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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十五話 浴衣その八

「ほら、暴力って自分より弱い相手に振るうよね」
「強い相手には絶対にしないわね」
「腕力で勝っているだけでそうしたことをするんだよ」
「そうした奴よね」
「そうした奴はね」
 それこそとだ、僕はまた言った。
「人間の屑って言ってもいいよ」
「そうしや人ここにもいるかしら」
「いると思うよ、ただね」
「ただ?」
「そうした人は厳罰だから」
 八条学園は校内暴力にはかなり厳しい、それこそ退学もある。暴力には厳罰で挑むという教育方針なのだ。
「退学も無期停学もあるよ」
「どっちもなのね」
「校則にも書いてるから」
 しっかりと明記されている、本当に。
「厳しいよ」
「そうしたことにはなのね」
「とにかく暴力には厳しいんだ」
 この八条学園はだ。
「そのことはわかっていてね」
「お酒を飲んでも飲まなくても暴力には厳しいのね」
「そうした学校なんだ」
「いいことね」
 このことをここまで聞いてだ、香織さんは微笑んで答えた。
「暴力なんて認めたらね」
「碌なことにならないからね」
「そうよね」
「うん、それにね」
 僕は香織さんにさらに話した。
「さっきの話だけれど」
「脱ぐこともなのね」
「かなり厳重に警戒されてるんだ」
「それがいいわね」
「ジャージ着用は義務で」
 それにだ。
「若しジャージ脱いだらやっぱり厳罰だから」
「退学はならないわよね」
「停学になるらしいから」
「やっぱり厳しいわね」
「そうしないとね」
 本当になのだ。
「脱ぐ人いるからね」
「下着まで脱ぐ人とか」
「うん、香織さんの親戚の人みたいな」
「見苦しいから」
 本当にとだ、香織さんはまた言った。
「あんまりにもね」
「裸ってね」
「普通ここで男の人はっていうでしょ」
「女の人もなんだね」
「そうよ、どっちもね」
 性別に関係なくというのだ。
「脱いだら最高に見苦しいわ」
「そういうものだね」
「八条荘の皆も脱がなくて何よりよ」
「そうだね、使用人の人達もね」
「特に畑中さんなんて」
 香織さんはこの人の話もした、本当に畑中さんには何かと助けてもらって何と言っていいかわからない位だ。
「幾ら飲んでもでしょ」
「うん、あの人は特にね」
「いつも折り目正しい紳士で」
「立派な人だよね」
「まさに執事さんって感じね」
「あれだけ見事な執事さんって」
 それこそだと思う、本当に。
「本場のイギリスにもいないよ」
「そうでしょうね」
「うん、あの人の立派さは」
 それこそだ。
「プロフェッショナルだね」
「そうよね、しかもね」 
 香織さんはさらに話した。 
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