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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十三話 最後の一日その二

「そうなるね、そういえば」
「そういえば?」
「どうしたんだ、一体」
「何かあるのか?」
「柔道部の主将は」
 昨日二日酔い上等で昔の鹿児島弁のニュアンスで僕と円香さん達にも話していたあの人だ、僕以上に飲んでいたけれど。
「どうしたのかな」
「お酒抜いているんじゃないか?」
「今ここでな」
「あの人もな」
「そうなのかな、ただ」
 主将は何処におられるかというと。
 見つからない、それで僕は不思議に思ったけれど。
 サウナ室にその主将が来た、僕達よりすっきりした顔だった。そのうえでこう僕達に朝の挨拶を交えて部屋の中に座ってから言った。
「これで今日二回目だ」
「ここに入られるのはですか」
「そうだ」
 こう言った、腰にタオルを巻いているだけの豪快な姿だけれど考えてみれば今の僕達も同じ格好だから僕達も豪快になるだろうか。
「さっきまでサウナにいてな」
「汗をかかれてですね」
「水風呂に入っていた」
 まさにそうしていたっというのだ。
「それでかなりよくなった」
「お酒抜けましたか」
「歩くことも大変だった」
 起きられた時はというのだ。
「本当にな、しかしだ」
「一回入ってですね」
「かなりましになった、そしてだ」
「水風呂でもですね」
「そこでも抜けた」 
 身体を冷やしても抜ける、水風呂もまた二日酔いにいい。ただ急に冷たい場所に入るのでそこは気をつけないといけない。
「半分は生き返った」
「半分ですか」
「そしてもう半分はな」
「二回目で、ですね」
「すっきりさせる」
 そうするという言葉だった。
「これで違う、朝飯も美味い」
「二日酔いだと食えないんですよね」
「もうそれで」
「頭痛くて気分悪くて」
「食欲も出ないですよね」
「だからな」
 今みたいにというのだ。
「酒は抜く」
「ですね、それじゃあ」
「皆で酒抜きましょう」
「サウナと水風呂で」
「後でお湯にも入って」
「薬湯もいいぞ」
 主将は僕達にこちらも話してくれた。
「そっちもな」
「今日はどんなお風呂ですか?薬湯」
「ワインだ」
 主将は部屋の一人の言葉に答えてくれた。
「赤ワイン風呂だ」
「あっ、ワインですか」
「これから入るつもりだ」
「そうですか」
「サウナの後でな」
「赤ワイン風呂もいいですよね」
 僕はそのお風呂について主将にこう言った。
「お洒落な感じがして」
「香りもいいしな」
「はい、その香りもよくて」
「ワイン風呂も薬湯でな」
「確か血行とかにいいんですよね」
「ああ、ただアルコールはな」
「もう飛んでますけれど」
 言うまでもないことだ、このホテルには子供も泊まるしそれならアルコールが飛んでいるのも当然のことだ。 
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