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歌集「春雪花」

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 想い留め

  心ぞ痛み

   侘び濡れて

 この世の外に

    いつぞ参りし



 想いを伝えることは出来ず…その想いは…なぜ伝えないのだと叫ぶ…。

 彼に会えない時間は私の心を…まるで針を刺すように痛めている…。

 彼のことを考え続けても仕方無いことだとは知りつつも…彼のことを考えてしまう…。

 あぁ…私はいつ死ぬことが出来るのか…。


 いつ…この痛みから開放されるのか…。



 溜め息を

  つきてや幸も

    絶え果てて

 鳴くや秋虫

     恋ぞ侘しき



 溜め息をつけば幸福が逃げると言うが…では、私の幸福なぞ疾うに無くなっていることだろう…。

 彼を想い…毎日溜め息をついているのだから…。

 夕の涼風に秋虫は鳴き、夏の終わりを実感させる…。

 きっと…この恋も同じ…。もう仕舞いにせよと言っているのかも知れない…。


 実ることのない恋…告げることの憚られる想い…どうすれば良いのだろう?

 侘しいだけの今を…どうすれば良いのだろう…?



 
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