~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force
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激戦のロドリグ星③
前書き
更新遅くなりました、すみません。
私事ですが、色々とリアル仕事が忙しい今日この頃です。
言い訳してしまい申し訳ありません。
更新頻度やや落ちますが、引き続きお楽しみください。
――――――――――ハイヴ入口付近―ロアーヌ連隊
「地上の敵はあらかた片付きましたね、ファリス大尉?」
「はい!ですがスキャンの結果、地中には未だ30万体以上の敵がうごめいています」
「・・・すでに40万体以上は斃したはずなのに・・・・どれだけ繁殖能力が高いのかしらね・・・」アントワープは視界に見える累々たるBETAの屍骸を冷ややかに眺めながらつぶやく。
そこへ司令部より作戦命令(オペレーション・タブ)がアントワープ機に届く。
その内容を一瞥して「ザカリス連隊のみ地上警戒に残り、補給・小休止の後、私たちとビクスン、ファーデッド(連隊)が突入します!18師団の3連隊も続くそうです。」と配下の部隊へ通達する。
「敵残数に対して6個連隊での制圧ですと、そんなに苦労はなさそうですが少々手こずりそうですね。」
それを聞いたファリスが素早く機内のシステムを操作、シミュレーションを組んで、AIがはじき出した数値を見ながらそれに応える。
「ま、仕方ないでしょう。だけど、悪いニュースばかりではありません。我々に先行してデトロワの重武装スクワイエルを前衛とした1個師団が突入するので、橋頭堡は確保してもらえるそうよ。」
「ところが隊長、データによると突入するデトロワ軍ですが、さきほどのバール隊のように初期ダインやゾフィエルなどの旧式スクワイエルの上、シールドもかなり弱いままでアップグレードされていない機体のようです。」ファリスはシュミレーション画面を消した後、リンクされた作戦情報を確認しながら応える。
「ちょっとまって・・・・・・あら本当ね。リンクデータでは確かに再編成した特別機動師団ってあるけれど、中心は重火器搭載の地上車輛みたい。この戦場へ到着した際にいくつかの地上部隊の救援をしたけれど、それらの残存戦力がかき集められているのかも知れませんね。」
「さすが人命軽視のデトロワ軍・・・といったところでしょうか。同情の念を禁じ得ません。」今度はランディールが、信じられないといった表情で頭を振りながらそう言った。
「我々はデトロワ軍が橋頭堡を築いた後に突入、デトロワ軍が戦線崩壊する前にすぐ掩護・前進出来るようにすること。そして彼らの火力が弱まる前に私達が前へ出て戦線を押し上げる事になるでしょう。全員覚悟をしておいて!」
「中佐、今さらですよ。」「皆とっくに覚悟は出来ています。」
「そう、ありがとう。今さらですけどみんなの命を預からせてもらいますね。」
そこへ艦隊司令部から全体リンク通信が入る―――――
「HQより展開中のオルキス全軍に告ぐ、侵入攻撃は5分後に開始される。わが軍はデトロワ軍第368特別機動師団の橋頭堡確保連絡を受けてから順次突入する。」
―いかにも間に合わせの部隊名・・・あの数相手に全滅しなければいいが― アントワープを始め、多くのオルキス軍パイロットは同じ感想を持っていた。
リンク通信は続いて―――――
「突入は第14機動師団からとする。なお艦隊からのスキャンによると敵の本拠地には横杭道がいくつも掘られてある事がわかっており、もたつくとデトロワ軍が接敵後に包囲殲滅される恐れもあるのでなるべく前線に急行せよ。第14機動師団はデトロワ軍の連絡後5分刻みで1個連隊づつ突入を開始の事。突入順序は各師団長に一任してあるので、オペレーションタブ6549-01を開封せよ。作戦開始3分前!」
アントワープはオペレーションタブを開いて思わず笑みがこぼれた。
「幸先いいですね。みんな!うちの連隊が先陣の栄誉を賜りました!フリージア、クルーズ、ローブ大隊の順で突入します!」
「「「「「「ラジャー!!!」」」」」」
「先行デトロワ軍作戦開始、予備砲撃を敢行しつつ前進中。・・・敵増援が門へ上がって来ます。数およそ10万!」
「1/3が迎撃に上がって来たわね。デトロワのスクワイエルは120機程度だったかしら?ランディール中尉どう思う?」
「はい、データによるとダインRが84機、ゾフィエルⅡが43機です。短時間ではあまり深くは行けないかと。」
「そうですね。わたしはそう時間がかからずに彼らが包囲されて混乱するとみています。旧式スクワイエルの1個連隊強くらいではあの数の暴力に抗しきれると思えない。」
「まったく姿かたちもそうだけど生態すら考えただけでゾッとする敵ね。嫌悪感しか覚えないわ。」
「はい、全くです!」
そして、そうしているうちにアントワープ機のVR投影に青いシグナルが点滅する。
「さぁ、みんな出番よ!各員全力で敵を排除せよ!だけどデトロワ軍の救援も任務のうちですからね!フリージアからわたしの後に続いて!!」
「「「「「ラジャー!!!」」」」」
ロアーヌ連隊の機体が続々とハイヴの門へ突入していく。
するとA層の最深部付近でデトロワ軍が激しい戦闘を繰り広げている。
デトロワ軍は突入してからB層までは快進撃していたが、B層の最深部まで来るとC層方面やあらゆる横穴からBETAが湧き出してきて戦線は停滞した。
ロアーヌ連隊が到着した際も、対応しているデトロワ軍は半狂乱状態になりながらも必死に応戦していた。
そしてロアーヌ連隊機のレーダーに反応しているデトロワ軍スクワイエルの機数も当初の半数となっていた。
「これはひどいわね。フリージア大隊とローブ大隊は敵を押し返して!クルーズ大隊はデトロワ軍の支援と周辺警戒!」アントワープは即座に判断して配下の各大隊へそれぞれ指示をした。
すると、今まで押されかけていた戦線が次第に好転し、あっという間にC層入口まで押し返した。
「こちらはオルキス軍第14機動師団のロアーヌ連隊アントワープ中佐です。デトロワ軍第368特別機動師団の指揮官はどなたですか?」アントワープは攻略の打ち合わせをする為デトロワ軍の指揮官へ呼びかけた。
だが―――「小官は第368特別機動師団の指揮官代行グローヴィス少佐であります」
返事があった、がアントワープは違和感を覚え思わず質問をする。「少佐が師団を率いているのですか?」と問いかけると、グローヴィスが「司令官と副司令官は戦死しました。ですので残存士官のうち最高位である私が指揮を執っております。」と悲痛そうに俯いて返答してきた。
「そうなのですか・・・。大変なところ申し訳ないのですが、現在までの戦況をお聞きしても?」
「ええ、もちろんです。来援感謝いたします。お蔭で助かりました。」
グローヴィスの報告によると、デトロワ軍は当初敵の数も少なく、順調にB層最深部まで進んだがそこで待ち伏せに遭い、大量に沸いた敵にどんどん戻されて今に至るそうだ。
撤退戦時にスクワイエル部隊の半数と地上部隊の3分の2を失い、その際に司令官も副司令官も戦死したそうだ。
アントワープは、デトロワ軍はここに残るよう要請したが、グローヴィスは本国から厳命を受けており、必ず先頭にたって突入しなければならないと言って譲らず、仕方なくデトロワの残存スクワイエル部隊を同行させる事になった。
「では、侵攻再開!デトロワ軍とクルーズ大隊を前面にフリージア大隊がバックアップ、ローブ大隊は後方警戒しながら殿をお願いします。」アントワープの命令一下、各隊が動き出す。
連携のとれていないデトロワ軍部隊がやや遅れるが、クルーズ大隊が前方のBETAに対し圧倒的火力を行使しどんどん突き進む。そして最下層手前のC層最深部にて待ち伏せを受け、横穴からどんどん湧き出してくるBETAに手を焼き、進撃スピードが一時的にダウンした。
原因はもう一つあり、デトロワ軍機が横穴から突然現れたBETAによって混乱に陥り、その数をさらに減らすという事態が起こった。
アントワープは戦力再編の為、というより足手まといのデトロワ機を下げる為、援護すると称してデトロワ側の承諾を得て中衛のフリージア大隊の真ん中に配置したが、こういった作業を行ったことも時間がかかる一因となった。
そしてクルーズ大隊を先頭に群がるBETAを排除していき、どんどん下層へ迫り、D層の最深部へ到達すると残弾が1/3程度の水準にまで減っていた。
ここへ至るまで20万ほどのBETAを撃破したのだから、それはそうだろう。
今は奥にある大きな隔壁のようなものとそこから延びる直径20mくらいの管と球体が奥にある大きな広間の手前で後続のファーデット連隊とともに到着した補給隊からエネルギーや弾薬の補充を受けながら戦時携帯食を摂りつつ2つの連隊長が打ち合わせを行っていた。
スキャンによると、あの隔壁のようなものの奥に強いエネルギー反応が一つとその周りに敵性生物が3~4万体が群がっている様子だった。
隔壁は頑丈で、スクワイエルのあらゆる兵器でもびくともしない。
ファーデット連隊長と話し合い、アントワープは艦隊司令部へ報告と指示を請うためにオルフェーリアへ連絡した。
「――――という事でして、どうしてもあの隔壁が抜けません」アントワープはディーに報告する。
「カミナガ中佐、何か良い案はないかね?」
あれは門級BETAだよね。
オルタでは、カシュガルハイヴの最下層で、あ号標的のいる広間に通じる扉だったよな、確か。
タケルちゃんがこっち見て、知ってるよって顔してるし。
まぁ、俺も知識はあるからな。でもオリジナルハイヴの重頭脳級(固着型超大型頭脳種・あ号標的)ではなく、ヨコハマハイヴやエヴェンスクハイヴのようなハイヴの頭脳級(反応炉)しかいない場合でも門級がいたとは知らなかったな。
それともなんらかの影響でゲームとは状況が変わっている?
まぁ、これだけは間違いないのだけど―――「司令、今までの分析結果から推測すると、おそらくあれは最後の広間に通じる扉で、手前にある球体がカギになるはずです。」
「なるほど、それで頑丈なつくりをしているのだな。それで、どうしたらいいと思う?」
「ええ、おおよそ生物の活動のもとは微弱な電気パルス信号というのはご存知かと思いますが、あれもその摂理からは外れていないと思います。」
「なるほど、という事は感電させてやれば開くのかな?」司令はなかなか理解の早い人で助かるな。
「そうですね、おっしゃる通りです。絶縁体と思われる固い外殻からでは通電しないでしょうから、電極となるものを貫通させてから放電するとよいのではないでしょうか?」
「という事だ、アントワープ中佐、出来るかね?」
「はっ!了解致しました!」敬礼とともにアントワープの姿が3Dヴィジョンから消える。
――――そして20分後
「こちらロアーヌ01、HQ!恒星標準時18時36分、最下層にてエネルギー貯蔵施設らしきものを発見および確保!現在残敵掃討中です。」アントワープから通信が入る。
「HQ了解!周辺に警備中隊配置後、ザカリス連隊を交代増援として向かわせます。」
CPオペレータが作戦の状況を確認しつつ応答する。
「ロアーヌ01了解!ロアーヌ全機!あともう少しで帰還だけど最後まで気を抜かないように!気を抜いた子は死神に拉致されてしまいますからね!つまり死ぬという事よ。新兵は特に気をつけなさい!」
「「「「「ラジャー!!!」」」」」
後書き
次はやっとダイスケやタケルちゃんと地球人との邂逅です。
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