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Fate/ideal

作者:サクラ,
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episode3 神に穿つ聖なる槍

 
前書き
こんにちは。早めに投稿出来て良かったです。見ていただくと幸いです。
あ、台本形式に近くようなそうでもないよな?感じなので嫌な方はあれです。ごめんなさい 

 
「のう?マスター。こんな所で一体何を……」

ごそごそと何かを探しているバーサーカーのマスターにそう問いかけた。マスターはバーサーカーの方を向かずになんでもいいだろと素っ気なく答えた。
バーサーカーはまあよいと答えると上への階段を上っていた。
マスターは余計なことをするなよと叫んだが、答えは帰ってこなかった

「バーサーカーとは扱いづらい……にしても、ここも久しぶりだな。閉鎖してから2年か」

文字が書かれた物がありアトラス院とまでしか読めなかった。この場所は2年前、エジプトにあるアトラス院が閉鎖した。イギリスにあったアトラス院だ。所長以外は理由はしらないが閉鎖したのを機に所長及びその部下は投獄。今現在所長以外は出所している。アトラス院が手引きしたらしい。

「なにかあったはず、アトラス院がここを閉鎖したかった理由と2年前、実験体1号であった息子に聖杯戦争にルールも関係なしに聖杯戦争の地冬木に向かわせ、所長が聖杯を求めた理由が……ん?これは」

バーサーカーのマスターが何かを見つけた瞬間上で爆発音が起きた。突然の音にバーサーカーがやらかしたと思ったマスターは上へと駆け上がる。こんな夜に立ち入り禁止の場所に入ったなんてバレたらめんどうだ

「バーサーカー!!」

そう叫んだ彼が見たのは、戦闘態勢のバーサーカーとキャスターらしき女性

「あら、見つけましたよ。アイシス・アルルカン」

キャスターに自分の名前を言われ驚いた。なにより俺に何のようだと考えた。アイシス・アルルカン。元アトラス院の魔術師。アイシスはバーサーカーへと近づく。

「どうする?吾はいつでも準備万端だぞ」

マスターがいない。それが気になる。隠れてるだけならいいが何を企んでいるのだろう。そもそもどうやってこの場所にいると。なぜ俺を狙っている。ああさっきの資料もっと見たいんだけど。

「ああ、もう」

計画することも戦略を立てることも得意ではあるつもりだが予想外な行動には弱い。臨機応変なんて知らん。
そんな自分だからこそ、いつも選択を間違える(・・・・・・)
バーサーカーはもうやる気満々と言わんばかりに炎が燃えてる、熱い。バーサーカーの方を向いて頷いた

「吾の力、見せつけてやろう!」

キャスターと襲いかかるバーサーカー。正直負けるなんて思ってないがあのキャスターがどうにも気になる。
なんにせよ、今バーサーカーは剣を振り回してキャスターを圧倒してる。近づかれたらキャスターも何も出来は……

「Pause magique!」

その声と共にバーサーカーが動かなくなった。
俺にもわかる言語で唱えられた。一時停止魔法。そんな魔法。令呪で無理矢理、動かせるか?

「私は戦う気なんてないのよ?アイシス。私と……手を組みなさい」

そうキャスターは言った。
断るに決まってるんだが俺の意識がだんだん沈んでいく。
最初からこちらの意見は関係なかったみたいだ。バーサーカー共々、駒にするためだな。
そこでアイシスの意識は途切れた。

「次は……そうね。しばらくは準備に時間がかかるわ。ランサーとアサシン、そしてライダー、アーチャーはどうしましょうか」



???

「……気味が悪いところのう」

バーサーカーがボソリと呟くがアイシスもキャスターも何も言わなかった。アイシスはもうすでにキャスターの手の中。吾もアイシスのサーヴァントである以上従うしかない。あの後はすぐここへと吾共々転移させられた

「あなたはここで待ってなさい、バーサーカー。分かってるとは思うけど変な真似はしないでね……ああ、物に当たるくらいなら許して上げるわよ」

不気味な笑顔をして中に入っていた。気に食わんな。
キャスターに言われたので剣で周りは切りまくっとこう。せめての足掻きだ。
剥製から置物までなんでも切りつけて、笑いながらバーサーカーは呟いた

「……吾はこのまま黙ってるつもりは無いがな」




エクル邸

夜が明けてセイバーは階段を降りていく。降りたすぐ先にリビングがありテレビが付いていた。
なんでもどっかの場所で爆発があったとかなんとか。
周りを見渡してもエクルが見つからない。
それにしても昨日の夢の黒服も気になるが……実験体1号ね……

「セイバー、起きたのか」

声の方へ顔を向けるとエクルがいた。手には朝食を持っていた。
ちょうど起こしに行こうと思ってたんだといいながらオレが座っていたイスの向かいの椅子に座る。朝食はパンと玉子焼き。

「セイバー、これからの事だがキャスターをどうにかしないといけないんだが正直、セイバーと相性が悪すぎる。何があったか覚えてるか?」

宝具を撃とうとした後は何もと言って首を横にふる。
キャスターは黒から白まで魔術に精通してるし禁呪だって知ってる。魔術だけで言えば花の魔術師にも匹敵するかもしれない。
まあ花の魔術師って言っても分からないだろうが。
わからんなとエクルは答えた。まあ誰でもいいと言葉を続けエクルがセイバーにある提案した

「キャスターとは俺がやるからランサーをどうにかしよう。真名までは分からんがマスターと場所は分かった。エルメロイが調べてくれた」

あいつも役に立つんだなと心の中で呟いた。マスターの友人だ。変な事言って怒らせるのはめんどくさい。それよりも

「キャスターは俺がやるとはどういうことだよ。サーヴァントに魔術師が叶うわけないだろ、たとえエクルが優秀な魔術師だとしても……」

セイバーが言い切る前にエクルが言葉を遮り俺にはこの剣があるから大丈夫と言う。言うこと聞かないなら令呪使うぞとも脅してきた。
そこまで言われたら従うしかないし、令呪は取っとかせておきたい。仕方なく従うしかなかった

「危なくなったらすぐに呼べよ。死んでしまいましたなんて笑えねぇからな。エクル、頼むぜ?」

大丈夫、俺には加護があるからなんて訳分からないことをいうが一応信じる。ランサーの場所を教えてもらい今夜向かうことにした。夜の方が一般人には見つからない。

「あ、それとセイバー」

何かを言い忘れたのかエクルはセイバーに声をかけた。
セイバーは顔を上げエクルを見る

「その場の判断は基本任せるけど……なるべく1対1の勝負で戦えよ。他のサーヴァントの乱入なんて良くあるからどうすれば有利かどちらが友好的に手を結べるか、それを考えて判断して戦うんだ。頑張れよ」

そう言って朝食の皿を片付けに行ってしまった。
乱入なんてまとめてやればいいと思うセイバーだが頭の片隅には置いといた。


「俺の方はどうにかなるか分からんが、セイバーには勝ってもらわないと」

彼女も馬鹿ではない。円卓の騎士だったんだ、自分の騎士団は持ってただろうし、指揮能力はあったのだからその場の判断は出来るだろう。謀反起こした時はセイバーが諸侯の貴族を味方に付けてたらしいしな。ずる賢いだけかも知れんが。
エクルは洗い終わると地下へ向かい準備を進める。いくつかの宝石を取り出す

「エルメロイに聞いたが宝石に魔術を込めて使う物があるんだったな……」

大量に持っていた魔力も数年前に制限をくらって全部は使えない宝石に貯めとけば長期戦になっても何とかなるだろう。
宝石魔術とこの剣。俺はまだ死ぬつもりはないからな。

「ふぅ、だいぶ魔力を宝石にこめた。夜までは寝ていようか……結構魔力を消費した」

いくつかある宝石を机の上に起き、ベットに横たわる。まだ昼過ぎではあるが、疲れてしまった。夜には起きるだろう。
セイバーの方は下見とか言ってエルメロイが言っていた教会へと向かった。今回の聖杯戦争は監督役の神父はいないようだ。
冬木の時は裏でマスターと繋がってたみたいで厄介だったらしい。結局の所繋がってたマスターは死んでしまったが
そんなことを考えているとエクルは眠りについてしまった。


エクルの中に何かが入り込んできた


「ランスロット卿!何をしてる!」

そう叫んだ騎士。見覚えのある俺のサーヴァントであるセイバーだ。史実通りなら今はランスロットとギネヴィアの不義の瞬間ってところだな。

「……アグラヴェイン卿、モードレッド卿。ここは任せる。私は戻る。報告はしておいて欲しい」

そう言われた騎士は承りましたと言い金髪の騎士はその部屋から出ていった。その顔はなんとも言えない悲しいのか怒っているのかどちらとも分からなかった。
場面は変わる

「……オレがホムンクルス?」

「あなたは私とあの子の血を引いてるわ。ホムンクルスではあるけれどもね。あなたが王になるのよ。アグラヴェインもちゃんとサポートしなさいよ」

ホムンクルスと聞いたセイバーは顔を伏せてしまった。アグラヴェインと呼ばれた男性はしばらく黙っていたものの分かりましたと答えた。モルガンは笑った。何も知らなければ素敵な笑顔をだったが、会話から何よりキャスター(・・・・・・)としての彼女を知っていると素直に褒めることはできないだろう
さらに場面は変わる

「父上!オレは!ただ!」

「あなたを王として認めるわけにはいけない、モードレッド卿!」

槍に刺されるセイバーは渾身の力で最後の攻撃をする。
セイバーの感情が流れてくる
ただ認めてほしい。ただ息子と呼んでくれるだけで良かったホムンクルスだとしてもそれで救われた。でも結局父上ーーアーサー王あなたはオレのことを最後まで息子と呼んではくれなかった。

エクルは目が覚めた。セイバーの背負うものを見た。きっと俺がセイバーのことを見たように俺のこともセイバーは見たのだろうか。セイバーを呼んだ時の触媒はただのレプリカだったが、もしかしたら父に認めてもらいたいという点で引きあったのかもしれない。

「夜か、キャスター探しに行かないと」

今頃セイバーも向かってるだろう。俺は俺でやることをやる。
先ほどの夢を頭から振り払い、宝石と剣を持ち外へと出た。


「ここか。特に何の変哲もない教会だけどな」

セイバーはエクルの言っていた教会へとついた。見た目はただの教会だが、確かにサーヴァントの反応を感じる。だがこの反応。一つじゃない。
その時、爆発とともに槍兵が教会の2階あたりから落ちてきた。それを追いかけるように馬が引く馬車と共に現れる男性

「客が来たようだランサー、相手をしてはどうだい?」

ランサーはこちらへと振り返る。オレがマスターに言われたのはランサーの相手。オレがやるのはもちろんライダーであるあの馬車とその持ち主ではなく、ランサーだ。
セイバーはランサーに襲いかかる。剣を上から叩きつけるよう振りかざすがランサーはそれを槍で受け止める。その後セイバーを押し返して後ろに飛ばす。

「僕を忘れてもらったら困るなぁ」

ライダーは矢をランサーに打ち込む。ランサーは後ろに下がりひたすら避ける。
ランサーは不利な状況に陥る。

「せめて、ライダーは潰そう。この槍があなたは神だと言っている。なら私はあなたを倒すためにいるのだろう」

ランサーはそう叫ぶ。セイバーもライダーも身構える。ライダーにいたっては神だということに気づかれ少し驚いた顔をする。セイバーも神が聖杯戦争のサーヴァントとして呼ばれたのには驚いたがチャンスは逃さない。ランサーの槍でライダーを潰せればランサーと一騎打ちになる。ランサーは武器を構える。

「これは神ならば必ず殺す、私の名がつく特別な槍だ。穿て、そして殺せ!神へと穿つ聖なる槍(ロンギヌス)!」

ランサーは宝具を放った。真名解放による宝具。ロンギヌスは有名な人物とはいいがたいが、ある人物を刺した人でありその槍は神を殺すと言われた槍、ロンギヌス。本人の名はロンギヌスで槍の名は本人の名が付けられた。
ここでセイバーに今朝言われた言葉がよぎる
「他のサーヴァントの乱入なんて良くあるからどうすれば有利かどちらが友好的に手を結べるか、それを考えて判断して戦うんだ。頑張れよ」
もし、ここでライダーが倒れランサーに味方がいたら、ランサーのマスターが優秀な魔術師でサーヴァントにも多少の抵抗が出来るもの場合。不利になるのはオレだ。ライダーにも同じことが言えるが、ライダーの方は守れば借りぐらいは作れる。この状況だとランサーと共にライダーを倒してというのはもう出来ない

「そんなもの位で僕が倒せるわけが……!?」

拘束魔法。教会からライダーを拘束しているランサーのマスターがいる。だいぶ離れた距離で一時的にとはいえライダーの足止めをした。ランサーにとってこれは絶好のチャンスでもはや避けれないほど槍は迫ってた。

「させねぇ!!」

セイバーが槍を弾き飛ばした。ライダーは守ってくれたのも驚いたが宝具の1発を弾き飛ばしたのにも驚いた。すぐさま攻撃に転じる。目の前のセイバーではなく、ランサーに

「走れ!翔けよ!我は太陽!天を翔けよ太陽馬車(ヘリオスチャリオット)

ライダーの乗っていた馬車が眩しいほどに燃え上がりランサーへと突っ込む。馬車を受け止められないランサーは受け止めることも出来ずに太陽馬車に轢かれてしまう。吹っ飛んだランサーはどうにか立ち上がる。

「まだ私は終わっては……」

そう思ったランサーの目の前にはセイバー。これで終わりだよ。そう言って深く剣を突き刺した。刺されたランサーは光の粒子ななり消えていった。

「……助かったよ、セイバー。危うく死ぬ所だった」

セイバーはそう言われライダーの方に1回むき、貸しだ。とそう言葉を発した。ライダーは笑いながら今日は君とやるのはやめておこうとそう言って教会の方へ目を向ける。

「……ランサーいってしまったか。私の願い。どんなものにでも幸福だけを与えたかっただけなのに、こうも早く退場とはな」

そう答えたランサーのマスターにライダーは笑いながら答えた。

「不幸があるから幸福があるんだ。幸福ばかりあってもつまらなくはないか?何も負の感情が絶対悪とは限らないんだよ。槍のマスター。光がある所に闇があるように何事にも対峙するものがなければ存在できないんだよ」

まあ結局の所、僕の考えだけどね。最後にそう付け加えた。
ランサーのマスターは笑いながら教会の中へと帰っていった。
と思ったのだが突然振り返りセイバーに向かって言葉を発した。

「セイバー。私の使い魔が見たのだが、キャスターにお前のマスターはやられてしまった。ランサーとセイバーがやりあうのを知ってたのかは分からんがわざわざ私の使い魔を拘束して伝えろと言ってきた」

1人で会いに来いだそうだ。場所は後で連絡すると。そう言って今度は振り返らずに行ってしまった。

「くそっ、大丈夫って言ってたじゃないかよ、エクル!」

そう叫ぶセイバーにライダーは話を持ちかける。
借りを返すのが早くなりそうだな。力をかそう。そうライダーは言った。


残りサーヴァント及びマスター
セイバー マスター エクル・アルトマイル
アーチャー マスター 守屋香織
ランサー退場

ライダー マスター ???
アサシン マスター???
キャスター マスター ???
バーサーカー マスター アイシス・アルルカン
 
 

 
後書き
見ていただきありがとうございます。
ランサー ロンギヌスは多分英霊と呼ばれるようなものかは微妙かも知れませんがあることをやったということで英霊として登場しました。3話で退場してしまいましたが()
彼の宝具ロンギヌスは神相手ならばかすっただけでも絶命させるという効果を持っていたので当たったら神性があるライダーは死にます。
彼のマスターは拘束魔法という相手を縛り付けるのに適した魔法を得意としました。
ライダーが何者かはもうわかったはずです。
キャスターの呪文はそのままの意味です。
最後にFate/idealは短いと思います。10話くらいで完結、もしくはそれより早くなると思います。
長々と書きましたがここまで見ていたただきありがとうございました。 
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