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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四話 夜の海と花火その一

                 第百四話  夜の海と花火
 香織さんと一緒に船で運河を巡ってからだった、それからホテルに戻ると丁度ディナーの時間だった、それで畑中さんがホテルに戻って来た僕達に言ってきた。
「丁度いい時間でした」
「あっ、ディナーの」
「はい」
 こう僕にも答えてくれた。
「その時間です」
「そうですか」
「ではです」
「はい、今からですね」90
「ディナーです」
「ホテルの一階ですね」
「そこのレストランで」
 夕食用のそこでというのだ。
「皆様お召し上がり下さい」
「それじゃあ」
「私も同席させて頂いていますので」
「じゃあお願いします」
「はい、そちらを楽しみましょう」
「あの、ディナーといいますと」
 香織さんはこの畏まったイメージの言葉を聞いて畑中さんに少し戸惑った顔で聞いた。
「何か特別な」
「いえ、普通にフォークとナイフを使われて」
「そのうえで食べればいいですか」
「マナーについてもです」
 よく意識されるこちらもというのだ。
「お気になさらずに」
「そうですか」
「正装もです」 
 それもというのだ。
「ないので」
「そうですか」
「本当にいつも通りです」
 八条荘で食べている様にというのだ。
「されて下さい」
「それでは」
「飾らずに」
 くれぐれもというのだった。
「楽しまれて下さい」
「そうさせてもらいます」
「はい、それでは」 
 香織さんも頷いてだ、食堂に向かった。見れば八条荘の皆もその食堂に向かっていた。けれどそれぞれでだった。
 違う感じがした、裕子さんがここで僕のところに来て言ってきた。
「先程早百合さんとです」
「お二人で、ですか」
「はい、少し外に出て」
 そしてというのだ。
「音楽が聴ける場所を探していました」
「そうだったんですか」
「ピアノがあるお店は」
「あっ、確か」
 八条グループが経営しているバーがあった、僕はそのお店の名前を思い出してそのうえで裕子さんに話した。
「そこに行けば」
「ピアノがあってですか」
「お願いすれば演奏も出来ます」
「それを伴奏にして」
「歌も歌えます」
「そうですか」
「ですから」
 僕は裕子さんにあらためて話した。
「若しよかったら」
「はい、行かせてもらいます」 
「ここにいますと」 
 ハウステンボス、その街中にだ。 
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