リヴァイと私~近付く2人の距離~part2
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積極的兵長と鈍感な私
貴「エレン! 」
私はエレンを見つけた。
エ「エネ!! 」
私の目線はエレンの手にいった。
手に包帯が巻かれている。
貴「エレン!? どうしたのその手!! 」
エ「あぁ、これか?
巨人化しようとしたんだけどよ、
何故か巨人になれなくてな…この有り様だ」
貴「…未だにエレンが巨人になるっていうのが
よく分からないんだけど、どういう事なの?」
エ「俺もよく分からない…でも巨人になるには
自傷行為がいるんだ。こうやって手を……
(あれ、どうしてこれだけは知ってんだ?)」
エレンの両手は、ほぼ包帯で覆われている。
その白い包帯の所々に赤い部分があった。
貴「うわぁ…痛そう」
エ「エネが手に
チューしてくれたら治る」
言葉を発したと同時にエレンの耳が
赤くなっていく。
あ。エレン今、嘘ついたね(笑)
以前、ミカサに教えてもらった。
"エレンは嘘をつくと耳が赤くなる"と。
私はエレンの手に触れようと手を伸ばした。
ぱしっ
エレンに触れる事なく誰かに手を掴まれた。
私の手を掴んだのは__
貴「…リヴァイ兵長?」
グイッ
貴「うわっ! へ、兵長!? 」
リヴァイ兵長は私の手を引っ張って
黙ったまま、ずんずんと歩いていく。
兵長と手…繋いでる……//
曲がり角を曲がった瞬間、私を壁に押し付けた。
そして__……
ダァンッ!!
兵長は私の横の壁に勢いよく片手を置いた。
突然の大きな音と出来事に思わず
ぎゅっと目を閉じ、すぐ目を開ける。
背中には冷たい壁に
横にはリヴァイ兵長の手。
兵長は顔をグッと近付けた。
ち、近い……!!//
兵長は眉間にシワを寄せ、目を細めている。
それは悲しみにも怒りにも取れる表情だった。
リ「他の男に気安く触れようとするんじゃねぇ」
貴「え、えと。どういう…//」
リ「あ?……エレンは怪我してんだ。
お前が接触して悪化でもされたら壁外遠征に
支障が出る。ガキには触れるな」
リヴァイ兵長は私から離れ、
壁に置いていた手も外した。
リ「他のガキにもな…(ボソッ 」
微かにそう聞こえたような気がした。
気付けば、リヴァイ兵長は歩き出している。
私は暫くそのまま立ち尽くす。
そ…それって、どういう意味だろう…
ドキドキ…//
私の心臓が落ち着くまで
もう少し時間がかかりそう……
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