| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

STARDUST∮FLAMEHAZE

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三部 ZODIAC CRUSADERS
  プロローグ ~JUDAS STRUCK~



 そうだ、絶対に消えまい!
 わたしは自然の絆が自分を引きずってゆくのを感ずる。
 わたしの肉の肉、わたしの骨の骨、それがお前なのだ。
 お前の境涯からわたしは絶対に離れないつもりだ、
 ――幸、不幸いずれの場合にしてもだ!
 John Milton
PARADISE LOST(失  楽  園)
















 神々の威光が照らす街に雨が降る。
 空一面を覆い尽くす黒雲から落ちる雫が、渇いた大地を潤していく。
 舗装されていない道路、立ち並ぶ石作りの建物。
 人気の無い閑散とした裏通りで、対峙する二人の男。
 その風貌もさりながら、現在に於ける状況まで対照的だった。
「ククク……どうした? (ジャン)(ピエール) ・ポルナレフ……
まさか我がスタンド、『吊られた男(ハングドマン)』 の能力が、コレほどとは想わなかったか?」
 くぐもった声でそう告げる男は、
金属製の不可思議な仮面を被り、纏った大仰な外套を翻す。
 その背には鮮やかな金髪が気流に靡く。
 対して、屹立するその男に見下ろされる者。
 肩、腕、脇腹、大腿部に鋭く走った裂傷。
 その切断面が余りにも鋭利な故に、流れる血の量さえたどつく。
 まるで光の線が刃と成って、空間を裂いたが如く。
「生憎だったな? オレはDIO様を除けば、
この世界最高の 『スタンド使い』 の血を引く者。
偉大なる “母” の名にかけて、貴様如きに遅れは取らぬ」
 籠もっているがあくまで澄んだ声色の許、
男は己の力とソレ以上にその 『象徴』 を誇った。
 地に伏したもう一人の男は、
悔恨と無念に歯噛みしながらその身を震わせる。
 普段は天頂に向けて雄々しく梳き上がったその銀髪が、
今は解けて肩に垂れ下がっているのが、そのまま彼の疲弊を現していた。
(すまねぇ……みんな……)
 絶体絶命の窮地に於いて、彼の脳裡に浮かぶ、掛け替えの無い仲間。
 (たもと) を割かった今でも、何の躊躇もなくそう云える者達。




『テメーにオレの気持ちが解ってたまるかッッ!!』




 酷いコトも、言ってしまった。




『DIOに会った時怖くて逃げ出したそうだなッ! 
そんな臆病モンに何が解るッッ!!』




 絶対に、赦されないコトも。




『オレが負けたのはアラストールにだ!! おまえにじゃあねぇッッ!!』




 決して、決して本心なんかではない。
 ただ。
 ただ……




“誰も巻き込みたくなかっただけだ……ッ!” 




(すまねぇ……承太郎、シャナ、花京院、ジョースターさん、マージョリー、一美……)
 そして、後悔しても仕切れない、死ぬよりも辛い絶望と共に。
(“ヴィルヘルミナ……ッ!” )
 ポルナレフは、疵口を何度も抉られるような表情と共に、声無き苦悶を吐き出した。
 血塗れの腕の中で瞳を閉じる、一人の優麗な女性に。
「二人仲良く、地獄に行け」
 昏く澄んだ声と同時に、仮面の男の背後から、
空間を歪める音と共にスタンドが出現する。
 その幻 象(ヴィジョン)は、剥き出しの機器が頭部に埋め込まれた
爬虫類のような形相と半人の躯を寂びた白帯で覆い、
“両方の” 右手首から暗器の氷刃を携える異形の抹 殺 者(エリミネーター)
 しかしその奇異なる外見からは想像を絶する、
今まで倒してきたスタンド使い、紅世の徒共に較べモノにならない程の、
恐るべき 『能力』 の持ち主。
 順を追って説明せねばなるまい。
 彼等に何が在ったのか?
 何を想い、失い、受け入れ、此処まで歩いて来たのか。
 その誓約、衷情、矜持、悲壮、そして真意。



 満天の星々が全て光を失おうとも。
 水が海を覆うように、運命の歯車は途切れない。



 ジョジョの奇妙な冒険×灼眼のシャナ
 STARDUSTφFLAMEHAZE
『第三部』
ZODIAC(黄 金) CRUSADERS(聖 徒)

←To Be Continued……
 
 

 
後書き
ハイ、どうも。
短いですがプロローグですので御容赦ください。
(一話同時UPも考えたのですが、そうすると逆に長くなる)
そしてのっけから大ピンチ、しかも見慣れない方がちらほらとw
まぁ「母親」の設定変えちゃったから「息子」のキャラも変わっとりまする。
仮面の下はどうなってるか御自由にご想像ください、
何故なら作者も解りませぬw

まぁ変なモンの相手してたんで
(最初はもう少しまともだと想ったのですが、
見抜けなかったワタシの未熟・・・・('A`))
気分的にも心機一転、パールジャム飲んだような気持ちでイキたいですネ。
ソレでは。ノシ 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧