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提督はBarにいる・外伝

作者:ごません
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提督はBarにいる×黄瀬レイタ編・その1

 
前書き
 今回も読者さん考案のオリジナルキャラ出演編です。キャラがかなりチャラ男っぽい仕上がりなので、嫌いな方はご注意下さい。 

 

「提督~、お客さんで~すよ~」

 その日の門番だった北上に連れられて、今日訪問予定だった提督とその嫁艦が来訪した。

「いや~しばらくっす先輩」

「しばらくじゃねぇだろうが。で、今日は何の用だ?」

「随分とご挨拶ですね。折角先輩の好きそうなお酒、持ってきたのに」

「ならそれ置いて帰れ。遊んでいる暇はない」

 俺はひたすらに目の前の男を追い返そうとしている。こいつの名前は黄瀬玲太。字面が嫌いらしく、名前はレイタと片仮名で書いてください、とは本人談。中肉中背の普通の若いニィちゃんだ。昔陸上か何かで鍛えてたらしく、脚だけ早い。茶髪の短髪で顔立ちは最近流行りの草食系男子な顔してやがる。一緒にゃされたくねぇが、同業者だ。

「そんな冷たくあしらわなくてもいいじゃないスかぁ~、同じ釜の飯を食った仲なんだし」

「お前は毎晩ウチの店で呑んでただけだけどな!」

 実を言うとこの黄瀬レイタ、新人の頃に研修と称して一時期ウチにいたのだ。ノリの良さと要領の良さでウチの連中にも人気者だったのだが、今は東海地方にあった鎮守府の再建をしつつ提督業に励んでいるらしい。

「も~、相変わらずdarlingはレイに手厳しいネーw」

 苦笑いをしながら奥から出てきたのは金剛。そういやぁそろそろ一服するかと話をしてたんだっけな。

「あ、金剛さん!今日もお美しいっス!」

「ヘイヘイヘイ!なんでレイタは他の鎮守府のワタシに鼻の下伸ばしてるネー!?」

 さっきからイジってなかったが、レイタの奴の嫁艦も金剛だ。しかもウチと同じく、ガチの方の結婚までしてるという溺愛っぷりだ。

「ちゃ、ちゃうねん金剛。女神が2人もいたからつい……」

「ついって何ヨー!」

 何ともまぁ、若夫婦を見てる気分だわ。……実際俺より若いんだが。

「まぁいい、ちょうど一服しようと思ってたトコだ。茶でも飲んでけ」

 紅茶とコーヒーの支度はウチの金剛に任せて、俺はお茶請けを何か作るとするか。




 さてと、手早く菓子を作るならホットケーキミックスが便利だよな。コイツを利用して何品か作るとしよう。まずは……そうだな、焼き上がりに時間のかかる、チーズケーキ風のベイクドケーキを焼くとしよう。

《チーズ無しでチーズケーキ風ケーキ》※分量18cm丸型用

・プレーンヨーグルト:400g

・ホットケーキミックス:100g

・お好みのジャム、又は砂糖:50~80g

・卵:2個

・油:大さじ3



 まずはオーブンを180℃に余熱しておき、ケーキ型に分量外の油を塗って粉を振るっておくかクッキングシートを敷いておく。

全ての材料をボウルに入れて混ぜ、型に流し込む。この時、ヨーグルトの水切りは要らないからな。後は余熱したオーブンに入れて、55~70分焼けば出来上がり。焼けるのにも時間かかるから、その間に短時間で出来る奴を作ろう。





《手早く!カレーアメリカンドック&チーズドック》

・ホットケーキミックス:150g

・牛乳:140cc

・マヨネーズ:大さじ1

・カレー粉:小さじ1

・ソーセージ(ミニサイズ):8本

・チーズボール:10個くらい



 ソーセージには竹串、チーズボールには爪楊枝を刺しておく。

 ホットケーキミックス、牛乳、マヨネーズ、カレー粉を混ぜ合わせて衣を作り、ソーセージとチーズボールに衣をつけていく。卵を入れないのは、衣が柔らかくなりすぎてソーセージ等に纏わりつかない……なんて事を防ぐためだ。天ぷらの衣同様、ダマが少し残る位の方がいいな。

 後は170℃に熱した油に投入し、衣が狐色になったら完成。


「そういえば、レイは今どこの鎮守府だっけ?」

 ウチの嫁さんがレイタに尋ねる。

「所属は横須賀っスね。でも、配属は東海鎮守府ですよ」

 東海鎮守府?確かそこは……

「おい、東海鎮守府は確か破棄されたんじゃなかったか?」

 調理の手を休めずに、今度は俺がレイタに尋ねる。俺の記憶が正しければ、東海鎮守府ってのは今の国内4大鎮守府……横須賀・呉・佐世保・舞鶴が出来る前、深海棲艦が出現した当時の最前線であり、大規模襲撃を受けて一度壊滅して破棄された鎮守府のハズだ。

「あぁ、なんか建て直すみたいですよ?だから俺なんかが大佐に昇進して提督として着任したみたいですし」

 なんか厄介払いのような気がしないでもないが、まぁいいか。何せこいつの艦隊、まともな戦力がこの嫁さんの金剛位らしいからな。




 ウチの艦娘育成の基本理念は、「手広く平均的に」だ。幅広く作戦領域を展開するには、保有戦力の全体的な底上げが必要だという考えの下、シフトを組んで経験を積ませている。レイタの奴にもそう仕込んだ筈なのだが、こいつはそれをガン無視して金剛を集中的に鍛えてケッコンまで持ち込んだらしい。

「惚れちゃったんだからしょうがない!」


 と力説していたらしいが、一発殴ってやろうか。それにこのレイタには悪癖というか、少々めんどくさいクセがある。

「さぁ金剛、ティータイムだ。40秒で支度しな!」

「40秒?せめて3分は待って欲しいネ!」

「3分待ったらバルスを唱えるんですね、わかります」

「Oh、バルスなんて唱えたらここの施設がbrokenしちゃうヨー」

 そう、何を隠そうこの黄瀬レイタ、ちょっとイタ過ぎる位のアニオタである。会話の端々にアニメネタをねじ込んで来て、会話しにくい事この上ない。しかもそれが嫁さんにまで伝染してる上にバカップルの様にイチャつきまくるから目も当てられねぇ。東海鎮守府への着任が厄介払いじゃないのかと邪推した原因はこれだ。

「ハイハイ、ウチは天空の城でもなんでもねぇから。バルス唱える前にこれ食って茶でも飲んでな」

 油の切れたアメリカンドックとチーズドックに、ケチャップとマスタードを添えて出してやる。レイタは懐かしそうに1つ手に取ると、アメリカンドックにケチャップをつけてかじりついた。

「うまっ!相変わらずですねぇ、先輩」

「ん~、でもワタシはレイタの料理の方が好きですヨ?」

「マジで?そう言われるともう何も怖くないわ」

 そのままマミられてくれ、なんて思う辺り、俺もまだまだ落ち着きが足らねぇなと思う。金剛がお茶を淹れている間に、俺は土産に持たせてやるケーキも仕込んでおくか。ミートソースを作ってそれを使い、甘くないパウンドケーキ『ケーク・サレ』にしよう。



《作りおき可能!家庭のミートソース》

・玉ねぎ:1/2個
      
・ニンジン
     ※セロリとニンジンは合計が玉ねぎと同じ位
・セロリ

・にんにく:1片

・挽き肉(豚、牛、合挽きどれでもOK):250g

・ホールトマト:1缶

・赤ワイン:100cc

・醤油:大さじ2

・塩:少々

・黒胡椒:少々

・オリーブオイル:適量

・顆粒コンソメ:少々

・ケチャップ(市販の物):少々

・ローリエ(あったら入れる):2枚



 まずは野菜。玉ねぎ、セロリ、ニンジン、にんにくをみじん切りにしていく。この時、にんにくは別にしておこう。

 少し深めの鍋に炒め物をするより少し多めのオリーブオイルを引き、にんにくを炒めて香りを出す。香りが立ってきたら刻んだ野菜を入れて炒める。この時、少し焼き目を付けるのを忘れずに。ずっとかき混ぜていると焼き目は付きにくいから、少し放置してこの間に洗い物等を済ませるといいだろう。塩を振って味付けし、野菜が炒まったら一旦取り出して、冷ましておく。

 お次は挽き肉。豚、牛、合挽きどれでもいいが、オススメは合挽きかな。牛の旨味と豚の脂のバランスがミートソースにちょうどいいぞ。肉は鍋に入れたら塩、黒胡椒で味付けし、しばらく混ぜずにおいてしっかりと焼き目をつける。これをしないと香ばしさが出ないのでこれもポイントだ。

 焼き目が肉に付いたら固まっている肉を解してやり、そこに赤ワイン投入。少し煮立たせたらさっき炒めておいた野菜を加え、更にホールトマトを軽く潰してから加える。全体が馴染むように混ぜたら、強火で加熱してトマトの酸味を飛ばし、中火に落として水を200cc、味見して塩、黒胡椒で調整。

 煮込む前にローリエがあったら掌で叩いて香りを出してから加えて煮込む。……おっと、煮込む前に醤油と顆粒コンソメ、ケチャップを加えるのを忘れずに。この3つを加えてからもう一度味見をして、酸味が気になるなら砂糖を隠し味程度に加える。しばらく煮込んだらローリエを取り除き、水分が飛ぶまで煮詰めたらミートソースは完成だ。
 
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