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英雄伝説~光と闇の軌跡~番外編 アリサのお見合い篇

作者:sorano
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第10話

翌日朝食を取り、チェックアウトをした二人はホテルを出た。



~翌日・ミシュラム~



「わっ!?」

「キャッ!?」

二人がホテルを出るとフラッシュによる光が二人を照らした。

「いや~、本当に未来のキーアちゃんの言う通りになったわね~。そのお蔭でいいスクープ写真が撮れたけどね♪」

するとその時女性の声が聞こえて来た後二人に近づき

「ええっ!?あ、貴女は確か新聞記者の…………!」

「グ、グレイスさん!?一体どうしてここに……!?」

女性――――グレイスを見たアリサは驚き、リィンは驚いた後信じられない表情で尋ねた。

「フフ、お姉さんはラインフォルトグループ会長の秘書さんに呼ばれて来ただけよ♪」

尋ねられたグレイスは口元に笑みを浮かべて答え

「へ…………ラインフォルトグループ会長の秘書ってまさか…………!」

「シャロン!!さては貴女の仕業ね!?」

グレイスの答えを聞いたリィンは呆けた後目を見開き、アリサは真っ赤にした顔で怒鳴った!

「うふふ、グレイス様に関しましてはティオ様経由になりますので正確には私ではありませんわ。」

するとその時シャロンが微笑みながらグレイスの背後から現れ

「へ…………ティオって……」

「ま、まさか…………!」

シャロンの言葉を聞いたリィンは呆け、アリサは目を見開いた。



「―――勝手にわたしに責任をなすりつけないで下さい。シャロンさんが頼んで来たじゃないですか。通信社の知り合いがいるなら、その人に知らせて今日ここに来させてほしいって。」

するとその時ジト目でシャロンを見つめるティオがグレイスたちの背後から現れ、ティオに続くようにロイド、エリィ、ランディ、キーア、セティ、シャマーラ、エリナが次々と現れた!

「なっ!?ロ、ロイド!?それにエリィ達も!?」

「ど、どどどど、どうなっているのよ!?」

ロイド達を見たリィンは驚き、アリサは混乱し

「ハ、ハハ…………えっと…………二人とも、とりあえずおめでとう。」

「おめでとー♪二人ともアツアツだねー♪」

「このリア充野郎がっ!!お前もロイドと一緒に爆発しろっ!!」

「ア、アハハ………リィンさんもロイドさんと同じだったみたいだね…………」

「……まあ、シャロンさんから話を聞いた所だと、こうなってしまったのも若干私達にも責任があるような気もしますが………」

「フフ、でもそのお蔭でお二人は両想いの関係になれたからいいと思いますよ。」

「フフ………昨日テーマパークで2人がデートしているって話の連絡をティオちゃんから貰ったのよ。」

ロイドは苦笑しながら答え、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ、ランディは悔しそうな表情でリィンを睨んで叫び、シャマーラは表情を引き攣らせ、エリナは冷や汗をかきながら苦笑し、セティとエリィは微笑みながら答えた。

「なっ!?」

「まさか…………昨日のテーマパークにティオちゃんもいたの!?」

エリィの話を聞いたリィンは驚いて声を上げ、アリサは信じられない表情で尋ねた。

「ええ。キーアと一緒に昨日までやっていた”みっしぃ”の限定イベントを観終えた帰りにお二人がデートをしている様子を偶然見かけたんです。……ちなみにその時にシャロンさんと出会ってグレイスさんをこの場に呼んで欲しいって頼まれたんです。」

「ええっ!?」

「シャロン!どうしてそんな事をしたのよ!?」

ティオの説明を聞いたリィンは驚き、アリサは真っ赤になった顔でシャロンを睨み

「うふふ、ラインフォルトグループ会長のご息女であられるアリサお嬢様とルーレの領主の一人、シュバルツァー伯爵のご子息であられるリィン様のご婚約の件を”お客様達”――――メンフィル帝国とクロスベル帝国の方々に知らせる為ですわ。」

「……………………………」

微笑みながら答えたシャロンの話を聞いたリィンは口をパクパクさせ

「あ、貴女ね………!テーマパークにいたティオちゃん達と会ったって事はさては私達のデートも覗いていたわね!?」

アリサは怒りの表情で身体を震わせた後大声で怒鳴った!



「うふふ、何の事やら♪私の記憶に残っているのは午前中は”鏡の城”にて共に祈りを奉げた後占い師の館に向かい、昼食時はアリサお嬢様自らの手でお嬢様の手料理をリィン様に食べさせてあげ、ホラーコースターではお互いの身体を抱きしめ合い、デートの最後は夕陽で綺麗な景色の中、ゴンドラの中でお互いを抱きしめて情熱的な接吻を交わしているお二人を”たまたま”見かけただけですわ♪」

「ええっ!?」

「何ィッ!?」

「わあー♪リィンとアリサ、すっごくラブラブだねー♪」

微笑みながら答えたシャロンの話を聞いたロイドは驚き、ランディは厳しい表情でリィンを睨み、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ

「エリゼさんが知ったら何て言うでしょうね。」

「……というかもしかしたらですけど、シャロンさんみたいに遠くから見ていたんじゃないですか……?」

エリィとティオはジト目でリィンを見つめ

「ア、アハハ………まさにロイドさん2号だね………」

「今度は何人の”被害者”が出るんでしょうね……?」

「さ、さすがにロイドさんの状況のようにはならないとは思うのですが…………」

シャマーラとセティ、エリナはそれぞれ大量の冷や汗をかきながら表情を引き攣らせ

「ブッ!?」

「それのどこが”たまたま”なのよ!!ほぼ最初から覗いていたじゃない!第一観覧車での出来事なんて、双眼鏡でも使わない限りわからないでしょう!?しかもホラーコースターでの出来事なんて一体どうやって覗いていたのよ!?」

リィンは吹き出し、アリサは顔を真っ赤にして怒鳴った。



「うふふ、それよりお嬢様。クラスメイトの方達にデートの件を黙っているなんて、水臭いですわよ♪」

「へ……………」

「ま、まさかシャロン……貴女…………!」

微笑みながら言ったシャロンの言葉を聞いたリィンは呆け、アリサは身体を震わせながら真っ赤にした顔でシャロンを睨んだ。するとその時

「ふふ、そのまさかよ♪」

なんと口元に笑みを浮かべたサラが”Ⅶ組”の面々と共にロイド達の背後から現れた!

「ア、アハハ………えっと……おめでとう、アリサ。」

「アハハ………お、おめでとうございます、アリサさん、リィンさん。」

エリオットとエマは苦笑しながらアリサとリィンを見つめ

「おめでと、アリサ。」

「俺からも祝福の言葉を贈ろう。――――二人ともおめでとう。」

「おめでと~、アリサ!」

「そ、その………とりあえずよかったな、アリサ。」

フィーとガイウスは静かな口調で呟いてリィンとアリサを見つめ、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべ、マキアスは冷や汗をかいて苦笑しながら答え

「そなたの事情はシャロン殿から先日聞かされ、知っている。………何はともあれ、結果的には相思相愛の仲になれた事、心から祝福しよう。」

「フ………政略結婚がきっかけで相思相愛になる等、お前ぐらいだぞ。」

「いや~、休みの日に朝早くに起きてわざわざこっちまで来た甲斐があったわ♪」

ラウラは静かな表情でアリサを見つめ、ユーシスは静かな笑みを浮かべ、サラはからかいの表情で二人を見つめながら言った。

「な、なななななななっ!?」

「シャロン!!」

一方リィンは顔を真っ赤にして混乱し、アリサは真っ赤にした顔でシャロンを睨んで怒鳴った。



「やれやれ…………相変わらず騒がしい奴等じゃの。」

「リフィアが言える義理はないと思うけど。」

するとその時呆れた表情をしたリフィアとエヴリーヌがそれぞれリィン達に近づいてきた。

「ええっ!?あ、貴女達は……!」

「リ、リフィア殿下!?どうしてこちらに!?それにエヴリーヌ様まで…………!」

リフィアとエヴリーヌを見たアリサは驚き、リィンは信じられない表情で尋ねた。

「まあ、余も若干ではあるが此度の縁談には関与していたからな。関与した者の一人として行く末を見守らせてもらったのじゃが……………どうやら良い方向で話は纏まったようだな?」

尋ねられたリフィアは疲れた表情で答えた後苦笑しながら二人を見つめ

「は、はい!」

「そ、その……ありがとうございます!殿下の進言のお蔭でリィンとお見合いができて、婚約できましたから……!」

見つめられたリィンは姿勢を正し、アリサは頭を深く下げた。

「うむ……………ま、まあエリゼの事を忘れてやるなよ。」

「ガタガタブルブル…………」

二人の様子を見たリフィアは頷いた後大量の冷や汗をかきながら呟き、リフィアの口からエリゼの名前が出ると昨日のエリゼの恐ろしさを思い出してしまったエヴリーヌは表情を青褪めさせて身体を震わせ

「ええ、それは勿論。」

「エリゼと一緒に幸せな家庭を築くつもりです!」

リィンとアリサはそれぞれ頷いた。



「あ、それとアリサさん。あたし達の会社のせいでアリサさんの会社に凄い迷惑をかけてしまって本当にごめんね?」

「アハハ……気にしなくていいわよ。商売は競争社会なんだから、貴女達には何の責任もないわよ。」

シャマーラの言葉を聞いたアリサは苦笑しながら答え

「……おわびになるかどうかはわかりませんが、”工匠”になる講習で企業に務めている方達の優先枠を特別に作る事にしました。」

「西ゼムリアでは代表的に知られている会社――――ヴェルヌ、ZCF、エプスタイン、セイランド、そしてラインフォルトに対して各一名ずつ優先枠を作るつもりですので、ラインフォルトグループの社員の中にも早期に”工匠”になれる人が出てくると思います。」

「あら………」

「え………そ、そこまでしなくてもいいわよ……貴女達に負担をかけてしまうし………」

エリナとセティの説明を聞いたシャロンは意外そうな表情をし、アリサは呆けた後申し訳なさそうな表情をした。

「あたし達の事は気にしなくてもいいよ。みんなが協力して豊かになって、幸せになる………それがあたし達”工匠”の目指すものだから!」

「あ、ありがとう………」

そして笑顔で答えたシャマーラの話を聞いたアリサは嬉しそうな表情をし

「まあ………でしたら早速『ラインフォルトグループ』と『インフィニティ』の間での商談がしたいので面会を予約させてもらっても構いませんよね?」

「フフ、わかりました。明後日ならいつでも空いていますよ。」

「さすがラインフォルトグループ会長の秘書を務めているだけあって、抜け目がないですね……」

目を丸くした後口元に笑みを浮かべ、自分達を見つめて尋ねたシャロンの話を聞いたセティとエリナは苦笑しながらシャロンの提案に答えた。



「リフィア殿下、アリサお嬢様とリィン様のご婚約の件を含めてラインフォルトグループに制限されていた件が解除される件等全て、世間に公表させて頂いても構いませんよね?」

「シャロン!!」

微笑みながらリフィアを見つめて尋ねたシャロンの確認の言葉を聞いたアリサは顔を真っ赤にして怒鳴り

「ハア………好きにしろ。既に昨日の時点でリウイ達やヴァイス達にも二人の婚約が成立した件は報告している。今更撤回するつもりはないし、第一”国”が一度交わした約束を違える訳にはいかん。……今この時点を持って両帝国がラインフォルトグループに制限していた件全て解除する事をメンフィル帝国の次期皇帝たるメンフィル皇女リフィア・イリーナ・マーシルンの名に置いて許可する。両帝国政府の代表者には余の方から説明しておく。」

「ありがとうございます♪お蔭様で倒産の危機に陥っていたラインフォルトグループも完全に立ち直れますわ♪それでは早速、イリーナ会長に連絡させて頂きますね。――――会長、シャロンです。至急報告したい事と相談したい事がございまして……………ええ、その件は勿論ですが『インフィニティ』の件もありまして―――――」

疲れた表情で溜息を吐いた後答えたリフィアの話を聞いて嬉しそうな表情で答え、そしてエニグマを取り出して通信を開始した。

「と言う訳でリィン君、アリサちゃん!早速独占インタビューをお願い!”クロスベルタイムズ”が二人の婚約やラインフォルトグループの件とかも全て、どの通信会社よりも早く記事にするから♪」

「ええっ!?」

「そ、そんな急に言われても…………」

そしてグレイスに尋ねられたリィンは驚き、アリサは顔を真っ赤にしていた。

「アハハ……二人とも大変だよね。」

「自分達の恋仲を世間にさらされますものね……」

その様子をエリオットとエマは苦笑しながら見つめていた。

「…………あれ?リフィア殿下、エヴリーヌさん。どうして昨日の時点でリィン達が婚約したことを知ったのですか?」

一方ある事に気付いたロイドはリフィア達に尋ね

「もしかしてリィンさん達のデートをシャロンさんみたいに覗いていたんですか?」

ティオは目を丸くして尋ねた。



「うむ。………まあ、余は来たくなかったがな。」

「エヴリーヌも。主に覗いていたのはエリゼだし。エヴリーヌ達はエリゼに無理矢理連れてこられたの。エリゼがリィン達の様子を見る度にどんどん怖くなっていくから、昨日は正直生きた心地がしなかったよ…………」

尋ねられたリフィアは疲れた表情で答え、エヴリーヌはリフィアの言葉に頷いた後疲れた表情で溜息を吐き

「え”。エ、エリゼが!?」

エヴリーヌの言葉を聞いたリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。するとその時!

「フフ………昨夜と今朝は随分と楽しまれたようですね?兄様。」

なんと全身に膨大な威圧に加え、さらに背後には魔力によって発生した電撃がバチバチと迸るほどの魔力と目にも見えるほどのメラメラと燃え続ける怒気を全身に纏いながら、極上の微笑みを浮かべているエリゼがリィン達に近づいて来た………! 
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