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計画的恋愛

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第二章

「これは」
「難しいわね、ただ」
「ただ?」
「これはって思う相手いたらアタックするとか」
「自分で動けっていうの」
「そうしたらどう?」
 静香もうどんを食べつつ伶音にアドバイスをした。
「自分からね」
「そうね、いい人を見付けたら」
「肉食系になって」
 そうしてというのだ。
「アタックしてね」
「彼氏ゲットで」
「結婚までね」
「わかったわ、それじゃあね」
「まずは相手を見付けるのね」
「そこからやるわ」
 伶音は静香に答えた、そして。
 うどんと一緒に注文していたほうれん草のお浸しを食べてだ、静香にこう言った。
「お野菜もね」
「しっかり食べないと駄目よね」
「ええ、だからね」
「お浸しも注文したので」
「それで食べてるの」
 今そうしている様にというのだ。
「美味しいわよ」
「そういえば私も家で旦那と一緒にお野菜のお料理をね」
「食べてるのね」
「お家の近所にあるスーパーで買ったお野菜買ってね」
「お肉もお魚もお野菜もバランスよくよ」
「果物もよね」
「食べないと駄目よ」
 こう静香に話すのだった。
「何といってもね」
「流石栄養士ね」
「健康第一だから」
 何といってもというのだ。
「医食同源ともいうし」
「中国の言葉ね」
「そう、身体にいいものをバランスよく食べる」
「それ婚活にも活かせるわよ」
「活かすつもりよ」
 自分自身でもそう考えているというのだ、そうした話をしてだった。
 伶音は実際に相手を探した、求めるものは得られるというかその相手はすぐに見付かった。
「ああ、管理部の」
「そう、木村建さん」
「あの人ね」
 同じ会社の管理部の者だ、三十になったばかりで細面に鋭い目にいい声の持ち主だ。仕事におけるフットワークのよさと温和な性格と対応には定評がある。
「いい人ね」
「そうでしょ」
「あの人独身だし」
「交際相手もいないわ」
 このことは伶音から話した。
「調べたら」
「えっ、調べたの」
「そうなの」
 既にというのだ。
「いや、よかったわ」
「ちょっと待ってよ」
 静香は伶音の今の平然とした言葉に引きつつ返した。二人は今は会社の中の休憩室でお茶を飲みつつ話をしている。
「もう調べたって」
「何か悪いの?」
「ちょっとそれは」
 やはり引いた顔で言うのだった。
「ストーカーみたいね」
「そうかしら」
「そうしたことを調べるって」
「だってね」
「それこそっていうの」
「そう、私も焦ってるから」 
 だからだというのだ。 
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