レインボークラウン
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第四百十七話
第四百十七話 梨花と牛乳
梨花も牛乳を飲んでいた、そのうえで彼女の母親に言われた。
「最近牛乳好きになったのね」
「そうなの」
実際にとだ、梨花も答えた。
「昔は違ったけれどね」
「そうよね、あんたは」
「何かね」
小学校一年位の頃を思い出してだ、梨花は母に応えた。
「最近牛乳が美味しくなって」
「それでよね」
「よく飲んでるわ」
実際にというのだ。
「こうしてね」
「いいことね」
「身体にいいからよね、牛乳が」
「そうよ」
まさにその通りだというのだ。
「どんどん飲んでいいわよ」
「そうよね、じゃあこれからも飲んでいくわ」
「本当に子供の頃は飲まなかったのに」
その頃の梨花はとにかく牛乳を飲まなかった、お茶をよく飲んでいたのだ。
「今は全然違うわね」
「お茶も飲んでるけれどね」
「紅茶も麦茶もね」
「けれど最近は牛乳も美味しいから」
そう感じる様になったからだというのだ。
「飲んでるの」
「舌が変わったのね」
「味覚がっていうのね」
「ええ、牛乳も美味しいでしょ」
母はにこりと笑って梨花に言った。
「そうでしょ」
「そうなのよね、これが」
実際にとだ、梨花は答えた。
「飲みやすいし、ただ」
「ただ?」
「零した後とか拭かないとね」
「匂いがきついっていうのね」
「そこは気をつけないとね」
「梨花ちゃんそこはしっかりしてるじゃない」
「だといいけれど」
実際に梨花は零す様なことは殆どしないししてもすぐに拭いてそうしてその拭いた雑巾も注ぐ。しっかりした性格がこうしたことにも出ているのだ。
「それなら」42
「そう、というかひょっとして」
「ひょっとしてって?」
「その匂いが駄目だったのかもね」
牛乳のそれがというのだ。
「それでかしら」
「ううん、そうなのかしら」
「牛乳の匂いは確かにきついからね」
こう言うのだった、そしてそこから梨花も考えるのだった。
そしてだ、そのうえで牛乳を飲んでだ。その味に満足していた。しかしそこから匂いはどうかとも考えるのだった。
第四百十七話 完
2017・2・3
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