Three Roses
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第十五話 衰える身体その十
「そうしてでもだ」
「マイラ様とマリー様を会わせ」
「そこから親睦を深めてもらい」
「絆も作って頂く」
「そうしていきますか」
「今のうちにな」
まさにというのだ。
「そうしよう」
「では」
「その様に進めていきましょう」
「マイラ様とマリー様の融和」
「それを実現させましょう」
「そうだ、そして王位継承だが」
王はこれの和もした。
「やはり第一はだ」
「マリー様ですね」
「あの方ですね」
「このことは変わらない、第二はだ」
引き続きそちらはというと。
「北の国から来る王子だ」
「マリー様に何かあれば」
「その時は」
「王子が王となる」
この国の、というのだ。
「この国、そして北の王国のな」
「双方の国の王になられる」
「そうなられますね」
「そうだ、そしてだ」
王はさらに言った。
「次はマイラにしたい」
「マイラ様ですか」
「あの方にされるのですか」
「マリア様、セーラ様を越え」
「そのうえで」
「そうだ、あの娘がだ」
まさにというのだ。
「次だ」
「第三位ですか」
「一気にですね」
「そうなられますか」
「王子はまだ幼い」
北の国から来る彼はというのだ。
「だから実質的には第二位となる」
「一気に、ですね」
「そこまでとなられますね」
「マイラ様にとってよきことですね」
「正室の子、側室の子の違いはなくすべきだ」
王は自身の考えも述べた。
「そもそも側室は寵妃という考えからきているな」
「王国の伝統としてありますね」
「あの国の王は代々好色でした」
ここで王国、彼等にとって数百年来の宿敵への反感と敵対心が出た。この国もやはり帝国と同じく王国を嫌っているのだ。
「それで歴代の王は幾人もの愛人を持っていました」
「その中で最も寵愛の深い女を寵妃としてきました」
「我が国の王もそうした方がおられましたが」
「存在を公とされてですから」
「そうだった、だが本来の神の教えではだ」
このことから話す王だった。
「違ったな」
「はい、妻は一人だけ」
「夫も然りです」
「アダムとイブがそうであった様に」
「本来はそうであるのです」
「そうであったが貴族、特に王家の者はな」
そうした神の教え、絶対である筈のそれもだ。
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