夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和
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レベル6中編 復讐のオンリー・ストーカー
前書き
まさかの3部構成。僕も驚いてます。
夢値 LP8000
モンスター ソハヤ(守2000)
魔法、罠 伏せカード1枚
ペンデュラム 無し
エル LP8000
モンスター ゼンマイラビット(攻1400)
魔法、罠 無し
ペンデュラム 無し
「決闘出来ることが個性だぁ?」
エルはつまらなさそうに睨みつけた。
「えぇ。いい個性ですよね」
老伍路 夢値は微笑んでいる。
「プッ」
エルが吹き出した。
「ハハハハハハハハハハハハ!」
エルも、他のハンター達もどっと大笑いした。
「そういうことで、では、ぼくのフィールドに」
「待てなんちゃら!」
決闘を再開しようとした夢値をエルが止めた。
「はい?」
「説明しろ。決闘出来ることが個性だぁ?んなこと言ったら、100兆人が同じ個性じゃねぇか」
「地球の人口軽く超えてるじゃないの」
哀手 樢はボソリと呟いた。
「地球外の決闘者ともいつか手合わせしたいものですよねー」
夢値はにこにこしている。
「んなに大勢の人間がやってることを個性だぁ?んな貧弱なもん、個性なんて恥ずかしくて呼べねぇぜ」
エルが後ろを向くと、外野も「そーだそーだ」と同調している。
「個性なんてそれくらいゆるくて良いんですよ」
「ぁあ?」
「ぼくのフィールドに闇属性の『BF』モンスターがいるので、《ゲイル》と《クロクロークロウ》を手札から特殊召喚します」
ゲイル 攻1300
クロクロークロウ 守600
「ぼくは、レベル2の《クロクロークロウ》に、レベル3の《ゲイル》をチューニング。レベル5、《TG ハイパー・ライブラリアン》をシンクロ召喚します」
ライブラリアン 攻2400
「更に、墓地の《龍大神》とぼくのフィールドの《ライブラリアン》を対象に、伏せていた通常罠、《ギブ&テイク》を発動します。《龍大神》を相手のフィールドに特殊召喚して、《ライブラリアン》のレベルを《龍大神》の8だけ上げます」
ライブラリアン 星5→13
龍大神 守1200
「そしてぼくはぼくのフィールドの《ソハヤ》を対象に、墓地の《レベル・スティーラー》の効果を発動します。《ソハヤ》のレベルを1つ下げて、墓地から《スティーラー》を特殊召喚します」
ソハヤ 星5→4
スティーラー 守0
「ぼくがモンスターを特殊召喚したので、相手のフィールドの《龍大神》の効果が必ず発動します。その効果でぼくはエクストラデッキから、《PSYフレームロード・Ω》を墓地に送ります。そして、『BF』モンスターをシンクロ素材にした《ソハヤ》はチューナーとして扱われます。ぼくはレベル1の《スティーラー》に、レベル4の《ソハヤ》をチューニング。レベル5、《ソハヤ》をシンクロ召喚します」
ソハヤ 守2000
「同じモンスターを特殊召喚だと!?」
「シンクロ召喚も特殊召喚。よって、相手のフィールドの《龍大神》とぼくのフィールドの《ライブラリアン》の効果が同時に発動します。ぼくはエクストラデッキの《Ω》を墓地に送り、カードを1枚ドローします」
「同じモンスターをまた出した……」
樢はその状況にかなり見覚えがあった。
「ぼくは墓地の《ソハヤ》を対象に墓地の《Ω》の効果を発動します。この2枚をデッキに戻します。そしてもう1枚の《Ω》の効果で、墓地の《Ω》と《手札断殺》をデッキに戻します」
「……ねぇ、ダード」
樢はダードの背中を叩いた。
「なんだよ?」
「あの《Ω》?だっけ?あのカードの効果で、《ソハヤ》ってカードを何回も出せるとか、そんな感じ?」
「あぁ」
ダードは首肯した。
「《ソハヤ》のレベルを下げて《スティーラー》を出して、《龍大神》の効果でエクストラデッキの《Ω》を墓地に送ります。《ソハヤ》と《スティーラー》で《ソハヤ》をシンクロ召喚して、《龍大神》と《ライブラリアン》の効果で、エクストラデッキの《Ω》を墓地に送り1枚ドローします。そして《Ω》2枚の効果を発動して、《Ω》2枚と《ソハヤ》と《ギブ&テイク》をデッキに戻します」
「……フィールドに《ソハヤ》、墓地に《スティーラー》という状態にすることで、《ソハヤ》と《スティーラー》をシンクロさせて新たな《ソハヤ》を出すことが出来る」
ダードは夢値のフィールドを見ながら解説を続けた。
「普通こんなことはエクストラデッキにある《ソハヤ》の数しか出来ないし、そもそもする意味が無い。だが、《Ω》の墓地にあるカードをデッキに戻す効果を《龍大神》で無理矢理起動することで、何回でも《ソハヤ》をシンクロ召喚することが出来るようになっている。そこに、シンクロ召喚する度に1枚ドロー出来る《ライブラリアン》を加えたわけだ。これによって、何枚でもカードをドローすることが……更に言うなら《Ω》の効果で墓地のカードをデッキに戻せば……デッキと墓地のカードを全て手札に加えることが出来るようになる」
「な、成る程」
「ループ1回毎に、《龍大神》で墓地に送られる《Ω》の枚数は、《スティーラー》特殊召喚時と《ソハヤ》シンクロ召喚時の2枚。内1枚を墓地の《ソハヤ》の回収に充てるとして、残った1枚は自由だ。今は、自分の墓地の使ったカードをデッキに戻している」
「でも、墓地のカードが無くなったら、その自由って言った1枚はどうするの?」
「それなら余った《Ω》を墓地に置いといて、もう1回同じことをしてまた1枚余った《Ω》と一緒にデッキに戻せばいいんだよ。具体的な方法は面倒臭いから省略するがな」
ダードの言う通りの挙動を繰り返し、夢値の墓地はみるみる少なくなり、それを吸い上げるように手札はどんどん増えていった。
「ぼくは《龍大神》を対象に、速攻魔法《エネミーコントローラー》を発動します。表示形式を攻撃表示に変更」
龍大神 守1200
↓
攻2900
「そして《Ω》の効果で《Ω》と《エネミーコントローラー》をデッキに戻します」
その挙動を途中に挟みながらドローループをして、ついに、デッキが1枚になった。
「《ソハヤ》をシンクロ召喚します。《ライブラリアン》と《龍大神》と、そして墓地の『ABF』モンスター《ソハヤ》を対象に、フィールドの《ソハヤ》の効果を発動します。墓地の《ソハヤ》を特殊召喚して1枚ドローして《Ω》を墓地に送ります。更に《龍大神》の効果で《Ω》を墓地に送ります」
「……あー、これは」
ダードは何かに気づくと同時に渋い顔をした。
「どうしたの?」
「……だからあんなに引いてたのか」
「墓地の《Ω》の効果で、墓地の《Ω》と《スティーラー》をデッキに戻します。そして、『BF』モンスターを素材にしていない《ソハヤ》はチューナーではありません。ぼくはレベル5の《ソハヤ》にレベル5の《ソハヤ》をチューニング。レベル10、《天穹覇龍ドラゴアセンション》をシンクロ召喚します」
「はぁ!?」
「……やっぱりか」
エルが驚き、ダードは頭を抱えた。
「え?そんなとんでもない効果なの?」
樢はきょとんとしている。
「効果は全て強制効果、だからぼくは好きな様に、《ドラゴアセンション》の効果をチェーン1、《ライブラリアン》の効果をチェーン2、《龍大神》の効果をチェーン3で発動します。《Ω》を墓地に送り、カードを1枚ドローして、」
夢値はそこでにっこりと微笑んだ。
「《ドラゴアセンション》の攻撃力が、ぼくの手札の枚数×800になります」
「手札の枚数!?」
樢はデッキの全てを収納した夢値の手札を見ながら叫んだ。
「あいつの手札はデッキのほぼ全て」
ダードがボソリと呟いた。
「デッキにあって今手札に無いのは《龍大神》1枚だけ。つまりあいつの手札は39枚だから攻撃力は800×39で……」
「いいえ、」
夢値は首を横に振った。
「その方が安定感はあるのですが、それだとキリが悪いので、」
ドラゴアセンション 攻32000
「デッキ枚数を41枚にしました」
「あ……、あ……」
「凄い攻撃力よねー」
樢が呑気に呟いた。
「……お前、あんだけの攻撃力があれば、攻撃表示モンスター1回殴っただけで相手負けるぞ」
「へ?」
「攻撃表示同士のモンスターが先頭を行った時、攻撃力の低い方をコントロールしているプレイヤーは、両モンスターの攻撃力の差分だけダメージを受ける」
「そうなの?」
夢値の決闘の印象が強い樢は、素直に首を傾げた。
「お前、遊戯王の常識だぞ……」
「ごめんごめん」
呆れるダードに樢は愛想笑いで返した。
「では、バトルフェイズ。《ドラゴアセンション》で《龍大神》を攻撃します」
ドラゴアセンションVS龍大神
攻32000VS攻2900
「ぐわああああああーーー!」
エル LP8000→-21100
「対戦ありがとうございました。……さて、」
夢値は手札とフィールドを畳んだ。
「デッキは変えますが大筋は同じです。巻いていきますよ」
「ふざけんなおらぁ!」
ハンター側から、次の男が飛び出した。
「エントリーナンバー3!ザウ!俺の個性は8年前から今日までに、祭りの神輿の掛け声を発しなかった唯一の人間ってことさ!」
「では、決闘です」
立て続けに次の決闘が始まる。
「ぼくの先攻です。通常魔法、《手札抹殺》を発動します。お互いに、手札を全て捨てて、捨てた枚数だけドローします」
「ラッキィだぜなんちゃらぁ!手札悪かったんだよなぁ!」
「あいつらが捨てたのは、《アイス・ハンド》2枚、《ヴェルズ・サンダーバード》2枚と……《マンジュ・ゴッド》ぉ!?」
「何それ?」
素っ頓狂な声を上げるダードに樢は呑気に尋ねた。
「あいつら、儀式モンスターまで使う気なんだよ!」
「儀式?」
「あぁ。説明は省くが、儀式なんて気楽に入れられるようなもんじゃねぇ」
「……手札の《インフェルニティ・ネクロマンサー》を墓地に送って、通常魔法《ワン・フォー・ワン》を発動します。デッキから《インフェルニティ・ミラージュ》を特殊召喚します」
ミラージュ 守0
「更に《トゥーン・キャノン・ソルジャー》を召喚します」
トゥーン・キャノン・ソルジャー 攻1400
「お前っ!」
ザウが叫んだ。
「どうしたの?」
「あんなん今から《トゥーン・キャノン・ソルジャー》でループしますって言ってるようなもんだからな」
「そうなの?」
「《トゥーン・キャノン・ソルジャー》や《キャノン・ソルジャー》は自分のモンスターをリリースして、相手に500ダメージを与える効果を持ってるが、ここでポイントなのはこれを何度も使えることだ。無限にモンスターを出せるループがあるなら、こいつらで無限に墓地に送って勝つのが鉄板とされている」
「ふぅん」
「カードを1枚伏せて、ぼくの手札は0枚になりました。では、手札が0枚なので、墓地の《インフェルニティ・リベンジャー》と《ネクロマンサー》を対象に、自身をリリースして《ミラージュ》の効果を発動します。墓地の《リベンジャー》と《ネクロマンサー》を特殊召喚します。」
リベンジャー 守0
ネクロマンサー 守2000
「更に手札が0枚なので墓地の《インフェルニティ・デーモン》を対象に《ネクロマンサー》の効果を発動します。《デーモン》を特殊召喚。そして手札が0枚なので《デーモン》の効果を発動して、デッキから《インフェルニティ・ガン》を手札に加えます」
デーモン 守1200
「ぼくはレベル3の《ネクロマンサー》とレベル4の《デーモン》にレベル1の《リベンジャー》をチューニングします。レベル8、《PSYフレームロード・Ω》をシンクロ召喚します」
Ω 守2200
「ぼくは《Ω》をリリースして、《トゥーン・キャノン・ソルジャー》の効果を発動します。相手に500ダメージ」
ザウ LP8000→7500
「そして永続魔法、《ガン》を発動します。そして、墓地の《リベンジャー》と《ネクロマンサー》を対象に、自身を墓地に送って《ガン》の効果を発動します。《リベンジャー》と《ネクロマンサー》を特殊召喚します」
リベンジャー 守0
ネクロマンサー 守2000
「さっきと同じ状況じゃん!」
樢は夢値のフィールドを指差した。
「お前……、こういうのだけには嗅覚が効くんだな」
「変なの?」
「戦闘ダメージもろくに知らねぇのに、こういうのばっか分かんのは普通じゃないな」
「そうなんだ」
「……」
ダードは夢値を見た。
「あいつの決闘ばっか見てるからか」
「うん。多分」
「墓地の《Ω》の効果で《Ω》と《ガン》をデッキに戻してから《ネクロマンサー》の効果で墓地の《デーモン》を特殊召喚します。そして、《デーモン》の効果で《ガン》を手札に加えます。そして《ネクロマンサー》と《デーモン》と《リベンジャー》で《Ω》をシンクロ召喚します」
「要は、」
ダードはまとめに入った。
「墓地の《Ω》の効果で《ガン》を墓地からデッキに戻して、《デーモン》でデッキから《ガン》を手札に加えて、その《ガン》を墓地に送ることでフィールドに《Ω》が出せるってわけだ。フィールドの《Ω》を無限に墓地に送ることが出来るなら、無限に《Ω》を出すことが出来る。ならば、無限に墓地に送ることでそのまま勝利出来る《トゥーン・キャノン・ソルジャー》を出せばいいということだな」
「ということです」
「ああああああああ」
ザウ LP500→0
「エントリーナンバー2!シグ!俺の個性はクラスの中で夏休みに週2で断食した唯一の人間ってことさ!先攻は貰ったぜ決闘者なんちゃらぁ!俺は《マンジュ・ゴッド》を召喚。その効果でデッキからサーチするのは、《ブリューナクの影霊衣》!」
「『影霊衣』!?」
「変なの?」
樢はもう何度目になるかわからないがダードを見つめた。
「変っつーか、そりゃ儀式なんだから『影霊衣』でおかしくはないんだが……」
「ふはははは!貴様ら汎用の十把一絡げ共には分からんわ!これこそ俺達の個性!」
外野からもそーだそーだと野次が飛ぶ。
「これで俺はターンエンドだ!」
「……うーん」
夢値は急に思案げな表情になった。
「どうだ?なんちゃらには俺達のデッキの個性的さが分かるまい?この有象無象め!」
「皆さんの前向きな所は幾分評価しているのですが、後ろ向きな一面もあるんですね」
「は?」
「ぼくのターンです。ドローします。ぼくは手札のレベル8の《龍大神》を捨てて、通常魔法《トレード・イン》を発動し、2枚ドローします。そしてぼくは、スケール1の《メタルフォーゼ・シルバード》と、スケール8の《メタルフォーゼ・スティエレン》でペンデュラムスケールをセッティングします。これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能です。ぼくは手札から、《ギガント・セファロタス》と《ローンファイア・ブロッサム》をペンデュラム召喚します」
ギガント・セファロタス 攻1850
ローンファイア・ブロッサム 守1400
「更に、《龍大神》を対象に通常魔法《死者蘇生》を発動して《龍大神》を特殊召喚します。そして《龍大神》を対象に通常魔法《シエンの間者》を発動して、《龍大神》のコントロールを相手に移します」
「相手の場にあれがいるってことは、《Ω》を墓地に送り放題ってこと?」
樢はシグのフィールドの《龍大神》を指差した。
「なんか変な覚え方してるぞお前」
「そうなんだ」
「……んー、まぁよ、《龍大神》を使うってのは、大抵ろくな使い方じゃねぇから、あながち間違っちゃいねぇんだが」
「ぼくは自身をリリースして、《ローンファイア・ブロッサム》の効果を発動します。デッキから、植物族の《ローンファイア・ブロッサム》を特殊召喚します。そこで、フィールドから植物族の《ローンファイア・ブロッサム》が墓地に送られ《ローンファイア・ブロッサム》が特殊召喚されたので、《セファロタス》と《龍大神》の効果を発動します。エクストラデッキの《Ω》を墓地に送り、自身の攻撃力を200アップします」
ローンファイア・ブロッサム 守1400
セファロタス 攻1850→2050
「これってもしかして」
「お前ホントループには目聡いな」
「褒めてる?」
「褒めてな、いや……うーん、一応凄いのは凄いんだが」
「うんうん」
「……凄いのは凄いから、基礎やろうな基礎」
「うんうん」
樢は満面の笑みだ。
「墓地の《Ω》と《ローンファイア・ブロッサム》をデッキに戻してから、フィールドの《ローンファイア・ブロッサム》をリリースしてデッキから《ローンファイア・ブロッサム》を特殊召喚します。また《Ω》を墓地に送り、《セファロタス》の攻撃力が200上がります」
「ま、まさかこれってよぉ……」
「ええ、ループですよ」
夢値はコクンと頷いた。
「《ローンファイア・ブロッサム》で《ロンファ》を出すのを《龍大神》で無限に行えるようにする。後はフィールドから植物が墓地置かれる度に強くなる《セファロタス》を置けばそいつが無限に強くなるってわけだ」
ダードの言う通り、《セファロタス》は攻撃力をどんどん上げていった。
「《ローンファイア・ブロッサム》から《ローンファイア・ブロッサム》を出して、エクストラデッキの《Ω》を墓地に送って《セファロタス》の攻撃力を上げます」
セファロタス 攻9250→9450
「では、バトルフェイズです。《セファロタス》で《マンジュ・ゴッド》を攻撃します」
「……」
セファロタスVSマンジュ・ゴッド
攻9450VS攻1400
シグ LP8000→-50
「……くくく」
負けた筈の、シグが笑っていた。
「ふははははは!」
「ど、どうしたシグ?」
最後の1人が慌てたように身を乗り出した。
「確かに!俺は負けはした!が、あのえっと、なんちゃらでいいか!なんちゃら共にデッキの情報を明け渡しきってねぇ!」
「な……成る程」
最初は戸惑っていた外野も、シグに同調する空気になってきた。
「おおおおお!俺達はまだ負けてねぇええ!」
「そうだそうだああああ!ピーツー!ぶっ殺してやれえええ」
「うおおおおおお!俺がああああああ!最強のおおおおおお!オゥンリーワンだああああああ!」
「……でも負けは負けでしょ」
樢はハンター4人組に白い目を向けた。
「素晴らしいですね」
夢値はにこにこしている。
「やはり彼らの向こう見ずな前向きさは貴重な財産です。若さというものですね」
男児は老爺のように目を細めた。
「いくぜおらぁ!エントリーナンバー1!ピーツー!俺の個性は、俺達のリーダーであることさ!」
「泣いても笑っても怒ってもこれが最終決戦ですね」
「夢値、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。ありがとうございます」
夢値はダードに微笑みかけた。
「いいなー心配してもらえて」
樢はボソッと呟いた。
「へっ!俺に勝てるわけがねぇよなんちゃら共!」
ピーツーは吐き捨てるように言った。
「さっきからおんなじデッキばっかじゃねぇか。ドラゴアセンションだのキャノン・ソルジャーだのギガント・セファロタスだの言ってるけど、結局ループして勝手に勝つだけだろ?そういうのを個性って言うやつになぁ、俺はむかっ腹が立つんだよぉ!」
「そうですか、それは残念ですね」
夢値は、デッキを淡々とシャッフルしている。
「……でも、先程の3つのデッキも、十分個性的なデッキ達なんですよ?」
そして、夢値はデッキを見えない机の上に置いた。
「他の誰でも無いぼくからすれば」
後書き
これらのΩコンボはもしかしたら同じものが、いや、もっといいのがあるかもしれませんが僕なりにオリジナルで作りました。
最初のドラゴアセンションのやつは、オシリス入れると攻撃力がもっととんでもないことになるしデッキ枚数増やせばもっととんでもないことになります。そこら辺はお好みで。僕はソハヤソハヤでアセンションが綺麗なので好きです。
何かミスや誤字脱字などあれば待ってます。
※9/8 誤字修正しました。
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