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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十七話 帝国海軍その十一

「もう一概にはね」
「言えないわね」
「けれどああしたのを見たら」
「そう思うわよね」
「吸血鬼じゃあるまいしってね」
「というか何処がナチスなの?」
 旭日旗がというのだ。
「ここ数年急に言い出したらしいし」
「うん、変なサッカー選手が言い出したらしいよ」
「それからなのね」
「こんな話になったらしいし」
「変な話ね、本当に」
「だからそういう人はね」 
 旭日旗を見て変な発作を起こす人はだ。
「学校に入らないで」
「海水浴ね」
「そうしてもらうことになったから」
「賢明な判断っていうか」
「本当に騒ぐ人がいたから」
 その旭日旗がそれこそシンボルになっている海上自衛隊の施設に入ってだ、蕎麦アレルギーの人が知りながら蕎麦を食べるみたいなものだ。
「そうなったからね」
「つまり起こってからなったってことね」
「うん」
「経験論なのね」
「僕の入学前にそうした騒ぎになって」 
 本当に一部の限られた人達だけが騒いでだ。
「そうなったんだよね」
「迷惑な話ね」
「学校としてはね」
「本当にそうよね」
「それでも殆どの国の人は参加してくれるよ」
 勿論日本人もだ。
「そうなってるよ」
「そうよね」
「さて、そうした人達はいるけれど」 
 それでもとだ、僕はテレサさんにあらためて話した。円香さんも戻ってきて僕達の話を聞いてくれている。
「楽しくね」
「観るべきなのね」
「あそこもいいところだよ」
「みたいね、本当に」
「観光スポットでもあるからね」
 というよりはこの江田島で最大のそうした場所だ、あの学校は。
「いい場所だよ」
「じゃあそのいい場所にね」
「皆で行ってそして」
「皆で楽しもうね」
「他の場所と同じでね」
「そうしましょう」
「私も楽しみですわ」
 円香さんもこう言ってきた。
「幹校に行くことが」
「それがその学校の略称?」
「はい、そうです」
「ふうん、そうなのね」
「海上自衛隊幹部候補生学校なので」 
 それを略してというのだ。
「幹校なの」
「そうなのね」
「はい、その訓練は厳しいです」
「そうよね、やっぱり」
「士官学校の扱いなのね」
「第二の士官学校ね」
「防衛大学が最初の士官学校で」
 テレサさんも言う。
「それで今日行く学校がなのね」
「第二になります」
「士官学校二つも出るのね、自衛隊って」
 テレサさんはあらためてこう認識した、どうも他の国の人の視点で考えるとそうした風になるらしい。僕も横から聞いて思った。
「面白いわね」
「面白いですか」
「ええ、ちょっとね」
 また言ったテレサさんだった。 
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