕らの世界にはなかった虹というイレギュラーもある。」
「…ミーたちの世界と違う展開になるかのーせいがあるってことですか」
「うん。やっぱり呪いを解くには日本に行ってツナクンに接触した方が手っ取り早いと僕は思うな♪」

 …確かにそーですねー。でも…

「…リボーンに見つかるのもめんどーですねー」
「あ、そっか。」

 どんなに霧の幻術で変装したっておしゃぶりの共鳴はおそらく免れないでしょーからねー。

「じゃあ造る?マモンチェーン的なの」
「造れるんですか?」
「フランも手伝ってね♪ついでにもしツナクン達が未来に行くことになっても非73の影響を受けなさそうなやつ」
「でも今のあんたがそんな馬鹿な事するとは思いませんがー?」
「言ったでしょ?どうなるか分からないって♪ついでに虹の特性も知りたいしね♪」
「まぁ、確かに…」
「じゃ、決定ね♪」

 こうして、ミーたちは日本へいく準備をやりはじめました。 
 

 
後書き
どうでしたでしょうか?長文だらけですいません。もし可笑しいところがあれば遠慮なく言ってください。治すように努力します。あ、あと誰オチにするかアンケート設置しておきます。そちらもお願いいたします。それではまた、次回で会いましょう。

追記 9/26
マモンリングの所をマモンチェーンに直しました 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧