| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

コマンドサンボの女

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「そういうことだな」
「だから真似するなって言ってるの」
「殺す為のものか」
「そうよ、私がお父さんに習ってるのはね」
「そっちか」
「伊達に元特殊部隊じゃないわよ」 
 それでというのだ。
「私もお母さんも知らないけれど軍隊にいる間は」
「そのコマンドサンボの技でか」
「何をしていたか」
「怖いな」
「そうよ、そうなるからね」 
 だからだというのだ。
「本当に真似はしないでね」
「ああ、わかった」
 幸太郎は真剣な顔で答えた。
「それじゃあ教えてくれよ」
「そうさせてもらうわね」
 こう話してだ、エリカは幸太郎を柔道場に入れた。そしてまずはだった。
 制服のままだがスパッツを穿いた、そのうえで幸太郎に言った。
「これでよしよ」
「サンボの服にならないのか」
「柔道着と半ズボンの」
「それか柔道着か」
「柔道着は柔道の時に着るものよ」
 割り切った言葉だった。
「コマンドサンボは本来は軍服だけれど」
「今はか」
「制服は元々軍服から生まれたものだしね」
「ああ、そういえばそうか」
 幸太郎は自分が今着ている黒の詰襟を見た、そうして言った。
「詰襟もそうか」
「そうでしょ、この服もよ」
 エリカは今度はブレザー、紺のそれを脱いで丁寧に畳みつつ話した。
「軍服が元だから」
「だからいいのか」
「コマンドサンボでもね」
「そうなるんだな」
「それとね」
「それと?」
「スパッツは見えない為に穿いたのよ」
 それはというのだ。
「わかるわよね」
「体育の授業のそれか」
「そう、これで安心よ」
「見せてはくれないんだな」
「見たら本気で技かけるから」
 コマンドサンボのそれをというのだ。
「いいわね」
「ああ、よくわかったよ」
「じゃあいいわね、今からね」
「技紹介してくれるんだな」
「ええ、行くわよ」
 こう言ってだ、エリカはまずは腰を屈めさせてだ。両足の踵を浮かせて両手は軽く開いてやや前に出す構えになった、そのうえで幸太郎に言った。黒い靴下は膝近くまである。
「これが構えね」
「本当に今から襲いかかる感じだな」
「そうでしょ、それでね」
「実際に襲い掛かるんだな」
「ええ、本当に動かないでね」
「わかってるさ」
 幸太郎は立ったままで構えと取らずに応えた。
「それじゃあな」
「今から行くわね」
 こう話してだ、そしてだった。
 エリカは技を仕掛けに入った、すると。
 まずは拳だった、手刀や突き、ハンマーヘッドでみぞおちや喉、目に脳天を狙う。寸止めだが幸太郎は目に来たその突きを見て言った。
「かなり前で止めてるな」
「だって若しもになったら」
「まずいからか」
「そうよ、これがね」
「コマンドサンボの手の技か」
「急所を狙うの」
 エリカは構えに戻ってこのことを強調した。
「殺す為に」
「喉や目もか」
「そう、それで殴るよりもよ」
「手刀とか突きか」
「それで仕掛けるの」
「骨法は掌底だよな」
「あれと一緒で手を痛めない為にしているの」
 そうだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧