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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第十二幕その一

                 第十二幕  さらば沖縄
 沖縄を発つ日となりました、先生は空港に向かいますがその途中どうにも浮かないお顔です、見送りで同行している安座間さんと真喜志さんもです。 
 その先生のお顔を見てです、こう言いました。
「奄美大島に行かれる時もでしたね」
「先生飛行機は苦手でしたね」
「はい、どうにも」
 先生のお顔は少し苦笑いでした。
「ですから」
「ですが先生」
 ここで真喜志さんが言うことはといいますと。
「船も結局は」
「同じですね」
「はい、板下一枚はといいますね」
「歌舞伎の言葉でしたね」 
 先生は真喜志さんに返しました。
「白浪五人男の」
「そうです、ですから」
「それはそうなのですが」
「飛行機は、ですか」
「船はまだ沈んでも海に浮かぶことが出来ますし」
「泳ぐことも出来るからですね」
「はい、まだ」
 先生は泳ぐことは出来ます。
「ですから」
「安心出来ていますか」
「はい、しかし」
「それでもですか」
「飛行機は墜落したら終わりなので」 
 だからというのです。
「どうしてもです」
「抵抗がありますか」
「少しは慣れましたが」
 それでもというのです。
「抵抗が残っています」
「やはりそうですか」
「どうしても」
 こうお話をするのでした。ですが安座間さんも先生に言います。
「では飛行機に乗られている間は」
「本を読むなりですね」
「食事等を楽しまれて」
「はい、実際そうしてです」
「気を紛らせておられますか」
「そうしています」
 実際にというのです。
「今回もそのつもりです」
「そうですか」
「本を読んでいますと」
 読書家でもある先生ならではのお言葉です。
「それだけで」
「気が、ですね」
「晴れます」
「それではです」
「はい、本を読んで」
「過ごされて下さい」
「そうさせてもらいます」 
 安座間さんにもこう言いました、そして。
 動物達はです、こんなことを言いました。
「沖縄楽しかったね」
「ずっといたい位にね」
「いい場所だよね」
「食べものは美味しくて景色もよくて」
「独特の文化や生きもので」
「凄くいい場所だったわ」
 こう言うのでした、安座間さん達は彼等の言葉はわかりませんが。その皆を見て生きものということからヒヤンやハイ達のことを思い出して言いました。
「そういえばですが」
「はい、何か」
「ヒヤンやハイ達ですが」
 その彼等はというのです。
「これからもです」
「動物園で、ですね」
「幸せに過ごしますので」
「そしてそこで」
「生態をさらに研究されて」
「繁殖もですね」
「行われます」
 そうしたこともというのです。 
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