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歌集「春雪花」

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 逢えもせぬ

  君の温もり

    求めるは

 想い寂しき

   身の凍られば



 ここにいない彼…会うことなぞ出来ないのに、彼を求め…恋い焦がれ…。

 これほど彼の温もりも求めて止まないのは…きっと、彼を想う心があまりにも寂しく…この身のが凍ってしまうほどだからかも知れない…。



 恋しくも

  君の影なく

    溜め息を

 つきてや侘し

    夏の暮れかな



 恋しくて…会いたくて…辺りを見回せど、ありもしない彼の姿…。

 頭では分かっているはずなのに、いつも探してしまう自分に溜め息をつく…。

 夕も押し迫れば秋虫が鳴き…彼への恋しさが募るばかり…。

 見上げれば空は高く…もう真夏のような近しい青とは違う…。

 今年の夏ももう過ぎ行く…そして、心寂しい秋が到来する…。


 そしてまた…彼はいない…。



 
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