転生とらぶる
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ガンダムW
1637話
「見えた」
最初に敵の姿を発見したのは、当然ながら俺だった。
これは純粋にデスサイズやシェンロンガンダムと違い、トールギスが空を飛べるからというのが大きい。
そしてこのコロニーの議事堂……間違いなくバートン財団が取り仕切っているだろう場所には、当然のようにMSが集まっている。
リーオーが50機以上。
バートン財団にとっては、間違いなく最後に出せる最大の戦力だろう。
しかもリーオーという事は、それはMDではなく有人機である事を意味している。
トラゴスの類がいないのは……やはり市街地を攻撃しない為か。
まぁ、シャドウミラーのメンバーなら、トラゴスの砲撃支援とかがあっても容易に回避出来るだろうし。
「戦闘中の映像は録画しておけよ。向こうが何か妙な事を企んでも、映像があればこっちも対抗出来る」
後方からこっちにやって来ている五飛とデュオにそう告げると、俺は返事を待たず一気にスーパーバーニアを使って議事堂へと距離を詰める。
当然ながら向こうもそれを待っていたりはせず、こっちに向かって……
「おいおい、本気か!?」
リーオーが手にしているのがマシンガンやライフルであれば、まだ納得出来た。
だが……リーオーがこちらに向けているのは、ビームライフルやリーオー用のドーバーガンといったように、威力の高い武器だ。
勿論普通のマシンガンやライフルでこっちをどうにか出来ないというのは向こうも分かっているだろうし、それをどうにかする為には少しでも威力の高い武器を欲したというのも分かる。分かるんだが……
「自分の本拠地でそんな武器を使うとか、正気か!?」
叫びながら、スーパーバーニアを全開にして敵に突っ込んでいく。
マシンガンやライフルの類であっても、コロニーの中で建物とかに命中すれば相応の被害が出る。
そんな中で、ビームライフルやドーバーガンを使おうものなら、その被害はちょっと洒落にならない。
ましてや、街中にはまだ一般人がいる。
そうなると、受ける被害は洒落にならない。
デキムが立てた作戦なのか、それともそれ以外の誰かなのか。
その辺りは分からないが、中々に悪辣な考えをしてるものだ。
向こうが攻撃して、こっちが回避すれば民間人に被害が出る。
それはこっちが回避したのが悪いと、そう暗に示しているのだろう。
正直なところ、罠が失敗した場合のこのコロニー……そしてバートン財団の被害も相当のものになると思うのだが、それでもこのような作戦を選んだという事は、それだけ向こうも追い込まれているということなのだろう。
ともあれ、俺の目の前でそんな下らない作戦はさせない!
「加速」
スーパーバーニアと精神コマンドの能力により、一気に間合いを詰める。
そして敵が実際に攻撃を行うよりも前に、一気にその間合いの内側に飛び込む事に成功した。
OZの兵士なら……もしくは、連合軍でもOZとの戦いで練度が上がっている兵士なら、こうもあっさりと間合いに入られるような事はなかっただろう。
この辺り、やっぱりバートン財団の兵士は練度が足りないという事か。
ましてや、こっちを遠距離で攻撃しようと考えていた為か全機が射撃武器を手にしており、こうして間合いを詰められた事によって向こうは完全のトールギスの姿を見失っていた。
「下らない真似をしたな!」
その叫びと共に、ビームサーベルを一閃。……二閃、三閃、四閃。
近くにいた複数のリーオーの四肢が切断され、地面に転がる。
本来ならコロニーでこんな真似をした奴は、そのままコックピットを破壊してもいいと思うんだが、ここがコロニーの中である以上、核動力で動いているMSを破壊する訳にもいかない。
一応このW世界の核動力炉は、そうそう誘爆したりしないから、実際にはコックピット諸共胴体を破壊しても構わないのだが……誘爆しにくいからといって、それは100%確実って訳じゃない。
不必要なリスクは負うべきじゃないだろう。
それに、こいつらは結局デキムの駒だ。
コロニーの住民を人質に使うような真似をさせたのは、あくまでもデキム含む上の連中だ。
この兵士達は命令された事に従っているだけでしかない。
最初の攻撃で数機のリーオーが破壊され、更にそこから追加で何機かのリーオーが破壊された事でようやく向こうも手に持っていた射撃兵器を地面に落とし、ビームサーベルを装備する。
だが、その行動もワンテンポ遅れている。
そして行動の遅れは、味方の機体の破壊という結果で現される。
次々にリーオーが撃破されていき……向こうにとっては更に絶望が姿を現す。
シェンロンガンダムとデスサイズという絶望が。
普通ならこうなったら降伏してもおかしくはない。
だが、コロニーの一般人を人質に取ったバートン財団の兵士達は、自分達が降伏しても受け入れられるとは思っていないのか、必死になってビームサーベルを振るう。
それでも、トールギス1機に手も足も出なかった状態で、2機のガンダムが追加されてしまえば……それは致命的ですらある。
振るわれる攻撃で、次々に四肢を失い胴体だけになり、地面に放り出されるリーオー。
議事堂の前を守っていたリーオーが全て片付くまで、そう時間は必要としなかった。
ただ、問題なのは……デキムが本当に議事堂の中にいるのかって事だろうな。
このX-18999コロニーが本拠地ではあっても、ここで自分の野望が尽きる事になるのかどうかを考えれば、デキムは容易にこの地を捨てるだろう。
勿論、実は腹が据わっていて、このコロニーと最期を共にするという判断をするような性格をしている……とかなら、議事堂とかにいてもおかしくはない。
だが、俺が知っている限りデキムの性格というのは典型的な小悪党に近い。
少なくてもエレガントさという意味では、トレーズとは比べものにならないだろう。
そんなデキムが、大人しく議事堂にいるのかと考えれば……ああ、でも自分の権威を他人に見せつけるのは好きなんだし、そういう意味ではもしかしたらいるのかもしれないのか?
ともあれ、いない可能性の方が高いが、だからといって調べない訳にもいかないか。
「デュオ、五飛、俺はちょっと議事堂の中を調べてくる。一応敵は全部倒したんだし、問題ないだろうが、どっちかはこっちに残ってMSの護衛を、もう一人は俺と一緒に来てくれ」
『あ、じゃあ俺が行くよ。何かを探すとか、そういうのは結構得意だし』
『なら、俺はここで待っていよう。……もっとも、この戦力差でバートン財団が何かを考えるとは思えないがな』
結局はデュオが俺と一緒に来る事になり、五飛がここで俺達のMSを守りながら待つ事になる。
俺も特にそれに異論がある訳でもないので、トールギスから降りるとすぐにデュオと合流して国会議事堂の中へと入っていく。
「敵がいたらどうするんだ?」
「そうだな、出来れば殺すな」
「お優しい事で」
そんなデュオの言葉だったが、別に俺が優しいとかそういう理由で殺すなといった訳じゃない。
既に戦いの趨勢は決まった。
この状況で無意味に敵を殺すような真似をした場合、連合軍の中でも俺達の存在を面白く思っていない奴に妙な手を出される可能性がある。
勿論それでどうにかなる程にシャドウミラーと連合軍……中でもトップ3人との関係は決して脆いものではない。
だが、ここで無意味に事を荒立てるような真似をして、向こうに攻める口実を与える必要もないだろう。それに……
懐から出したように見せ掛け、空間倉庫から取り出した銃を素早く撃つ。
周囲に銃声が響くと同時に、少し離れた場所にあった物陰からこっちを狙っていたバートン財団の兵士が崩れ落ちる。
議事堂だけあってかなり高級な絨毯が敷かれているんだが、その絨毯には思い切り血が染みこんでしまっていた。
まぁ、俺の絨毯じゃないしいいんだけどな。
「おいおい、殺さないんじゃなかったのか?」
「生きてるだろ?」
痛みに呻いているバートン財団の兵士に視線を向け、デュオに言葉を返す。
……ちなみに原作だとバートン財団ではなくマリーメイア軍という呼称だったんだが、この歴史ではマリーメイアはまだ存在を明らかにしてはいない。
それもあって、マリーメイア軍という名称は一切使われていなかった。
トレーズには、その辺り感謝して欲しいと思っても、決して俺は悪くない筈だ。
ともあれ、バートン財団の兵士は太股から血を流しているが、それでも致命傷ではない。
まぁ、太股を撃たれたことで出血多量になって死ぬ可能性はあるが、さすがにそこまでは面倒を見切れない。
「いや、生きてるけどよ」
俺の言葉にデュオが溜息を吐きながら、それでもそれ以上は何も言わずに議事堂の中を進んでいく。
このコロニーの政治家辺りがいるかもしれないと思っていたが、誰もいない。
聞こえてくるのは、議事堂の外から聞こえてくる音と、今俺が撃ったバートン財団の兵士の痛みに呻く声のみ。
政治家はおろか、職員の1人もいないというのは……少し疑問だな。
いるのは、兵士……いや、兵士達のみ。
「……おい。何で議事堂の中には誰もいないんだ?」
「ぐっ、は、ははは……お前達が来たところで、もう遅い、遅いんだよぉっ!」
呻いているバートン財団の兵士に尋ねると、次の瞬間精神が肉体を陵駕したのか、思ったよりも素早い動きで懐から拳銃を取り出すと、そのまま俺の方に銃口を向け……
「アクセル!」
背後から聞こえてくるデュオの声を聞き流しながら、兵士の手を掴むとそのまま拳銃諸共に男の手を握り潰す。
手の中にあるのは、男の手の骨が砕ける感触……それも、拳銃諸共に。
「があああああああああああああああああああああああああああああっ!」
その痛みに悲鳴を上げる男。
するとその悲鳴に反応したかのように、一斉に兵士達が姿を現す。
……俺の予想通りに。
だが、予想外の事もあった。
姿を現した兵士達は、俺によって悲鳴を上げている男を助けるような仕草を一切せず、それどころか纏めて撃ち殺すべくトリガーを引いたのだ。
正直なところ、混沌精霊の俺は物理攻撃を受けても全く効果はない。
だが、今はまだ俺の正体やら魔法やらといった内容を他の者達に見せる訳にもいかず、しょうがないので男をその場に残して一気に柱の裏へと飛び退る。
するとそこには、上司の俺を見捨てて自分だけ安全圏に隠れ潜んでいるデュオの姿もあった。
「上司を見捨てる部下ってどう思う?」
「そう言われたってよ。俺にどうしろってんだよ? あの状況で出来るのは、それこそ回避するくらいだろ?」
「ま、この場はそういう事にしておくよ。ただ、後で凛に色々と話があると思うから、そのつもりでな」
姿を現したバートン財団の兵士達が、途切れる事もないままに銃を撃ち続ける。
そんな銃声の中でも、俺とデュオは普通に話をしていた。
マシンガン、アサルトライフル、拳銃……そんな銃声の数々。
「おいっ! 冗談だろ!?」
「さて、どうだろうな。ただ、この後の戦いで役に立たないと……凛がどう判断して、どんな行動をとっても、俺には関係ないが」
「いや、待てって。なぁ、頼む」
「……これからの活動次第だな」
そう告げると、デュオは嫌そうな……本当に嫌そうな表情を浮かべる。
シャドウミラーに入ってから、時間という意味ではまだそれ程経っていないデュオだ。
だが、その短い時間でデュオが凛によって受けた被害は、五飛が思わず同情してしまう程だ。
そう考えれば、デュオにとって俺の言葉は決して笑って流せるものではないのだろう。
「ったく、わーったよ! 頑張る、頑張ります! だから凛には何も言わないで下さいお願いします」
放っておけば土下座でもするのではないかと思う程、必死に頼み込んでくるデュオ。
だが、そんなデュオの様子に俺は軽く肩を竦めてから口を開く。
「だから、これからの活躍次第だな。精々頑張ってくれ」
「ったく。分かったよ。……にしても、こうして待ち伏せてたって事は、バートン財団にとってもこのコロニーが墜ちるというのは向こうも読んでたんだろうな」
話題を変えようとするデュオに、俺は頷く。
実際、いつまでもこうしてデュオを弄っていても仕方がないという思いもあるし。
「デキム・バートンを捕らえる事が出来ればいいんだが……さて、外ではどうなってるんだろうな」
デキムにしても、出来ればバートン財団の本拠地となっているこのコロニーを放り出したくはなかっただろう。
可能であれば、こうして攻めて来た俺達を倒したかったと思っていた筈だ。
だからこそ、MDやMSを用意して、こうして兵士も伏せていたのだから。
だが……それでも完全に倒せるとは思っていなかったからこそ、脱出の準備をしていたのだろう。
「ま、何をするにしても、とにかくこいつらをどうにかしないとな」
そう告げ、柱の後ろから拳銃を構え……デュオと一緒に反撃に移るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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