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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第12話 果てし無き時の中で(前編)

Side テレサ・テスタロッサ

テッサ
「こちらは、ミスリル艦・トゥアハー・デ・ダナン艦長のテレサ・テスタロッサです。
地球軍、ザフト軍に告ぎます。
これ以上の戦闘は、無意味です。戦闘を停止して下さい。
繰り返します。
これ以上の戦闘は、無意味です。戦闘を停止して下さい。
了承の場合は、信号弾を上げて下さい。
両軍の了承で、救急救命艦2隻と工作艦1隻が駆け付ける予定です。
これらの艦の乗員は全て、民間人です。武器は搭載していません。
両軍とも1隻の護衛艦を残す事は、許可します。
不信あれば、査察も許可します。
尚、こちらへの通信は、全周波でお願いします。
戦場で負傷した将兵達の命は、かけがえのない命です。
一刻の猶予がありません。早期に判断をお願いします。


地球軍が信号弾を上げた。
それを確認してザフト軍も信号弾を上げた。

テッサ
「ご理解ありがとうございます。
白色の艦船は救急救命艦です。
オレンジ色の艦船は工作艦です。
負傷者の受け入れと、航行に支障があれば、連絡下さい。
これから救助を開始します。」


戦闘区域に目立つ、白とオレンジ色の艦船が3隻。入って来た。

Sideout



Side デュエイン・ハルバートン

ハルバートン
「ほほー。人命優先とはやるではないか。」

カリーニン少佐
「いえ。それより、自己紹介が遅れましたが、ミスリル所属のアンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニンです。
階級は少佐です。以後、お見知りおきを。」

ハルバートン
「私は…」

カリーニン少佐
「いえ、結構。デュエイン・ハルバートン閣下ですね。
コウキ殿に聞き及んでいます。
因みにあの3隻はミスリルとは別組織になります。
コウキ殿が私財を投じて作られた。エクリプス社の下部組織です。」


通信オペレータ
「ミスリルより、リアルタイム回線。」

ハルバートン
「…なんだ?」

テッサ
『初めまして、ミスリル艦・トゥアハー・デ・ダナンの艦長をしているテレサ・テスタロッサです。
停船に応じて頂き、感謝します。』

ハルバートン
「何々、面白い物がみれた。感謝は必要ない。
そちらの艦は大丈夫か?」

テッサ
『大丈夫です。見ての通り、船首と側面に損傷はありますが、航行に支障はありません。
以後、状況が分かり次第、連絡致します。』

カリーニン少佐
「アークエンジェルについては心配いりません。
コウキ殿は、この事態も想定していました。
キラ君は初の本格的な実戦でしたから。」

ハルバートン
「あっあれで初の実戦か!?」

カリーニン少佐
「アークエンジェルの報告書にあると思いますが、これまで訓練しかしていません。
コウキ殿が敢えて自分で、戦闘に参加しないのは、
アークエンジェルとストライクの事を考えて、行ったのに違いはありません。
何もアークエンジェルとストライクを、
アラスカに降ろす必要はありません。
設計図と運用データだけで十分の筈です。
ハルバートン閣下を助けた事を考えると、
閣下に託したのでしょう。
シャトルで設計図と運用データを届けて欲しいと。
その為に囮となって、ザフト軍の目を自分達に向けさせ、
更に地上での運用データを集める積りです。」

ハルバートン
「強かだが、頼もしい。
よし!分析班に今回の戦闘データを解析させろ。
解析が終わりしだい、設計図と運用データのコピーと一緒にをシャトルで送り出す。
コウキ殿の期待を裏切れん。急がせろよ!」

ホフマン
「は!」

カリーニン少佐
「出来れば二人だけでお話したいのですが?」

ハルバートン
「何かな!?…よし。
ホフマン、速やかに帰投させよ!それまで指揮を任せる。」

ホフマン
「は!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

トール
「キラ!」

サイ
「キラ!」

ナタル
「あのまま降りるの気か!?」

パル
「本艦とストライク、突入角に差異!このままでは降下地点を大きくずれます!」

マリュー
「ええ!?」

ミリアリア
「キラ!キラ!戻れないの?艦に戻って!」

ナタル
「無理だ!ストライクの推力では…もう…!」

マリュー
「艦を寄せて!アークエンジェルのスラスラーならまだ…!」

ナタル
「あぁ!?」

ノイマン
「しかし!それでは艦も降下地点が!」

マリュー
「ストライクを見失ったら意味がないわ!早く!」

ノイマン
「えぇぃ!…」

パル
「ストライク、着艦!」

トール
「やったぁ!」

サイ
「キラ!」

カズイ
「キラ!」

マリュー
「キラ君!」

ミリアリア
「キラ!」

光輝
「キラは大丈夫だ。
大気圏降下訓練もしているし、
キラのパイロットスーツは私の特製だ。
勿論、耐熱仕様だ。
それに重要なのは設計図と運用データだ。
アークエンジェルとストライクではない。」

マリュー、ナタル
「えっ!」

光輝
「戦艦や機体は、また作ればいい。
それに全てフェーズシフト装甲にするのか!?
採算が合わないよ。
設計図と運用データがあれば、量産機が作れる。
何の為に私の代わりにキラ君を出したと思う。
あの場合、実戦経験の乏しいキラ君より、
私の方が良かったと思おもわないか?」

マリュー
「…そう言えば…。」

光輝
「陽動だ。ザフト軍の目を此方に引き付けて、
その間にハルバートン提督がシャトルでデータを送れば良い。
今頃、カリーニン少佐が提督に進言している筈だ。
固定観念に囚われて誰も気づいていなかった。」

マリュー
「そっそれは…。」

光輝
「そのまま降下を続けて、敵は熱源でこちらをトレースしている筈、
地表に降りたと見せかける。
着地予定地点から、東に1km地表にそって移動する。
砂山に隠れて、敵からは分からない筈だ。
チョットと出かけて来る、目印と道を作る。
魔法使いが地上で、如何に凄いか魅せて上げよう。」

そう言い残して光輝は艦橋を出て行った。

マリュー
「…まって…」

ミリアリア
「いっちゃいましたね。
まるで散歩に出て行く様な感覚で。」

マリュー
「確かにトレースされているかもしれないけれど…。」

ナタル
「降下地点を観測。ゆっくり降りろ着底せず。コウキ殿の支持に従え。」

「「は!」」

・・・

トノムラ
「目標地点…えぇ。」

ナタル
「報告はハッキリ行え!」

トノムラ
「目標地点、モニターに出します。
確認して下さい。」

「「えぇーー!」」

全員が映像見て固まる。
そこには深く掘り下げてあり、罰点マークが〇で囲まれていた。
そしてその場所から東に堀がほられていた。

フラガ
「あそこが着地点かなぁ…」

マリュー
「そのようね…」

誰も上の空であった。

・・・

それでも艦を操舵して、堀を進む。

フラガ
「オレには着艦ドッグに見えるのだが…。」

「「私(俺)も…。」」

光輝が艦橋に戻って来る。

「何を腑抜けている。早くドッグに着艦しろ。
後の作業が出来ないだろうが!」

光輝の大声で皆我に返った。

マリュー
「みんなの気持ちは分かるけど……。着艦して。」

アークエンジェルはドッグに着艦した。
すると180度旋回する。

「「えぇ!」」

光輝
「それじゃあ、痕跡(こんせき)を消して残りのドッグを仕上げて来る。」

光輝は艦橋を出て行った。

マリュー
「…魔法使いってこんな事できるの?」

フラガ
「分からん。知り合いに魔法使いいないから…」

「「…」」

ミリアリア
「急に暗くなったけど日食?」

マリュー
「船外カメラの映像を正面のモニターに映して!」

船外カメラの映像が映し出された。

ナタル
「…地下ドッグ?」

そこにはまるで月面基地の地下ドッグの様な光景が映し出されている。

フラガ
「これはリアルタイム映像か?」

サイ
「はい、間違えありません。」

「「…」」

光輝が戻って来る。

光輝
「どうだ感想は?」

フラガ
「感想も何もないよ!」

光輝
「今、外にドローンを飛ばしたから見てみるか?」

「「…」」

誰も返事を返せない。
正面モニターに砂漠の映像が映る。

光輝
「今見えているのが真上の映像だ。
上手く隠れているだろう。
今はまだ発着スペース出来てないから、
アークエンジェルは外には出られないが、
見つかる心配はない。
それで来た道を戻ると…じゃじゃーん!
アークエンジェルの実物大模型、良く出来ているだろう。」

フラガ
「じゃじゃーん!じゃない。
何でアークエンジェルまで作る必用がある。」

光輝
「敵は必ず威力偵察に来る。
ここはザフト圏内で指揮官はアンドリュー・バルトフェルドだ。
名将だ名前ぐらい聞いたことがあるだろう。」

マリュー、フラガ
「…バルトフェルド…」

光輝
「そのバルトフェルドだ。
彼なら今晩にも仕掛けてくる。
こちらが準備出来ない事を予想してな。
ザフト軍には奪われた4機がある。
今頃4機の情報からストライクのバッテリー量の限界を、
知られているだろう。
昔の兵法に
『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』
という言葉がある。
敵や自分の長所や短所、この場合は兵力もだな。
裏を返せば敵の戦力を知らずに戦う事は無謀である。
敵は宇宙での戦力しか分かっていない。
威力偵察を行ってこちらの兵力を知ろうとする。
敵は必ずしもかつ必要がない。
私なら昼夜問わずに、交替して攻撃するな。
相手の疲労と弾薬を減らすのだ。」

マリュー
「それはいやだわ。」

フラガ
「溜まったもんじゃない。」

光輝
「こちらは移動できるし隠れられる。
敵は基地を移動できない
それで

・・・



マリュー
「それはあんまりよ。」

フラガ
「えげつないぞ!」

ナタル
「それは他にも応用できますね。」

マリュー
「ナタルやめて、人を殺さなくても非人道的よ。」

光輝
「全員一週間の休暇付きだぞ。
楽して勝てる。
私も基地の完成と現地調査が出来る一挙三得だ。」

Sideout



Side デュエイン・ハルバートン

ハルバートンは自室でカリーニン少佐と、今後の計画を相談していた。
そこに通話器の呼び出し音がする。

ハルバートン
「…なんだ?」

通信オペレータ
『ミスリルより、リアルタイム回線です。』

テッサ(テレサ・テスタロッサ)
『ミスリルからの連絡をお伝えします。
アークエンジェルとストライクは大丈夫ですが、
ストライクがローラシア級の破片に巻き込まれて、
アークエンジェルが収容の為、軌道変更。
アフリカ北部の砂漠地帯のエクリプス社の、
仮設地下ドッグに収容と連絡を受けております。
ご報告まで。以上。』

ハルバートン
「アフリカの北部…、ザフトの圏内か。」

カリーニン少佐
「いえ、大丈夫です。元々アフリカ北部の砂漠地帯に、
エクリプス社が難民キャンプを施設予定しています。
あの辺りは資源もなく、土地が有効利用されていません。
その為、ザフト軍の警戒感も薄い盲点です。
着地点をトレース出来ても地表を移動して、
ドッグに入れば見つかりません。
エクリプス社の仮設地下ドッグは砂漠の下にあります。
今までもザフト軍に発見されておりません。
それにコウキ殿のこれまでの実績を見れば、
彼が脱出戦と心理戦に、長けているのが分かります。
我々も船の修理が終われば、救援に参ります。
地球軍は救援を派遣されないでしょう。
それに状況の変化があればまた連絡が来ます。』

カリーニン少佐は仮設地下ドッグと聞いて光輝が魔法で作成した事に気付いていた。

ハルバートン
「エクリプス社の仮設地下ドッグとな。
ザフト軍の圏内に、建設…。
分かったコウキ殿を信じよう。」

二人は密談に戻った。

Sideout




現在、夜更けを迎えていた。

Side マリュー・ラミアス

光輝
『これから番組を放送します。
司会、解説、現地リポーターはコウキです。
現場のコウキです。
今、アークエンジェル(偽)の上空です。
レジスタンスでしょうか!?
敵なのか味方なのか、引き続き情報を集めます。
車が止まった様ですね。
暗視カメラと高性能集音マイクを到着地点に設置します。』

マリュー
「結局、みんな起きているの?」

ノイマン
「はい、情報収集が済むまでは外出禁止ですから?
艦内に流しています。
食堂では、酒盛りしながら見ていますよ。
コウキさんが各種上等な酒とおつまみセットを用意していましたから。」

フラガ
「俺もあっちに行きてぇ。」

ナタル
「コウキ殿が上官とパイロットは何が起こるか分からないから待機!
と仰っていたじゃないですか?」

マリュー
「キラ君は何で…?」

キラ
「サイ達は共同部屋に避難していますから、
ちょっと居場所に困って…」

フラガ
「マードックの絡み酒が原因か?」

マリュー
「コウキさんノリノリね。」

フラガ
「あれだけ凝ったセットは、映画の撮影所でもむりだからなぁ。
それに相手は実機に実弾。見世物としては最高だ。」

マリュー
「でもザフト軍を見世物にすると恨まれるから、
映像の販売先ないなぁって悩んでいましたよ。」

光輝
『現場の光輝です。レジスタンスの近くにいます。
カメラとマイクを向けて見てみましょう。』


カガリ
『図面でしか見たことはないが…間違いないだろう。
あれは、ヘリオポリスで建造された、地球軍の新型強襲機動特装艦、アークエンジェルだ!』

キサカ
『…』

サイーブ
『…』

その時、通信のベルが鳴った。

アフメド
『どうした?』

無線
『虎がレセップスを出た。
バクゥ5機を連れて、その船へ向かっているぞ!』

カガリ
『うぅっ…』

光輝
『現場のコウキです。新情報です。
虎とはアンドリュー・バルトフェルドの事ですね。
旗艦レセップスにバクゥ5機です、流石名将。
威力偵察でこの戦力です。侮れません。
それとレジスタンスはザフト軍の敵の様です。
それではカメラを切り替えて、上空のドローンから見てみましょう。』

画面にレッセプスが映される。

「「おぉー!」」

マリュー
「あれがレセップス…。」

光輝
『現場のコウキです。今バルトフェルドの近くに転移しました。
ご覧になられた通り、敵は地形を有効に利用してます。
砂漠の砂山にバクゥを伏せて、レーダに映らない様にしています。
それでは、虎にアップして見ましょう。
でも何で虎?砂漠に虎は住んでないよなぁ。』

バルトフェルド
『どうかなぁ?噂の大天使の様子は?』

ダコスタ
『は!依然なんの動きもありません。』

バルトフェルド
『地上はNジャマーの影響で、電波状況が滅茶苦茶だからなぁ。
彼女は未だスヤスヤとお休みか。
ん!?』

ダコスタ
『うっ!何か?』

バルトフェルド
『いや、今回はモカマタリを5%減らしてみたんだがね…こりゃぁいいなぁ。』

ダコスタ
『あぁ…』

光輝
『現場のコウキです。新情報です。虎はコーヒー通です。しかも自分でブレンドしているようです。
ついでにアークエンジェルの俗称が足つきから大天使に格上げされています。
さてバルキリーの俗称は何でしょうか?
虎が副官にカップを投げました。いよいよ開戦です。』

ダコスタ
『おっ!あぁっ…』

バルトフェルド
『ではこれより、地球軍新造艦、アークエンジェルに対する作戦を開始する。
目的は、敵艦、及び搭載モビルスーツの、戦力評価である。』

ザフト兵
『倒してはいけないのでありますか?』

ザフト兵一同
『はっはっは。』

バルトフェルド
『ん~その時はその時だが…あれは遂にクルーゼ隊が仕留められず、
ハルバートンの第8艦隊を守ってまで地上に降下した艦だぞ?
それを忘れるな。一応な。』

バルトフェルド
『では、諸君の無事と、健闘を祈る!』

・・・

ダコスタ
『総員、搭乗!』

バルトフェルド
『ん~コーヒーが旨いと気分がいい。
さ、戦争をしに行くぞ!』

光輝
『いよいよ、待ちに待った開戦です。
視聴者の皆様、お待たせしました。
味方はバルキリーのみ、しかもまだ秘密兵器を隠しています。
今夜、バルキリーの秘密が明かされるでしょうか?
大天使にレーザー照射しています、測的照準ですねぇ。
レセップスの砲撃もある様です。
しかし、大天使にレーザー照射するなんて天罰が待っています。
きっと旨いコーヒーの後味が苦くなるでしょう。
それでは映像は定点カメラとドローンでお楽しみ下さい。
私はバルキリーに搭乗します。音声のみで状況を逐次解説します。

第一波、レセップスのミサイル攻撃6発のみ、これはバルカンだけで十分です。
1発で先頭のミサイルを破壊すれば、他は誘爆します。
余興です。バルキリーの自動照準をお見せしましょう。
それとお返しも忘れません。ドローンにもレーザー照射機能があります。
此方もミサイル2発を発射します。』

映像には6発のミサイルが誘爆している映像と、
硬化剤入りのミサイルがレセップスの砲台に中る映像が映し出されていた。

艦橋では歓声が沸いた。
画面が敵指揮官に替わる。

バルトフェルド
『よーし、始めよう。』

ダコスタ
『航空隊、攻撃開始。』

光輝
『航空隊と言っても戦闘ヘリしかないのは、分かっています。
空中戦ではこちらが圧倒的有利です。
只のカモでは詰まらないでしょう。
ガウォーク形態は高機動を得る為の機能です。これは宇宙だけではありません。
その一端のホバリングで3機のヘリの武器だけ、破壊して魅せましょう。』

バルキリーはガウォーク形態に変形し、
ホバリングしながら右から左に順に攻撃をする。
戦闘ヘリはアークエンジェルの姿を捉える前に、
ミサイルポッドの付け根を落とされた。

光輝
『作戦は流石です。砂影から出て攻撃した後、砂影に隠れる。
名将らしい作戦です。
ただ残念なのは上空からドローンに発見されている事、
定点カメラで指揮官の声が分かる事、本当に残念です。
相手が一枚も二枚も上手だったようです。
ここからが勝負です。さて次の手は何でしょう?』

ダコスタ
『出てきました…。あれがミスリルのモビルアーマーです。
アークエンジェルから発進しなかった。
と言う事は偵察任務に出ていて、こちらが発見されていたのでしょう。』

バルトフェルド
『足つきアーマーか、バクゥを出せ!反応を見たい。』

光輝
(ブチっ)
『変な名前をを付けやがって!
只じゃ済まさないぞ!
秘密兵器を見せてやる!』

マリュー
「コウキさん切れていますね。」

フラガ
「あっはははっ!足つきアーマー!あぁー腹が痛い。」

ナタル
「笑い事じゃありません。
容赦しないコウキ殿、想像したら恐いです。
『足つきアーマー』禁句にしないと扱かれますよ!」

フラガ
「分かった、俺が笑った事も告げ口するなよ!」

マリュー
「私から全クルーに通達しておきます。」

光輝
『地上じゃどうだったか知らないがな。
これからはバルキリーが王者だ!
バルキリーのリミッター解除。

キラ君みているか?
いまから戦う姿を見て置けよ。
エールストライカーに合わせて2形態だけで戦う。』

キラ
「バトロイド形態…。」

マリュー
「バトロイド形態?」

キラ
「はい、いつもは基本の戦闘機形態『ファイター』、足を出している中間形態『ガウォーク』、
そしてバルキリーのリミッター解除した3つめのバトロイド形態です。
機密なので僕からは話せません。
この3形態を使う事によって、モビルアーマーとモビルスーツを凌駕します。
それにコウキさんは完全に切れたのでなく。
身体のリミッターを解除したのだと思います。」

マリュー
「キラ君と同じ能力?」

キラ
「はい、但し僕はリミッターを解除しても、コウキさんには敵いません。
幼い頃から武術で鍛え上げられた、
コウキさんの能力は僕の1段上です。
コウキさんのリミッター解除した姿を、僕は知りません!」

フラガ
「まじか!?身体もバルキリーも、リミッターの解除しないで…
シミュレーターでジンを50機も!」

マリュー、ナタル
「「…」」

キラ
「ここからが本気です。見逃さないで!」

フラガ、マリュー、ナタル
「「モビルスーツ!!!」」

キラ
「あれがバルキリーの3つめ形態です。
人型ロボット形態『バトロイド』はエールストライクより、
機動性が落ちるので、中間形態『ガウォーク』と併用して戦うつもりです。」

バルトフェルド
『なんだと…。モビルスーツ!!』

ダコスタ
『…データにありません!』

バルトフェルド
『いかん!バクゥを撤退させろ!』

光輝
『足つきアーマーの底力、特と御照覧あれ。』

光輝は撤退するバクゥの逃げ道にガウォーク形態に回り込む。

マリュー
「手が!」

キラ
「はい、本来の姿です。
バルキリーは本来、手と足があります。
リミッター状態では、手を出さずにモビルアーマーとして、運用していました。
ファイター形態では手と足を引っ込め空気抵抗を減らし、
戦闘機と同等のスピードが出ます。
コウキさんは言っていました。
イージスを見て惜しいと…。
モビルスーツの発展形は、地上ではイージス、宇宙ではストライクになると。
この二つの発展形がバルキリーだそうです。
但し、機体を軽くする為には、フェイズシフト装甲と継続出来るエネルギーが必要になります。
戦争していなければ、もっと技術が進んでいたのにと…仰っていました。」

光輝
『キラ君、手本を見せる。
バクゥはコックピットが頭にある欠陥品だ。頭を狙うと搭乗員が危険だ。
その為に最初に攻撃するのは、背中にあるミサイルポッドだ。
但し複数相手では対応しずらい。
砂塵にライフルで攻撃して相手の前方に、砂を横に撒き散らし横断幕を作る。
これで敵からこちらを隠す。
ここで重要なのは横断幕に近づかないで、逆に背面飛行で距離を取る。
エールストライクの機動性なら出来る。
相手は砂の横断幕がある為に攻撃できない。
その隙を突いて一機づつ。潰していく。
4足歩行だ。2本以上の足を潰せば倒れる。
この状態では武器が残っていても、攻撃できない。』

喋りながら実演して見せた。

瞬く間に5機のバクゥが戦闘不能になった。
10秒も掛かっていない。

「「凄い!!」」

光輝は尚も戦闘不能になったバクゥを、必要に攻めて潰していく。
残ったのは動体と頭だけになった、芋虫状態のバクゥだった。

光輝
『はー、スッキリした。
えへぇ!やり過ぎちゃった。てへぇペロ!』

艦橋ではモニターの前で全員がずっこけた。
光輝は全周波で呼び掛ける。
カメラは戦場からザフト軍の様子に切り替わった。

『ザフト軍に告ぐ。パイロットは無事(トラウマ以外)だ。
これ以上の攻撃はしない。パイロットを救助して撤退せよ。
地上の王者はバルキリー!だ。
硬化剤も水で分解する。』

敢えてバルキリーを強調し、光輝は戦線から撤退した。
戦線を見ていたザフト軍兵士達は震え上がった。

バルトフェルド
『ミスリルはクルーゼ隊を手加減して撤退させていたのか!?
今のが本来の実力だろう。
何故、今まで隠していた実力を見せたのか分からないが?』

マリュー達はあんたが『足つきアーマー』なんて呼ぶから!
とモニター越しで虎に突っ込んだ。

ダコスタ
『冷静分析してないで、撤退支持を!』

バルトフェルド
『すまん。撤退だ!』

光輝
『こちらのは現場のコウキです。これで戦闘の中継は終わります。
お楽しみ頂けたでしょうか?ずっこけコメディーでした。』
放送は終了した。

Sideout

 
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