八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十七話 蛍の光その十三
「妖怪みたいだよ」
「見たって話が多いのよ」
「そうなんだ」
「これがね」
「そんな蛇いるのかな」
「十メートルで」
イタワッチさんが言ってきた。
「無茶苦茶な大きさよ」
「蛇はそうだよね」
「ニシキヘビも大きいけれど」
熱帯に住んでいる大蛇だ、イタワッチさんのお国のインドネシアにもいる。
「十メートルになると」
「相当にだよね」
「大きいわよ」
「規格外?」
「そこまでいかないけれど」
「相当に大きいんだね」
「それが二十メートルになると」
「プラス五メートルって話もあるわよ」
またニキータさんが言ってきた。
「つまり二十五メートルね」
「それ恐竜より大きくない?」
イタワッチさんは真顔でニキータさんに返した。
「二十五メートルって」
「大抵の恐竜よりよね」
「アマゾンに本当にいるの?」
「そうしたお話があるの、夜光が河を走っていて船と思ったらアナコンダだったとかね」
「船も見間違えるとか」
「そんなお話もあるのよ」
「どれだけ大きいのよ」
イタワッチさんも絶句してしまった、僕も他の皆も同じだった。
「漫画みたいじゃない」
「だからアマゾンでは一番話題になってるの」
「アナコンダが」
「そう、巨大なね」
「実際に二十五メートルあったらよ」
それこそとだ、イタワッチさんは絶句状態から復帰して言った。もうニシキヘビとかそうしたレベルを超えているが。
「何でも一呑みね」
「巻き付かなくてもね」
「巻き付かれた終わりよ」
イタワッチさんはシビアな口調で言った。
「蛇には」
「動けなくされて締め付けられて」
「圧迫で身体の骨折られてね」
「飲み込まれるだけね」
「それで終わりよ」
蛇に巻き付かれたらというのだ。
「ニシキヘビも五メートルあると危ないから」
「人食べるのね」
「アマゾンにはアナコンダ以外にもそうした大蛇いるでしょ」
「ボアがいるわ」
大蛇もアナコンダだけではない、つくづくアマゾンは地獄だ。緑の地獄という仇名は伊達ではないということだ。
「五メートルにもなるね」
「それじゃあそっちのボアにもよね」
「注意しないとね」
それこそというのだ。
「消えていなくなるわよ」
「食べられて」
「迂闊に奇麗な蛇踏んでも危ないし」
サンゴヘビ、それをだ。
「猛毒あるから」
「そうよね」
「上からジャガーが狙っていて」
ネコ科の猛獣もいる、豹みたいに。
「お水飲もうとしたら鰐がいて」
「そうそう、アマゾンにはいるわね」
「お水の中にはピラニアやデンキウナギがいるのよ」
「アマゾンの生態系は壮絶よ」
「ジャハンナムより凄そうね」
「そうかもね、私はアマゾンの方には住んでなかったけれど」
「行ったことはあるのね」
イタワッチさんはニキータさんにあらためて言った。
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