転生とらぶる
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ガンダムW
1636話
斬っ、という軽い手応えと共に、コロニーの外壁部分に備え付けられていたビーム砲が根元から切断されて宇宙空間を漂う。
それが十分に離れたところで、左手をそちらに向けてマシンキャノンを放つ。
基本的にはMSを撃破するのは難しい程度の威力しかないマシンキャノンだが、間近で……更に俺の射撃能力により放たれる弾丸が寸分違わぬ場所に命中し続ければ、あっさりと爆発の光が宇宙空間に生み出される。
こうしてコロニーの外壁に取り付いてしまえば、基本的にビーム砲を撃つ事は出来ない。
何しろ、ビームを発射出来る角度にも制限があるからだ。
……一応何基かは真横にも撃てるようになっているが、その手のビーム砲は費用的な問題か、それとも設置に時間が掛かったからか……その理由は分からないが、それ程数は多くない。
外壁にあるビーム砲が、次々に破壊されていく。
それを行っているのは俺だけではなく、トーラス、シェンロンガンダム、デスサイズとシャドウミラーの機体が勢揃いして行っていた。
次々に破壊されていく、コロニーを守るビーム砲。
この光景を見ているバートン財団の奴は、一体どんな風に思ってるんだろうな。
恐怖? 混乱? 怒り? ……まさか、喜びとかそっち系の感情はないと思うが。
ともあれ、次々にビームサーベルを使ってコロニーの外壁にあるビーム砲を破壊していく。
コロニーの大きさを考えれば、外壁に存在するビーム砲の数はかなり多い。
多いのだが……それでも無限という訳ではないし、せっせとビーム砲を破壊して回っているのは、全員が腕利きのパイロットだ。
多少数が多いだけのビーム砲であっても、それで出来るのは若干の時間稼ぎくらいだった。
「こっちはビーム砲を全て破壊したぞ。そっちはどうだ?」
『こっちはもう少し』
『あー、悪い。俺ももう少し時間が掛かるみたいだ』
『もうすぐ終わる』
それぞれに返ってくる通信に、取りあえず少しの間は暇だと判断する。
先にコロニーの中に入るか? いや、けどそれはそれで後で文句を言われそうだな。
それに、バートン財団の方で妙な真似をされないとも限らないし。
……もっとも、今のバートン財団で何が出来るのかと言われれば、特に何も出来ないと言うしかないんだが。
ああ、でも戦った相手は殆どがMDだったのを考えると、まだ有人機のMSが残っているのか。
それがどれくらいの操縦技術の持ち主かは分からないが……正直なところ、あまり期待出来そうにないんだよな。
いや、勿論敵が弱ければ弱い程いいのは事実だが。
連合軍が戦う分には、どうしても相手が弱い方がいいのも事実だ。
いや、デュオ辺りなら、寧ろ敵が弱い事を歓迎するか。
綾子や五飛は、出来れば敵は強い方がいいと思っているだろうけど。
そんな風に考えながら、コロニーの中に入る出入り口近く……俗に言う港へと移動する。
そこにも何ヶ所かビーム砲が存在したが、それは既に破壊されている。
担当としては……デュオだったな。
接近戦特化型の機体として、デスサイズはこういう時に強い。
ミラージュコロイドやASRSに比べればかなり弱いが、それでもある程度のステルス能力はあるし。
技術班辺りがいれば、恐らく魔改造していただろう。
ガンダムを開発した技術者達を見つけ出して、何とかデスサイズからデスサイズヘルに、シェンロンガンダムからアルトロンガンダムにパワーアップさせたいところではあるんだけどな。
『アクセル、こっちは終わったわよ』
最初にそう声を掛けてきたのは、予想外な事に綾子だった。
ああ、でもMAになれるトーラスなら、移動速度的な面で一番始めに戻ってくるのは当然なのか?
純粋な技量という意味でも、綾子はデュオに勝った経験があるんだし。……それが半ば偶然に近いとしても。
「お疲れさん。後は五飛とデュオが……」
『おっと、待たせたか?』
『終わったぞ』
最後まで言うよりも前に、デュオと五飛が……正確には2人が操るガンダムが姿を現す。
「そうか。じゃあ、全員揃った事だしコロニーの中に突入するが……一応周囲の様子には注意しておいてくれ。まさかここで港を破壊するような真似をするとは思えないが、追い詰められている以上、バートン財団が……いや、そのトップのデキム・バートンが妙な真似をしないとも限らないからな」
コロニーの港というのは、そのコロニーにとっては文字通りに生命線と言ってもいい。
コロニー単体で自給自足出来ない以上、足りない物資の類は当然のように他のコロニーや地球といった場所から仕入れる必要がある。
ましてや、このX-18999コロニーはまだ完成してからそれ程経っておらず、住人の数も少ない。
自分達で必要とする物資を全て用意するというのは、まず不可能だろう。
……それでも完全に安心出来ないのは、やっぱりデキムの性格があるからだろうが。
『はぁ? コロニーで港を破壊するような奴がいるのかよ?』
信じられないといった風に告げてくるデュオだったが、俺はそれに首を横に振る。
「残念ながら、そんな奴は普通にいるんだよ」
自分が危険になれば、多少の被害は構わない。いや、それどころか肉を切らせて骨を断つを地でいくような相手はこれまでに何度となく見てきた。
そう考えれば、コロニーの港を破壊するくらいの事は平気でやるだろう。
被害が出るのがコロニーだけなら、それこそバートン財団の金があれば幾らでも補修は可能だろうし。
もし人間に被害が出るとしても、デキムの場合はそれが自分やマリーメイア……いや、究極的には自分が生き残る為であれば、マリーメイアに被害が出ても全く構わないだろう。
もっとも、港を破壊したとしてもバートン財団が追い詰められているのは変わらない。
それこそ、いざという時に自分達が逃げ出す場所がなくなってしまうと考えれば……さて、そんな手段を選べるかどうか。
『じゃあ、どうするんだよ? このまま放っておくのか?』
「まさか。普通に中に入るさ。……このメンバーなら、いざという時には何かあっても、機体に被害が及ぶ前に脱出するのは可能だろう? ……ああ、けど。綾子はまだコロニーの中に入らないでいてくれ。俺達がコロニーの中に入ったのを見越して向こうが何かやらかすかもしれない。その援護も必要だし」
もっとも、綾子をこうして残した理由は、やっぱり危険だからというのが大きい。
もし機体が爆発しても、俺は宇宙空間で普通に活動出来る。
また、五飛とデュオが乗っているのは、ガンダニュウム合金製のMS、ガンダムだ。
それこそ、間近で多少爆発された程度であっても、損傷は殆どないだろう。
そんな俺達3人に比べると、綾子は半サーヴァントで生身のまま宇宙に出る事は出来ないし、機体もガンダニュウム合金製ではなく、最新鋭であってもOZの量産型MSでしかない。
機動力重視のトーラスだけあって、防御力は重視されていないというのも関係している。
……まぁ、実際にはリーオーに比べると若干であっても防御力は高くなってるらしいが。
そんな訳で、綾子にはコロニーの外を警戒して貰いたかった。
純粋にコロニーの外でバックアップをするメンバーが必要だという理由もあるんだが。
それを理解したのだろう。若干不満そうながら、綾子は頷きを返す。
『分かった。……アクセルの事だから心配する必要はないだろうけど、気をつけて』
その言葉に頷き、トーラスが港から離れて俺達から距離を取ったのを確認すると、そのまま俺達はコロニーの中へと入っていく。
一応危険だと思って用心はしてるけど、実際にはそこまで考える必要はないと思うんだけどな。
そして実際にコロニーの港に入っていったが、そこが爆破されるような事はない。
『おいおい、爆破の件はともかくとして、MSの迎撃もないってのはどういう事だ? 向こうにとって、ここは最後の砦なんだろ?』
訝しげにデュオが呟くが、それ自体は特に不思議な事でもない。
「バートン財団にとって、こっちが全力で戦える場所というのは、戦場に相応しくないんだろ」
少なくてもコロニーの中であれば、ドーバーガンは使えない。
……逆に考えれば、コロニーの中に俺達を誘い込んでも防げるのはドーバーガンだけになるのだが、トールギス最大の攻撃力を持つドーバーガンを封じる事が出来るというのは、大きい筈だ。
ウイングガンダムのバスターライフル程の威力はないが、それも数機のMSを同時に撃破出来るだけの威力を持つ武器なのだから。
『ふんっ、汚い真似をする。手段を選ぶような余裕もなくなっているという事か』
五飛が吐き捨てるように呟く。
まぁ、それは間違いないだろう。
元々原作でも、バートン財団が動くのはこの戦いが終わって、更に1年という時間を必要とした。
だが、この歴史では連合軍に俺達が協力したという一点で、OZに対して優位に戦っている。……何だかんだと、ガンダムも2機シャドウミラーに所属してるしな。
そんな訳で、このまま流れに身を任せてもバートン財団がOZに勝つだろう連合軍を相手に勝つ……いや、そもそも戦いを挑む事すらできなくなると判断したのだろう。
それは決して間違ってる訳ではなく、冷静な判断ではあったが……だからこそ、デキムは焦ってしまった。
息を潜めていれば自分達の存在は露見しなかっただろうに、その焦りから行動に出てしまったのだ。
……まぁ、ナデシコ世界と違って俺に原作知識がある以上、内乱が連合軍の勝利で終わったらバートン財団についてはノベンタ達に情報を漏らしていただろうから、結果だけを考えれば、今動くのも決して悪い訳じゃなかったんだろうが。
「こっちを甘く見たのなら、それを破ってこっちの実力を見せつけてやればいいだけだろ。行くぞ」
そう告げ、ガンダム2機を引き連れながら港の中を進んでいく。
中には何隻かの宇宙船があるが、特に動いたり、こっちに攻撃してきたりするような様子はない。
実はバートン財団の宇宙船ではないのか、それとも戦力的に使えないと判断しているのか。
そのどちらかは分からなかったが、それでもこっちに攻撃するような真似をしないのは助かる。
そしてコロニーの中に入ると……
『げっ! マジかよ!?』
デュオの驚く声が、通信を通して聞こえてくる。
いや、それは俺も同じ気持ちだし、珍しい事に普段無愛想な五飛もまた、大きく目を見開いている。
当然だろう。何故なら、コロニーの中は普通の光景だった為だ。
そう、普通の……日常的な光景。
実際、コロニーの中にいる者達は、いきなり港から姿を現したMSを指さし、何事かといった風に騒いでいるのだから。
つまり、デキムはコロニーの一般市民を避難すらさせていなかったのだ。
それが意味しているのが何なのかは、考えるまでもない。
即ち……肉の盾。
『愚劣なっ!』
忌々しげに叫ぶ五飛。
恐らく……いや、確実にここにいる一般人は、バートン財団の関係者ではないか、関係者だとしても重要人物の関係者ではないのだろう。
『アクセル、どうする? こうなると、迂闊に飛び道具は使えないぞ?』
「……だろうな」
デュオの言葉通り、こうして避難も何もしておらず、普通にコロニーの住民が街中に出歩いているとなる中で下手に射撃武器を使おうものなら、間違いなく死人が出る。
また、この戦いが終わった後でそれを問題にするような奴も出てくるだろう。
それとも、バートン財団がOZと手を組んでいるのであれば、そっち関係でOZが非難声明を口にするのが先か?
どちらが先なのかは分からないが、わざわざ向こうに攻撃の……いや、口撃の材料を与える必要はない。
「射撃武器の使用を禁止する。頭部バルカンの類も含めてだ。攻撃は近接用の武器のみで行い、爆発させるような真似もするな。お前達はガンダムのパイロットで、シャドウミラーのメンバーだ。その程度は問題なく出来るな?」
『……ふんっ、当然だ。あのような卑怯者共に負ける筈がない』
『まぁ、コロニーに被害を出さないようにって考えれば、寧ろそのくらいは当然かもな』
俺の言葉に、五飛とデュオがそれぞれ返事をする。
幸いなのは、シェンロンガンダムもデスサイズも、そこまで強力な射撃武器を持っていないという事か。
戦いになっても、武器の使用制限はそこまで大きくはない。
寧ろそういう点では……
『けど、いいのかよ? アクセルのトールギスは、そうなると使える武器はビームサーベルのみになるぜ?』
そう。デュオが言ったように、射撃武器を封じるとなると、ドーバーガンは当然ながら、両肩、両手首のマシンキャノンも使用が不可能になる。
だが、そんなデュオの言葉に、俺は笑みを浮かべて口を開く。
「心配するな。この程度の敵、どうとでもしてみせるさ。俺はシャドウミラーを率いる男なんだぜ?」
そう告げ、港からコロニーに入って立ち止まっていた場所から、一気にコロニーの中心部目指してトールギスを進めるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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