夏はざま
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第四章
「それこそ」
「本当にな」
「それじゃあ今日は」
「まずは朝食べてな」
「それからね」
「海とプールだな」
彼はまずこの二つを出した。
「外に出て」
「それで夏祭りとね」
「ビアガーデンだな」
「忙しくなりそうね」
「そうだよな、ただな」
「ただ?」
「まずは服着るか」
彼はくすりと笑って私に言って来た。
「昨日お互い裸のまま寝たみたいだな」
「そうみたいね」
「だからな」
「まずは服を着て」
「朝食食べに行こうな」
「それがいいわね」
私は彼の言葉に笑顔で頷いてまずは白のブラとショーツを手に取って身に着けて。ラフなミニスカートとブラウスを着た。彼もトランクスとラフな服を着てだった。
朝食を食べてそれから私は黒のビキニ、彼は青い水着になって海とプールを楽しんでだった。夕方までランチを挟んで時間を過ごした。
そしてディナーの後で濃い青の浴衣を着てラフな服装に戻った彼と一緒に夏祭りに出た。髪はこの時は後ろで団子にまとめた。
それからだった、サマードレスに着替えて髪もまた下ろして夜遅くまでビアホールで飲んだ、そのビールを飲みながらだった。
私は彼にだ、笑顔で言った。
「昨日はお休みだったのね」
「夏のか」
「ええ、そうだったのよ」
「夏と夏のか」
「狭間でね」
「休みの日だったんだな」
「そうだったのよ」
こう彼に言った、ビールをジョッキで飲みながら。
「そして今日からね」
「また夏か」
「そうなったのよ」
「そうか、じゃあ今日はな」
「思いきり夏を楽しめたわね」
「明日もだな」
「そうよね」
こう二人で話して夏の中にいることを満喫してだった、私は彼と一緒にホテルでの夏を楽しんだ。そして日常の仕事の世界に戻ったけれど。
三ヶ月後秋になってだ、私は彼に言うことがあった。
「出来たみたいだけれど」
「おいおい、そうなのか」
「多分ね」
「ホテルでか」
「いつも夜は一緒だけれど」
「三ヶ月か」
「だから多分ね」
夏も一緒に寝ているけれどだ。
「あの時によ」
「夏のお休みの日にか」
「出来たみたいね」
「あの日は俺達にとって特別な日なんだな」
「そうみたいね」
私は彼にくすりと笑って答えた、そして私達は結婚して子供が出来て三人で暮らす様になった。夏はざまのその日は私達を結び付ける日だった、その時は残念に思った一日だったけれど。
夏はざま 完
2015・12・24
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