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もう一人の劣等生

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追憶

いまから三年前刃更たちにとって、忘れられない出来事が起こった。
場所は沖縄だった深雪と達也、そして俺の関係が根本的に変わる出来事だった。
中学一年の夏すべてはここから始まった

*****

三年前 夏 沖縄

ここは空港のロビー俺達は一人の少年を待っていた、少年の名前は司波達也俺の従兄妹だ。
ここには、俺の叔母司波深夜、従兄妹の深雪が一緒に待っている。
しばらくして、達也が大きな荷物を持ってやって来た。
「やあ、達也お疲れさん」
達也は軽く一礼するだけだった、この従兄妹は基本俺とは喋らない。
俺は達也から自分の荷物を受け取った、すると深夜さんが
『あら刃更さん、荷物なんてこの子に運ばせればよろしくってよ』
そう言ってきた
「いえ、自分の荷物位は自分で持ちますよ」
『そう』
俺はこの叔母が苦手だ。
『刃更っさんは、あの人に荷物預けないんですね』深雪が言う
「ああ、自分で出来るからな」
そうして叔母さんの別荘に移動する。

*****

司波家 別荘

『お待ちしていました』
入り口で桜井穂波(さくらいほなみ)さんが出迎えてくれた。
彼女は叔母さんのガーディアンだ。
四葉家では重要人物にはガーディアンがつく事になっている、何故か深雪のガーディアンは達也だ。
確かに達也はこの年にしては強いと思うが、子供の護衛に子供をつけるなんて変だと思う。
そのことを母さんに聞くと大人には色々事情があるのよって言われた。
『せっかくですから散歩でもして来てはいかがですか』穂波さんが深雪に言う
『そうですね、刃更さんも行きましょう』
「ああ、一緒に行こう」
『では達也くん護衛お願いね』『承知しました』
せっかく深雪とデートだと思ったのに達也も来るらしい。
でも深雪には護衛が付くのに俺にはいない。
前に母さんにその事を聞いたときあなたには要らないでしょって言われた。
まあ確かに俺を殺せる奴は、ほとんど居ないと思うけど。
系統外特殊魔法、自己再生これが俺の固有魔法だ、暗殺や事故等で死ぬことはまずないといえる。
もう一つの固有魔法は系統外特殊魔法、消滅だ、どちらも特殊な魔法だ。
固有魔法なのでおれ以外には使えない。
このおかげで今の所、四葉の次期頭首候補筆頭だ。
おっと、考え事をしていたら深雪の準備ができたらしい。
『では、まいりましょう』と深雪
『行ってまいります』と達也
「いってくるね」と俺
こうして、三人で初めて出かけることとなった。
散歩をしているが深雪と達也の距離感は微妙だ、なんかよそよそしい。
どうも深雪が、達也を苦手としているようだ。
しばらく歩いていると前から、がらの悪そうな男達が近づいてきた。
いわゆる、レフト・ブラッドと言われる奴ららしい。
『おい、ガキ共邪魔だどっか行け』
いきなり深雪に絡んできた、達也が深雪の前に出る。
『おい前に出てきて何するつもりだ』
男達はにやにやしている。
『今なら穏便に済ませてやるから去れ』達也が挑発する。
俺は深雪に害が無い限り動くつもりは無い。
これでは俺が深雪の護衛みたいだ。
深雪は怯えている、達也がさらに前に出る。
そこからは一方的だった、達也が相手をのして終わりだった。
そして別荘に帰るのであった。

 
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