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Fate/inferno

作者:hollow.
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セイバー

そこはとても暗い部屋だった。唯一の光源は、古典的なランタンのようなものだけである。
その唯一の光源のもとで、1人の男が黙々と作業している。見た目年齢は60歳ぐらいだろうか。しかし、その身に纏う空気が、ただの老人であることを否定している。
「…ローニ家め、南極にて戦を行うだと?そこらの都市でいいだろうに……」
そう呟いた男…ハイド家当主、ハルカス・ハイドは特に興味もなさげに作業に戻る。彼の手には古い形状をした、それでも刃こぼれや風化していない剣が握られていた。
それは極東の国において、三種の神器の一つとされた品に他ならなかった。
(この聖遺物を使い、彼の国で神とされる者を召喚すれば、私の勝利は揺るぎないものになるだろう)
ハルカスはその絶対的な自信とともに、召喚の儀式を開始した。

***

儀式は終わり、召喚は成功した。実際、身長が2メートルもあろうかという屈強な男を喚びだせた。
「サーヴァント、セイバーだ。お前が我を喚んだ魔術師か?」
男はハルカスに問いかける。ハルカスは臆することなく、答えた。
「あぁ、私がお前のマスターだ。スサノオノミコトよ」
しかし、喚びだした男から、ハルカスにとって予想外の返答をしてきた。
「違うな、我はそのような者ではないな」
「…なんだと?」
セイバーは苦笑いしながら、先ほどより少し軽くなった口調で否定した。
(おかしい…こいつがスサノオノミコトでなければなんなのだ?)
ハルカスは知らなかった。触媒に利用した剣は、もう1人使い手がいたことを。
ハルカスの少し困惑しているのを見たセイバーは、自分の真名を告げるべく、口を開いた。
「では改めて、自己紹介するとしよう。我が真名はーーーーー」

彼は軍神や武神ともいわれ、数多くの神社に祀られており、その数はスサノオノミコトすらも凌駕し、実質日本で最も知られている英雄であった。 
 

 
後書き
今回はかなり短くなってしまいました。それでも温かい目で見ていただけると幸いです。
Fateシリーズにおいて.真名を隠すのは重要なことですが、これが案外難しくて苦戦しました…
これからもグダグダながらも頑張っていこうと思います 
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