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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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本質

 
前書き
最近ラブライブのスクフェスにハマりこっちが疎かになってました(笑)
なんでラブライブにハマったのかはいまだによくわからないが・・・ゲームはなかなか楽しいですね、曲とかいまだに覚えられませんが。 

 
『まずはゲームに先立ち、ルール説明を始めさせていただきます。が、その前に・・・』

まずはゲームのルール説明かと思っていたら、突然目の前にいたはずのシェリアとトビーさんが宙に浮く。

「え!?ちょっ・・・」
「何これ!?」

しかし、それだけでは終わらない。続いて後方に残っていたサブたちも一斉にその場に浮き始める。まるで無重力状態になっているかのような、そんな光景が辺りに広がっており観客たちは驚愕していた。

『最初にフィールドの作成を行わせていただきます。しばらくお待ちください』

司会者がそう言うと、真下の広場にプレハブほどの大きさのボックスが二つ、そしてそれを囲むように同じようなボックスが八つ出現する。

『フィールドの準備が整いました!!続いて選手の皆さんを所定の位置に転送いたします』

それと同時に、目の前の景色が宙に浮いていたものから変わる。驚いて辺りを見回すと、そこは部屋のように四方を囲まれており、目の前の窓を見ると中央に先程見たばかりの二つのボックスがあることから、自分たちがセッティングされたボックスに転送されたのだと理解できた。

『現在中央のボックスにはプレイヤーの二名が、その他のボックスにはサブの皆さんがランダムに入室しております。それでは!!一通りの準備が終わりましたので、ルール説明に入っていきます!!』

念のため窓から他のボックスの様子が見えないか覗き込んで見る。だが、やはりと言うべきだろうか、どこに誰がいるのか全然見えない。それどころか中央のボックスには窓すらつけられていないので、どちらがどちらのプレイヤーなのか見出だすことが出来ないようになっていた。

『ルールは簡単!!最初にこちらからお題を出題します。プレイヤーの二名にはそれに対して回答を行っていただきます。サブの皆さんには、ビジョンに映された二つの回答でより“共感”できる方へ投票してもらい、より獲得票数の多いチームの勝利となります』

プレイヤーの考えがどれだけの人と共感できるかを競うゲーム。だから《共感度ゲーム》か・・・ようやく理解できたよ・・・

「でもこれって・・・」

しかし、ルールを聞いてあることが頭の中をよぎった。このゲームの本質は・・・

『確認なんだけど、ビジョンに映されるのはプレイヤーが書いたものがそのまま表示されるの?』

一人であることを考えていると、聞き覚えのある声が部屋の中に響いてくる。そちらに視線を向けると、スピーカーが部屋の隅に取り付けられてあるのを発見する。よく見ると部屋にあるテーブルの上にマイクが置いてあり、そこから質問できるのだと認識した。

『いえ、魔水晶(ラクリマ)ビジョンには二人の回答のみを文字で表示します。どちらがどちらのものかはわからないように文字も統一することになっています』

レオンの質問にスラスラと答えていく司会者。でもそうなると、このゲームってやっぱり・・・

『これは一回勝負なのか?』
『はい。ただし、引き分けだった場合は延長戦として決着がつくまで行っていきます』

続いて凛とした女性の声が聞こえる。何度も試合を重ねていくのも辛いけど、一回勝負だとそれはそれで緊張するな。

『どちらのものかわからないようにすると言ったが、できるだけ徹底してわからないようにしてほしい』
『といいますと?』
『漢字やスペルが間違っていたら正しいものに修正してほしい。それに、ひらがなで書いてあっても漢字を使うものはそれで対応してもらいたい』
『わかりました。ではそのようにさせていただきます』

リオンさんが相当気にしているらしく、こと細やかにビジョンに映される回答の要望をする。シェリアはちゃんとしてるから心配ないけど、トビーさんはアホっぽいところがあるから、それに対する対応だったのかもしれない。じゃないとゲームにならないかも知れないし。

『念のため聞くようで悪いんだけどさ、回答に共感できないのにそっちに投票してもペナルティはないよね?』
『はい。万一双方とも共感しにくい回答だった場合も投票していただかなくてはならないため、そのようなペナルティは存在しません』

たぶんソフィアのものだと思われる声のした質問。気にしてなかったけど、この質問はかなり重要なものだったのかもしれない。だって、もしペナルティがあった場合、俺が考えていたものが全て否定されてしまうから。

『プレイヤーのシンキングタイムは五分間。五分間経過したら強制的にそこで終了となり、回答を公表します。
サブの皆さんには投票時間の制限はありません。全員が投票した時点で開票させていただきます。どれだけ時間をかけてもよろしいですが!!長引くとお祭りが楽しめなくなるのでそこは自己責任で』

その注意事項に観衆が思わず笑いを漏らす。個人的にはお祭りも楽しみたいしゲーム大会も勝ちたい。特に夜は花火があるんだから、それだけは見逃したくないな。

『他にご質問はありますか?』

頭の中でもう一度ルールを確認してみる。簡単に噛み砕いてみると・・・

お題が出題される

プレイヤーがそれに答える

どちらのものかわからなくなった回答がビジョンに映る

サブが共感できる方に投票する

得票数の多いプレイヤーのチームの勝利

といったところかな?細かい部分はみんなが聞いてくれたし、他には気になる点はない!!と思う・・・

『ないようですので、ゲームを進めさせてもらいます!!お題はこちら!!』

バンッという効果音が似合うくらいの大きさの文字がビジョンに映される。そこにはこう書いてあった。

《あなたの大切な物》

「そのお題で共感を誘うのは難しいんじゃ・・・」

思わず頭を抱えてしまった。宝物はみんな人とは違うもの・・・それを答えてなおかつ共感を得ようとするのは、いかがなものなのだろうか?

『プレイヤーはこのお題にお答えください!!それではシンキングタイムスタート!!』

ビジョンいっぱいに映っていたお題が上半分に縮小されると、下半分に五分間をカウントダウンするタイマーが現れる。

「シェリアとトビーさんはなんて書くのかな?」

今はプレイヤーのみが活動する時間。なので俺はボックス内に設置されているテーブルに備え付けられている椅子に腰掛け、頬杖をついて戦局を見守ることにした。



















第三者side

ゲームが開始されたのと同時に椅子に座り、窓の外の景色を眺めている銀髪の青年。彼は腕を組み、足をテーブルの上に置きながら組むと、一度目を閉じあることを考えていた。

「このゲーム・・・共感できる方に投票するとあったが・・・本質は違うな・・・」













「共感できる方に投票する・・・なんてのは所詮建前」

窓ぶちに両肘をつき、まさしく乙女といったようなポーズをしている銀髪の少女は、リオンと全く同じことを考え、頭の中で作戦を練っていた。










「このゲームの本当のルールは、《味方だと思う方に投票しろ》といったところか」

二回戦ではルール上運営側に預けざるを得なかった愛刀をテーブルに立て掛け、窓の外を見据える黒髪の人魚。他のサブのメンバーたちも、ほとんどの人間がこのゲームの本質にたどり着いていた。







「味方にはこの回答が自分のものだと伝え」



「敵にはこれが味方のものだと勘違いされる回答・・・」



「そんなの、こんな短時間で思い付くのかな?」

小さき魔術師(リトルマジシャンズ)の年少組三人が、仲間とその対戦者が入っているボックスを見ながらプレイヤーの難しさを感じ取っていた。




「たぶんシェリアなら、難なくやれるんだろうな」

この大会では敵対しているが、普段は同じギルドで共に助け合っている少女の頭の良さを把握し、そう評価を下している背丈の低い男が、ボックス内を歩き回りながら時間が経過するのを待ち続けている。



「シェリアはこのゲームに適していると思う。けど・・・」

頬杖をつきながら落ち着かないのか、何度も何度も腕を変え、ソワソワと体を揺らしているシリル。彼もユウカと同じくシェリアのことを高く評価していた。しかし、その表情は浮かないものだった。




「このゲーム・・・どうなるのか予測ができん」

元々笑顔が多いわけではないカグラは、普段よりも堅物な顔をしている。その理由は、とても簡単なことだった。




「シェリアは本質を見抜けてるとは思うんだけど・・・」

プレイヤーである少女と仲の良い天竜は、心配そうに窓から至るところをキョロキョロと覗きつつ、胸に手を当てている。




「トビーがこのゲームの本来の姿に気付いているのかが問題だ」

閉じていた目をカッと開き、優れた頭脳をフル回転させているラミアのエース。彼を含めたサブたちの心配事・・・それは、このゲームに選出されたトビーがちゃんと趣旨を理解できているのかということだった。



「トビーさんが理解できてるのとできてないのとじゃ、だいぶ状況が変わってくるよね」

ボックス内で偶然見つけた鏡に向き合い、長い髪を結っては首を傾げているセクハラ娘は、遊んでいるように見えて実は色々と考えているのだった。

「トビーさんがゲームをちゃんとわかってれば、ソフィアたちがいかにプレイヤーの意図を読み取るかにかかってくるけど・・・」

何もしていなかった長く綺麗な髪をウェンディのようにツインテールにすると、気に入らなかったのか首を傾げた後ほどいて違う髪型に変えていくソフィア。今度は長い髪を真後ろでまとめ、ポニーテールにしようとしているようである。

「トビーさんが理解してないと、ほとんど運ゲーになっちゃうんだよねぇ」

髪を結び終えた少女は色々な角度からその姿を見ると、満足したのかよしっと呟き、大きく一度うなずく。

「これならシリルにも似合うかなぁ?後でやってあげよっと」

ソフィアはサラサラの髪の毛をしているシリルをヘアアレンジで遊ぼうと考えていたらしく、自分の髪で練習していたらしい。ただ、少年は自分よりも髪が短いことを把握していないようで、後で大慌てするのが目に見えていた。









「たぶんトビーさんはゲームの趣旨を理解してないと思うんだよなぁ」

プレイヤーの少女と幼馴染みの少年は、対戦者の能力をある程度わかっていたので推測をすることができていた。

「その上でシェリアがどんな回答をしてくるのか・・・それを予想してないといけないか・・・」

顎に手を当てていくつか候補を頭の中に出していく。とりあえず、彼が出した有力な候補はこの二つ。

①自分の思うがままの回答をして相手のミスを願う。

②トビーさんに近付けて、相手のミスを誘う。

「①だと引き分けが基本になるから②で行きたいんだけど・・・」









「それだとこっちがミスをする確率も高いんだよなぁ・・・」

レオンが入っているボックスの隣のボックスにいるシリルは、彼と同じことを考えながら椅子をゆりかごのように揺すっていた。

「安全策を取りつつラッキー勝利を狙うか、はたまたリスクを負って勝利をもぎ取りにいくか・・・」

二つに一つの選択・・・彼はシェリアならどちらを選ぶかを考えつつ、ビジョンの時計に目を向ける。

1:43

「時間がない・・・あまり細かく考えることはできないか」

もうほとんど時間が残っておらず、いくつも候補を出しておくことはできないと少年は判断し、あえてトビーがどんな回答をするかを絞り出してみることにした。







「トビーさんの宝物って・・・何かな?」

サブの大半が予測しやすいと思われるトビーの回答を予測している頃、この少女も同様に友人の対戦者の答えを考えていた。

「くつ下・・・じゃないよねさすがに」

トビーは不思議なことに首からくつ下を下げている。しかし、それは単純に下げているだけであり、別段大切な物だからというわけではない。そもそも、彼は一度くつ下を破かれているのに、懲りずにまた首から下げているところを見ると、大事に保管する気などさらさらないのかもしれない。

「となると何か別のものなんだろうけど・・・」

う~んと頬に手を当て悩むウェンディ。しかし、時は永遠ではない。彼女が答えを出すよりも早く、タイマーが0になってしまった。

『シンキングタイム終了!!続いては投票タイムに移ります!!プレイヤーが書いたお題はこちら!!』

タイマーから画面が切り替わると、二つの単語が映し出される。それを見た瞬間、どちらをどちらが書いたのか見分けることができ、サブはホッと胸を撫で下ろしていた。

“仲間”vs.“刺身”
















シリルside

「刺身・・・刺身って・・・」

笑うべきなのか呆れるべきなのかわからず頭を抱える。どちらを書いたのか一目瞭然ではあるけど、このお題でその回答はおかしいのではないだろうか?

「はっ!!もしやこれは・・・」

そこで一つの可能性が頭を過った。それは・・・

「こっちがシェリアの書いた回答なんじゃ・・・」

そう考えると、“愛”という回答がないことも合点がいく。ただ、シェリアは愛が好きなだけで宝物ではないと言われるとそこまでなのだが・・・

「ダメだこれ・・・意外と難しい・・・」

簡単だとわずかにでも思っていた過去の自分を殴ってやりたい。全然どちらが正解なのかわからないぞ?他のみんなはどちらを選んでいるのかわからない上に、相談することもできない。このままだと不正解を引きかねないな・・・

「でも正解を確信する要素なんかどこにもないし・・・」

背もたれに寄っ掛かり、椅子を揺らしながら思考してみる。これは・・・

「勘で行くしかないよね!!」

スパッと諦めてこっちだと思う方のボタンを押す。間違ってたらその時はその時!!ウェンディたちが相手が間違えてくれることを信じて投票するしかない。

「頼む・・・当たっててくれ・・・」

両手を合わせて神様に祈るように願う。これは本当に神頼み・・・果たしてどんな結果になるのかな・・・















第三者side

「キーは“刺身”か」

ここだけ聞くとおかしいようにも聞こえるが、まさしくその通りなのである。黒髪の女性はこの単語がどんな意味を成しているのかを頭の中で考察してみることにした。

「普通に考えればトビーが何も考えずに書いたと判断するところなんだが・・・」

もう片方の単語が仲間なのが、このゲームの困難さを際立たせていた。“愛”だったらシェリアなのは十中八九決まりなのだが、あえてそれを外されたことで皆悩まざるを得ない状況になっている。

「どっちだ・・・」

眉間にシワを寄せ、怖い顔をしている人魚はしばらく考え込むと、自信なさげな表情のまま、片方のボタンをゆっくりと押した。






「はぅぅ・・・わかんないよぉ・・・」

二つのボタンを前にして、目を潤ませながらどちらを押そうか迷っている天竜。彼女もまた、シリルやカグラ同様に回答に困っていた。

「うぅ・・・えい!!」

困りすぎて涙を溢しそうになっていた少女は、迷いを捨て去るように声を出しながらボタンを押した。









「これはこっちでいくべきだよね!!」



「これはこっち以外選びようがない」

迷いに迷った末回答した少女たちとは異なり、銀髪の少女と金髪の少年は何の迷いもなくボタンを押した。



「共感できる方だから・・・こっち!!」

唯一このゲームの本質を見抜けていなかったサブのミリアーナは、最初に発表されたルール通り、共感できる方のボタンを押す。




「こっちしかねぇと思うけどな」

わずかに迷っていたユウカは、トビーと付き合いが長いこともあり、彼の思考をおおよそ考えて回答を終えていた。



「・・・」

最後の一人となっていた青年は、皆とは違い、迷いを口に出すようなことはせず、自分が思うがままの方へと投票することにしていた。






『サブの方々の投票が終了しました!!これより結果を発表いたします』

全員が早い時間で投票を終え、最後の開票タイムへと移行したファーストゲーム。盛り上がっていた観客たちも、このときばかりは静まり返っていた。

『より多くの票を獲得したチームの回答が光ります。魔水晶(ラクリマ)ビジョンにご注目ください』

言われるがままにビジョンを見上げる人々。すると、二つの回答が交互に光っては消え光っては消えを繰り返していく。
やがて、徐々に切り替わる速度が遅くなっていくと、片方の回答が光り、もう片方の回答が真っ暗闇に落ちたように見えなくなった。

『5対3で“刺身”の勝利!!よって勝利チームは・・・



















人魚の鱗(マーメイドスケイル)です!!』

ドォッと歓声が巻き起こり、ビジョンにこのゲームの勝利チームの名前が大きく映し出される。

「負けちゃったか・・・」

残念そうにそう呟いたのは“仲間”と回答した天神。これにより決勝戦のファーストゲームは人魚の鱗(マーメイドスケイル)に軍配が上がった。










 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
次はすぐさまセカンドゲームに入っていきます。誰がどちらに投票したかも出しますので、お楽しみに。 
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