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歌集「春雪花」

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 眺むれば

  雪に撓むる

    枯れ尾花

 われ撓むれり

    時そふりける



 見れば…雪が積り、その重さに堪えられずに曲がった枯れすすきが、虚しくその身を晒していた…。

 私も同じ様なもの…老いてゆき、いずれはあの枯れすすきの様になるのだろう…。

 時間とは、斯くも残酷なものだ…。


 こうして彼を想い続けても…ただ、時は過ぎてゆくだけなのだ…。



 思い見ゆ

  心寂しき

   雪ぞ降る

 残るは侘し

    涙なりけり



 ふと見れば…窓の外には雪が降り、雪を見れば…色々なことを思い出す…。

 彼は今、どうしているだろう…。最近はメールさえ返ってこない…。

 雪はただ降り積り、大地を白く染め上げるが…春には何もなかったかの様に消えてゆく…。


 残るはただ侘しいだけの…私の溜め息と涙だけ…。



 
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