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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第13話 果てし無き時の中で(中編)

Side マリュー・ラミアス

光輝はアークエンジェルに連絡を入れて艦長に換わってもらった。

光輝
『艦長、レジスタンスと交渉する。
映像を中継するから艦内放送を艦橋だけに切り替えてくれ。』

マリュー
「分かったわ。チョットと待ってね。
ノイマン。映像を艦内放送から艦橋だけに切り替えて!」

ノイマン
「は!切り替えました。」

マリュー
「コウキOK!よ。切り替わったわ!」

光輝
『通話はそのままの状態で、意見があったら言って欲しい。
チョット、レジスタンスに個人的な用があるので、
こちらで交渉してアークエンジェルのドッグに招待したい。
許可して欲しい。責任は自分が取る。』

マリュー
「分かったわ。許可します。」

光輝はアークエンジェル(偽)の元に着陸した。

光輝
(レジスタンスはどう動くかな?)

画面がレジスタンスへ切り替わった。

レジスタンス一同
『『…』』

誰も声が出ないようだ。

カガリ
『…地下に爆薬まで…』

サイーブ
『戦闘の支援は出来なかったが、アークエンジェルも水や補給は必要だ。
交渉の価値がある。虎をあんなに簡単に倒したんだ。』

レジスタンス達は車に乗り込み、アークエンジェルに向かった。
ドローンがその光景を捉えていた。
映像は光輝のヘルメットの外部カメラに切り替わった。
砂漠の風景を映していたが、遠くで砂煙が上がっている。
徐々に近付いて来ると数台の車が映像でも捉えた。
そして光輝の近くで車は停車した。
レジスタンス達が車から降りて来て光輝を取り囲んだ。
視線は光輝とバルキリーを交互に見ている。


光輝
『民間軍事プロバイダー・ミスリルの顧問しているコウキ・イチジョウだ。
現在はアークエンジェルの護衛兼アドバイザーをしている。
レジスタンスのようだが、代表は誰だ。』

サイーブ
『オレが明けの砂漠のリーダだ。サイーブ・アシュマンだ。』

光輝
『よろしくな。』

光輝はサイーブに右手を出した。

サイーブ
『若いのに、えらく度胸が座っているな。よろしく。』

光輝とサイーブは握手する。
光輝は握手した時にリーディング魔法を使って、相手の思考を読んだ。

光輝
『目的は水や補給を条件にアークエンジェルに力を借りたいのかなぁ。』

光輝に当てられレジスタンス達は動揺している。

光輝
『簡単な推測だ。レジスタンスは地元の支配者からの解放を、
目的としている組織、車の装備を見ればロケットランチャーを装備している。
この地域はザフト軍だ。目的はアンドリュー・バルトフェルドだろう。』

サイーブ
『何者だ!てめぇ。』

光輝
『さっき、名乗っただろう。
私は心理学者でもある。少しの情報があれば、大体推測できる。
私が説明していた時に全員が動揺していた。それで確信が持てた。
これで質問の回答になるか…。』

サイーブ
『ちっ。仕方ない。その通りだ。
こちらは、補給物資とこの辺りの情報を提供できる。
単艦でザフト軍の勢力圏に降りて来て困っているだろう。』

光輝
『良し合格だ。サイーブは誠実な性格なようだ。
取引に応じよう。但し、アークエンジェルとではない。
ミスリルの顧問としてその権限で契約する。
それではアークエンジェルのいる場所に案内しよう。但し、条件は3人だけだ。』

サイーブ
『アークエンジェルのいる場所?そこに…。』

光輝
『誰でもいい。そのアークエンジェルの外壁を叩いて見てくれ。
ザフト軍を誘い出す、それは偽物だ。音を聞けば分かる。』

サイーブ
『アフメド。』

サイーブはアフメドに命令した。
アフメドはアークエンジェルの方に走って行った。
初めは恐る恐る掌で叩いていていたが。装甲がたわむので力を徐々に入れていく。
その音が響いてきた。パンパンと金属の音ではない。
アフメドは感触を確かめると戻って来た。

アフメド
『只のビニールです。
戦艦の音ではありません。』

光輝
『皆も音を聞いたから分かるだろう。只のビニールだ。
本物は隠してある。だから秘密にしたい。』

サイーブは誰かと目で確認にしている。

サイーブ
『キサカとカガリ付いて来てくれ。
後の物は基地で待機してくれ。何かあれば無線で連絡する。』

光輝
『艦長、そう言う事です。他の者が離れたらそちらに移動します。
上空から監視をお願いします。5km以上離れたら出発します。
サイーブそういう事だから、他の者を先に帰投させてくれ。』

サイーブ
『今まで会話も無線で筒抜けか。
手前ら先に出発してくれ。用心深いんだな。』

光輝
『それ程、重要だ。君らは土地勘があるからな。
こちらの向かう場所の情報も渡せない。
緊急事態の発信機と探知機をプレゼントする。
この場で試してくれ。
肩掛けカバンから探知機2台と発信機10個渡す。
この場でテストしてくれ。』

コウキはレジスタンス達にその場でレクチャーする。

サイーブ
『これは便利だな。』

サイーブは、部下に発信機を持たせて。車でその辺を1周させる。
探知機は発信機をトレースしていた。

光輝
『どうだ納得、出来たかなぁ。
三人に発信機を持たせる。
緊急の場合は発信機のスイッチを入れれば良い。
こちらも条件を出した。
誠意を見せなければミスリルの名前に傷が付く。
他の者は出発して、5kmは離れたら、
30秒だけ発信機のスイッチを入れてくれ。
それを確認したら、サイーブも30秒だけ発信機のスイッチを入れ、
無線で動作確認を取る。
理解出来たら、他の者は出発してくれ。』

サイーブ
『皆、聞いての通りだ出発しろ!』

他のレジスタンス達は移動を始めた。
手順通りに確認する。

光輝
『それではこちらも出発しよう。
東に移動開始してくれ。』

サイーブ
『分かった。』

カガリ
『お前まで車に乗って、どうする。
あのモビルーアーマー…スーツを置いてくのか?』

光輝
『バルキリーだ。
リモート運転が出来る。
車のタイヤ痕を消すために後ろから付いてくる。
と言っても砂漠では意味ないだろうが。』

『『…』』

車は1kmほど走った。

カガリ
『後どのくらいだ。』

光輝
『前方の廃墟だ。
廃墟に納屋がある、車を納屋に入れて隠す。』

カガリ
『まさか、そこから歩きか?』

光輝
『行ってから話す。』

車は廃墟にある納屋の中に入った。

カガリ
『着いたぞ。これからどうすんだ。』

光輝
『ここだ、アークエンジェルは砂の下にある。
まずは母屋に移動しよう。
母屋に入口がある。』

『『…』』

光輝
『その崩れた壁の上に積もった砂を触ってみろ!』

カガリ
『かっ固い砂じゃない!』

光輝
『砂を固めてある、偽装だよ。
アークエンジェルは地下にある。
空気の入れ替えが必要だ。
この廃墟は換気口と入口を兼ねている。
艦長、レジスタンスを案内した。今から下に降りる。
艦橋で待機している全員は交渉に立ち会って貰いたい。』

マリュー
「分かったわ。」

光輝は通話と映像を切った。

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

光輝はミスリルの認識票を壁にかざす。
床が開き入口が出来た。

光輝
「この床の扉はある程度、上の責任者しか開けられない。
階段を下りるぞ。」

「「…」」

光輝を先頭に皆ついてくる。

光輝
「ここが本当の入口だ。」

壁が開いた。

光輝
「これはエレベーターだ。これに乗って下に降りる。」

「「…」」

エレベーターが下にに降りる。
エレベーターの扉が開くと目の前にアークエンジェルがあった。

カガリ
「…アークエンジェル…」

艦長たちはアークエンジェルから降りてきていた。

Sideout



Side キラ・ヤマト

光輝
「艦長、レジスタンス一向をお連れしました。」

艦長達と向き合った。

光輝
「まずは、自己紹介からだな。
私はミスリルの顧問及びエクリプス社のオーナーのコウキ・イチジョウです。
国籍は持っていません。コーディネイターでチョットだけ魔法を使えます。」

フラガ
「おい!おまえチョッ」

光輝
「ムー!話の腰を折るな。先に進まないだろう。」

光輝はマリューに視線を送った。

マリュー
「私はアークエンジェルの艦長で、マリュー・ラミアスです。」

フラガ
「俺はモビルアーマーのパイロット、ムウ・ラ・フラガ大尉です。」

光輝
「ムー、偽証は良くないぞ。少佐に昇進しただろう。」

フラガ
「何で、それ…、いえ、少佐です。」

ナタル
「私はアークエンジェルの副長を務めます。ナタル・バジルール中尉です。」

ノイマン
「自分はアークエンジェルの操舵手を務めます。アーノルド・ノイマン少尉です。」

トノムラ
「自分はアークエンジェルのCIC担当。ジャッキー・トノムラ軍曹です。」

キラ
「ぼくはストライクのパイロット、キラ・ヤマト少尉です。」

カガリ
「…お前…お前が何故あんなものに乗っている!?」

カガリがキラに殴りかかる。

キラ
「うっ…」

カガリ
「っううんーーー」

キラは腕を掴み押し合いをする。

キラ
「あぁっ!?
君…あの時…モルゲンレーテに居た…」

カガリ
「っえぃ…離せこのバカっ!」

キラはカガリの振り払った手を避けた。

サイーブ
「カガリ!」

フラガ
「何なんだ?…」

光輝
「カガリさん、落ち着てね。
キラ君はミスリルに仮所属でね。それで私が指示してストライクのパイロットをやって貰っている。
せれと私の権限で特別に一階級昇進。
他のみんなも同様だ。明日にでも伝えて上げるといい。」

キラ
「はい。」

光輝
「それでそちらは?」

サイーブ・アシュマン
「明けの砂漠のリーダーでサイーブ・アシュマンだ。」

キサカ
「レドニル・キサカです。」

カガリ
「カガリだ。」

光輝
「サイーブに質問だ。
多くの仲間が死んでいるだろう。
それでも戦い続けるのか?」

サイーブ
「俺達から見りゃぁ、ザフトも、地球軍も、同じだ。
どっちも支配し、奪いにやって来るだけだ。」

光輝
「どちらにも支配されなければ戦う必要ない訳だ。」

サイーブ
「そんなこと出来るわけねぇだろ。」

光輝
「私は魔法使いと言っただろう。」

光輝は手を掲げた。
光輝の掌に光が集まり、掌の上にヘルメットが乗っていた。

カガリ
「…どこから出した。」

光輝
「手品じゃないぞ。カガリ・ユラ・アスハ。」

カガリ
「…どうして私の名前を知っている。」

光輝
「まず資金源だ。
あれだけの装備、普通は揃えられない。
サイーブの言葉で『俺達から見りゃぁ、ザフトも、地球軍も、同じだ。…』
と言う事はスポンサーは地球軍ではない。
アークエンジェルの事を知っている。
この艦の事はザフト軍と地球軍・大西洋連邦・オーブの上層部しか知らない。
そして先ほどのキラ君とのやり取りを見て確信した。
それにバレないようにしていたが、キサカさんは君を護衛している。
レドニル・キサカさんはオーブ陸軍第21特殊空挺部隊の一等陸佐ですね。
カガリさん、君は勘違いをしている。
大西洋連邦と裏で手を組んでいるのは、オーブのサハク家だ。
サハク家と大西洋連邦の企業が手を組んでいる。
今からその情報を教える為にこれを出した。
ヘルメット兼学習システムだ。」

光輝が学習システムをカガリ渡した。
サイーブとキサカにも同じ物(サイズ違い)を渡す。

光輝
「キラ君、アイテムボックスから自分の学習システムを出して。」

キラの手にも学習システムが握らている。
アークエンジェルのクルー以外は驚いている。

光輝
「キラ君、学習システムの使い方を実演してみて。」

キラは学習システムの実演をした。

光輝
「次にキサカさん、同じ様に使って下さい。
護衛が安全を確かめないと、姫様に使わせる訳にはいかないでしょう。」

キサカは試してみる。二人は反応を見ている。

光輝
「キサカさん、使ってみてどうですか?」

キサカ
「驚異としか言えません。」

光輝
「次はサイーブ、やってみて。」

カガリはキサカと話している。

光輝
「サイーブは、どう?」

サイーブ
「すげーっ!」

光輝
「次はカガリさんだけど、二人の同意が必要だ。
二人は使って見て危険性は感じたかなぁ。
因みにアークエンジェルのクルーは、全員使っているよ。」

二人で話し合った結果、同意が取れカガリが使って見る。

カガリ
「凄い!便利だ!」

光輝
「カガリさんとキサカさんはオーブの機密レベル1だ。
検索機能でモビルスーツの開発経緯を調べて。」

二人が調べている間にサイーブには色々と学習システムを使ってもらう。
光輝は即席の椅子を並べた。

光輝
「他のみんなは暇だろうから。
ここで寛いでいてね。」

光輝は即席のテーブルを飲み物と菓子を並べた。

光輝
「今から即席の会議室を作るから座って見ていて、
テーブルの物は自由にして構わないよ。」

光輝は壁に近づき魔法を行使していく。
20分程で会議室は出来上がった。
後ろを振り向くと皆が唖然としていた。

光輝
「即席だけどみんな入って。」

フラガ
「即席ってレベルじゃないぞ!」
カガリ
「本当に魔法が使えるんだ!」
「「~。」」

光輝
「一度に喋られても…。静かに!!
まず、みんな入って席に座る。」

みんなは、渋々部屋に入った。
光輝は議長席に座る。

光輝
「質問は受け付けません。
答えられる範囲は学習システムのAIが教えてくれます。
そこでまず、共通認識を持って貰いたいので、
学習システムで『共通認識ロード』で概要がロードされます。
アークエンジェルの皆さんは返却してもらった分をお返しします。
アラスカに着くまでは自由に使って結構です。」

光輝は第8艦隊合流前に返却された物を返していく。

光輝
「カガリさんモビルスーツの開発経緯は理解しましたか?」

カガリ
「理解した…。」

光輝
「それぞれ共通認識をロードして下さい。
それぞれによって機密レベルが違いますが、
これからの会議に必要な事です。
飲み物や食べ物を用意しますので、
終わった方から取りに来てください。
それではそれぞれ学習を始めて下さい。」

光輝はその間に汎用のドリンクメーカーを壁際に設置する。
横には、テーブル置いて幾つもの菓子を並べる。
やはり最初に終わったのはキラだった。
コーディネイターでは情報を受け取る速度が違う。

キラ
「宇宙コロニーにいて、知らなかった事ばかりです。」

光輝
「ナチュラルもコーディネイターも自分の事しか分からない・知ろうとさえしない。
人間は物事を知って理解して成長していくんだ。
知らないことを恥ずかしがらないで、一つずつ階段を登ればいいよ。」

キラ
「今なら僕たちをアークエンジェルに乗せたのが理解出来ます。」

光輝
「それは良かった。
そうだ君にアルバイトを頼もう。アラスカへ向かう途中にオーブがある。
それまでにナチュラル用モビルスーツのOS開発を頼みたい。
システム操作方法の基本がミスリルと違うのでオーブに渡したい。
君は昇級して機密レベルも上がっている。
エクリプス社の技術者レベルはMAXにして置いた。
エクリプス社の商品やその設計図やOSのコードも参照出来る。
AIに尋ねながら作ってくれればいい。
ボーナスも弾むよ。」

キラ
「はい。がんばります。」

光輝
「いや、頑張らなくてもいい。君なら片手間で出来るよ。
それにエクリプス社には、君みたいな人がいるからね。
人に頼る事も覚えよう。」

それぞれが終わった様だ。

光輝
「飲み物と菓子は自由にとって下さい。
それと試食の軽食も用意してあります。」

それぞれが飲み物を取りに来た。

光輝
「サイーブさん、明けの砂漠から連絡ありました。
連絡欲しいそうです。
ドッグは電波遮断しています。
こちらの無線機をお使いください。
これから長くなるので急な要件がなければお泊まり下さい。」

サイーブ
「分かった。」

サイーブは周波数を合わせて連絡をとった。

サイーブ
「特に問題ない。心配していただけだ。
カガリとキサカも泊まって来ると連絡して置いた。」

光輝
「先ず、軽食を食べて下さい。
夜半過ぎなので軽めにしてあります。
食べた後、感想をお聞かせ下さい。」

「「美味しい!」」
「「この肉、ジューシーね(だ)」」
「「野菜も新鮮ねぇ!」」

光輝
「特に不満があれば言って下さい。」

「「特にないわ(ね)」

光輝
「それは良かった。
それは、合成食です。」

「「えぇ!」」

光輝
「肉や野菜など一切使っていません。
プランクトンや藻の様な微生物を合成した物です。
アフリカでは120万人が飢餓などで苦しんでいます。
今から普通の穀物など作っていては間に合いません。
ミスリルからオーブ経由で、
全世界に無償援助する予定の物です。」

「「無償援助!」」

光輝
「今、200万人分の供給体制を整えています。
ミスリルは一般人には秘匿したい情報です。
そこでオーブが無償援助する事にしたいのです。」

カガリ
「オーブでなくても?」

光輝
「前提があります。中立国で技術力が高く、海に面している事です。
戦争で疲弊している国を援助している国を、
地球軍やザフト軍が攻撃したらどう思うでしょう。
カガリさんオーブにとっても良い事ではありませんか?」

カガリ
「…良い事はわかるけど…」

光輝
「キサカさん、オーブの国民と軍人の立場から意見を述べて下さい。」

キサカ
「オーブには地球軍やザフト軍と正面から戦える戦力はありません。
先程の例を前提すれば一定の抑止力を持つことが出来るでしょう。」

光輝
「キサカさん良い見識ですね。」

カガリ
「こちらにばかり都合のいい条件だ。」

光輝
「こちらからも条件を出します。
それはマスドライバー施設の爆破です。」

カガリ
「そんな事は出来ない。
そんな事をすればヘリオポリスの住人が困る。」

光輝
「それはエクリプス社が請負ます。
問題はそこではありません。
マスドライバー施設があると必ず近い内に地球軍が攻めてきます。
アークエンジェルの皆さんは宇宙にいて知らないと思いますが、
3日前ビクトリア宇宙港が落とされています。
そうですねサイーブ。」

サイーブ
「確かにビクトリア宇宙港が落とされた。但し2日前だ。」

光輝
「日付が変わっていますので3日前です。
ムー残る地球軍のマスドライバー施設は?」

フラガ
「パナマだけだ。」

光輝
「そうです。一つだけです。
その為、ザフト軍の選択は二つです。
アラスカの本部を攻撃するかパナマのマスドライバー施設です。
マスドライバー施設を壊された場合、地球軍は体裁を気にしないでしょう。
名目は何とでもなります。
オーブがプラント与していたとか…。」

カガリ
「そんな出まかせを!」

光輝
「戦争とは残念ながら、そう言う物です。
数々の歴史が物語っています。
戦争とは勝たなければ意味がないと思われています。
負けた方は勝った方の言い分を聞かなければならない。
講和で平和的に終わった戦争などほとんどありません。
講和の条件は所詮、優勢な方が条件を強く出せるのです。
早期講和してもマスドライバー施設を渡さなくてはいけないでしょう。
全員に質問です。パナマが落とされた場合、地球軍がオーブと戦争になると思う方、挙手して下さい。」

多数が手を上げた。

カガリ
「…そんなぁ…」

光輝
「地球軍はかつてユニウス7を核攻撃しました。1年前の事です。
農業プラントで民間人しかいませんでした。24万人以上の方が亡くなっています。
ミスリルでは地球軍がオーブと戦争する確率を99%以上、ほぼ100%とはじき出しました。
ただ前提はミスリルが介入しなかった場合です。
ミスリルからオーブへの条件は世界平和への協力です。
マスドライバー施設の爆破の前提は代替技術の提供です。
因みに第8艦隊のハルバートン提督は心配する必要はありません。
武器以外の援助と最悪の場合は地球に降りる手段の提供を今頃ミスリルと相談しています。
カガリさん、私も含めミスリルはオーブの理念を高く評価しています。
その為に全面的に協力するのです。」

カガリ
「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。」

光輝
「貴方がその言葉を忘れない限り、ミスリルは貴方を助けるでしょう。
この続きは睡眠を取ってからにしましょう。
タンクベット睡眠は3時間で一日分の疲れが取れます。
案内しますので付いて来て下さい。」

Sideout

 
 

 
後書き
多分3話で終わります。かな? 
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