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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十六話 自分も歌ってみてその九

「蛇だよね」
「蜥蜴でもありますが」
「ああ、ドクトカゲ」
「ですがやはり蛇ですね」
「毒がある爬虫類はね」
 そして毒のある日本の生きものはだ。
「そうなるね」
「そうですよね」
「そう、普通にね」
 こう言うのだった、僕も。
「じゃあツチノコは蛇かな」
「そう考えるのが普通ですね」
「けれどおかしな形の蛇で」
 槌の形だ、だからツチノコと呼ぶらしい。
「いびきもかく」
「生物学的には」
「ちょっとないかな」
「少なくとも今の生物学の知識では」
 到底というのだ。
「まず考えられないですね」
「そうだね、じゃあ何なのかな」
「今以て不明です」
「本当にいるかどうかも」
「そのこともです」
 実際のところはというのだ。
「いない可能性も高いです」
「それが実際のところかな」
「はい」
「いたら面白いけれど」
 それでもとだ、僕はまた言った。
「いなくても不思議じゃないね」
「いるでしょ」
「そうよね」
 詩織さんと香織さんはこう言う。
「漫画でもあったしね」
「そうそう、釣りキチ三平描いてる人も観たっていうし」
「それで漫画で描いてたわね」
「そうよね」
 矢口高雄先生だ、とはいっても僕はその漫画は読んだことがない。そのツチノコについて描いた漫画はそうした作品があると今知った。
「絶対にいるわよ、ツチノコ」
「間違いなくね」
「だといいですが」
 小夜子さんも本音らしき言葉を出した。
「夢もありますし」
「それで小夜子はヒバゴンは」
「いれば」
 友奈さんにも答えた。
「いいですね」
「そうよね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「いて欲しくない存在もいますが」
 こうも言うのだった。
「悪霊等は」
「ああ、そういうのはね」
「江田島はそうしたお話もあるので」
「明日行くところね」
「はい、海上自衛隊幹部候補生学校ですね」
「あそこは心霊スポットです」 
 とにかくこのことでも有名な場所だ、僕も何度か行っていて聞いている。
「中には怖いお話もあります」
「死ねとか旗振ってた幽霊とか」
「そうした存在とはです」
「確かに会いたくないわね」
「絶対に」
 小夜子さんは断言した。
「近寄るつもりもありません」
「危うきにはなのね」
「近寄ってはいけません」
 絶対にとだ、小夜子さんはさっきより強く断言した。
「何があっても」
「悪霊とかにはそもそも近寄らない」
 それがというのだ。 
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