夏はざま
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第三章
「夜まで止めばいいけれど」
「止まなかったら」
「中止だな」
「そうなるわね」
「まあとにかくな」
彼も残念そうに言った。
「これじゃあな」
「海とプールはね」
「無理だな、ホテルの中にいるか」
「それしかないわね」
「本当にな」
こう話してだ、そしてだった。
私達は仕方なくホテルの中にいることにした、ホテルの中にも遊べる場所はあるけれど正直海とプールを楽しむつもりだったので面白くなかった。
そのまま夕方まで過ごしていたが雨は止まずにだった。
彼は一旦ロビーに行ってからお部屋に戻って私に言って来た。
「夏祭りもビアホールも中止だってな」
「この雨だから」
「夏祭りは明日でな」
「それでなのね」
「ああ、ビアホールも卿はなしだ」
「仕方ないわね」
「この雨だからな」
何といってもというのだ。
「何もないだよ」
「やれやれね」
「どうする?今夜は」
「どうするってどうしようもないわよ」
私は彼に苦笑いで返した。
「こうなったら」
「夕食のディナーを食べてな」
「それでよね」
「ビリアードするか?」
「もう飽きたわ」
夕方まで彼としてだ、ホテルにあるそれにはだった。
「いいわ」
「そうか、じゃあ」
「今夜は長くなりそうだから」
それでとだ、私は彼に言った。
「ベッドの中にいましょう」
「そうしようか」
「そうしてまた明日ね」
「晴れたらな」
「何でも楽しみましょう」
こう話してだ、そしてだった。
私達はディナーの後シャワーを浴びてベッドの中で二人で過ごした。そして朝早く起きるとだった。
私は裸のままベッドから出てだ、お部屋のカーテンを開けて外を見た。すると。
昨日のあの土砂降りがだ、完全に終わっていて。
青空が戻っていた、それでまだ寝ている彼に顔を向けて言った。
「晴れたわよ」
「じゃあ今日は」
「ええ、昨日とは違ってね」
「夏を楽しめるんだな」
「そうなりそうね」
「よかったよ、今日も雨だったら」
「どうしようもなかったわね」
私は彼に身体を向けて言った。
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