オズのビリーナ
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第十二幕その十
「今回は結構ゆっくり歩いてるからね」
「そうね、焦らないでね」
「あえてそうしていてるからね」
「じゃあ着いたらね」
「もう咲いてるかな」
「そうかも知れないわね」
笑顔で応えたトロットでした。
「少なくとももうすぐ咲く」
「それ位だね」
「そうよね」
「一番いいのはね」
「いいのはって?」
「うん、着いたらね」
その時にというのです。
「咲く瞬間だったらね」
「それがベストなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「その時だったらいいね」
「ええ、お花は咲く瞬間が一番奇麗だっていうし」
「その時に来られたらいいね」
「そうね」
「あの菫が咲く瞬間ですか」
ナターシャはお話を聞いて実際にでした、頭の中にあの菫を思い出しました。そのうえでトロットとキャプテンに言いました。
「確かにですね」
「観たいと思うでしょ」
「はい」
実際にと答えました、トロットに。
「私もそう思います」
「だからね」
「ここは、ですね」
「その瞬間に来られたら」
「ベストですね」
「その時に着けることを期待していましょう」
トロットはにこりと笑って言うのでした。
「明日にね」
「はい、私も期待します」
「そうね」
「ビリーナも元気かしら」
つぎはぎ娘は彼女のことを思い出しました。
「あたしあの娘とは最近会ってないから」
「だから彼女と会うこともだね」
「楽しみよ」
こうジャックに答えるのでした。
「そちらもね」
「そうだね、ビリーナのこともね」
「会いたいわ」
つぎはぎ娘はそうだというのです。
「彼女ともね」
「じゃあビリーナに会う為にもね」
「あの国に行きましょう」
「是非ね」
一行は先に先にと進んでいって次の日に実際に鶏の国に着きました、すると出迎えに来たビリーナが皆に言いました。
「丁度いい時に戻って来たわね」
「というと」
「ええ、今よ」
「今なの」
「そう、今ね」
まさにとです、トロットにお話しました。
「お花が咲くのよ」
「昨日キャプテンとそのことをお話してたのよ」
トロットはビリーナの言葉に驚きつつも笑顔で答えました。
「実はね」
「お花が咲くのを観たいってかしら」
「そう、まさにね」
「それは面白いわね」
「そうでしょ、それでその時に来られるなんてね」
「運がいいわね」
「本当にね」
二人でお話します、そして。
ここで、でした。ナターシャがビリーナに言うのでした。
「それじゃあ今から」
「ええ、案内するわね」
「お花のところまでね」
こうお話してでした、一行はビリーナに案内されてです。
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