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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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332部分:第四十五話 激突の果てにその四


第四十五話 激突の果てにその四

「それにまだ多くの狂闘士達もいる」
「いや、彼等だけではない」
 今度のアイオロスの言葉はアルデバランの言葉を打ち消すものだった。
「彼等だけではな」
「というとまだいるのか」
「そうだ、いるのだ」
 そのうえでこう彼に述べるのであった。
「まだな」
「というと誰だ」
 アルデバランはアイオロスに問い返した。
「誰がいるのだ」
「神話の時代に語り継がれている神々だ」
「神話の時代に」
「アーレスに仕える神々はエリスだけではない」
 そのエリスだけではないというのである。
「彼女だけではな」
「というとだ」
 アルデバランはアイオロスの今の言葉を聞いて察するものがあった。そしてその察したものを実際にその口に出してみせたのである。
「あの古の四柱のか」
「彼等も出て来るかも知れない」 
 アイオロスが言うのはそのことだった。
「若しかするとな」
「そうか。あの神々もか」
「今我々は狂闘士達だけを相手にしている」
 これは事実だった。あくまで人が人を相手にしているだけなのである。
「だがそこに神々が加われば」
「冥皇ハーデスとの戦いと同じになるか」
「その通りだ。ハーデスとの戦いでは」
 アイオロスも知っていることであった。かつてハーデスと彼が率いる冥闘士達との戦いは幾度か行われている。その激しさは記録に残されている。その中でハーデスの側近達である眠りの神ヒュプノス、死の神タナトスによる被害は甚大なものであったのだ。
「ヒュプノスとタナトスの二柱の神々だけで我々は相当な損害を被っている」
「キャンサーのマニゴルドと教皇セージがタナトスを封印し」
 アルデバランが今言ったのは先の聖戦のことである。
「そしてカプリコーンのエルシドがヒュプノスの配下の四柱の神々を倒し」
 それと共にマニゴルド、エルシド、そしてセージも倒れている。黄金聖闘士二人に教皇をなくす程の被害を出してようやくであったのだ。
「そしてヒュプノスには」
「教皇セージの兄であり次の教皇となったハクレイが向かい」
 アイオロスも再び言うのだった。
「結果としてハクレイも倒れた」
「だがそれによりヒュプノスも封印された」
 結末としてはそうなのだった。
「それにより我々は勝利に大きく近付いたのだったな」
「それだけの力があるのだ」
 アイオロスの言葉があらためて強いものになった。
「神という存在にはな」
「それではだ」
 アルデバランはここまで話してさらに言うのであった。
「その四柱の神々が復活すればやはり」
「あの神々はアーレスの側近でもある」
 それでもあるというのだった。
「従ってその力はだ」
「ヒュプノスやタナトスと同じか」
「少なくともそう考えておいた方がいい」
 アイオロスはここでは悲観論を述べてはいなかった。現実を述べているのだった。神という存在と戦うというその現実をである。
「わかったな。それは」
「わかった。それではだ」
「帰るとしよう」
 ここでは微笑むアイオロスだった。アルデバランに対して。
「聖域にな」
「そうだな。モーゼス達も待っているか」
「既に下での戦いは終わっている」
 その戦いはもう終わっているというのである。
「もうな」
「終わっているのか」
「あの六人も奮闘してくれた」
 アイオロスはさりげなく六人のことも褒める。
「そのおかげでだ。下にいる狂闘士の雑兵達も全て倒された」
「それでは」
「後は帰るだけだ」 
 それだけなのだった。
 
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