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Fate/GrandOrder~救世の復讐者と盾の少女~

作者:村雲恭夜
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人理継続保証機関・カルデア

 
前書き
フフフ……嫁の水着来ねぇよ……畜生……三千課金したって言うのに……!
俺の金返せ……。
清姫「それでは本編始まります♪」 

 
「キュウ……?キュウ……キュウ?フォウ!フー、フォーウ!」
俺の耳に、何かの鳴き声が響いた。
目を開けると、そこにはピンク髪の女の子が立っていた。
「………」
明らかに見られている。興味津々のようだ。
「………あの。朝でも夜でもありませんから、起きてください、先輩達」
……ああ。そりゃ見るわ。こんな冷たい床で寝てたら興味津々にみるわ。
俺は起き上がると、隣で同じように倒れている桜を揺する。
「おい、桜」
「ん……。せん……ぱい?」
桜は目を擦ると、覚醒する。
「……えっと。ここどこですか?」
それは俺が聞きたいくらいだ。タイムウィザードリングを使った直後にこの出来事だ。気絶して適当な時間軸で投げ捨てられたに違いない。
「まぁ……、それは良いとして。君は何者だ?」
ピンク髪の女の子に、俺は問う。
「いきなり難しい質問なので、返答に困ります。名乗るほどの者ではない____とか?」
「……それ、人を馬鹿にしてる?」
「いえ、名前は在るんです。名前は在るのです、ちゃんと。でも、余り口にする機会がなかったので……印象的な自己紹介が出来ないと言うか……」
俺と桜は二人してその子を見る。自己紹介をする機会が余りない、と言うのは些か不自然ではあるが、敢えてスルーする。すると、咳払いをして少女は話始める。
「……コホン。どうあれ、質問よろしいでしょうか、先輩達。お休みの様でしたが、通路で眠る理由が、ちょっと。固い床でないと眠れない性質なのですか?」
「んな訳在るか!」
「そうなんですか先輩?」
「桜も分かってて乗るんじゃねぇ!」
なにこのボケ。桜だけでも大変なのに桜がもう一人増えた感じは!
「でも、すやすやと、教科書(テキスト)に載せたい程の熟睡でした」
「んなしょうもないもん載せる教科書があるか!」
なにこの子、ある意味恐ろしい。
すると、足元で声が聞こえた。
「フォウ!キュー、キャーウ!」
「……失念していました。あなたの紹介がまだでしたね、フォウさん」
少女は小動物も抱えると、紹介してくる。
「こちらのリスっぽい方はフォウ。カルデアを自由に散歩する特権生物です。私はフォウさんに誘導されて、お休み中の先輩達を発見したんです」
「フォウ。ンキュ、フォーウ!」
フォウは少女の腕から離れると、何処かに行ってしまった。
「……また何処かに行ってしまいました。あのように、特に法則性もなく散歩しています」
「……見た目不思議生物だな」
「見たことありませんね、ムーンセルに在ったかな……」
「……あんじゃね?実在してるし」
「あれ、なついてんのあんただけ?」少女に聞くと、直ぐに頷く。
「はい。私以外には余り近寄らないのですが。先輩達は気に入られたようです。おめでとうございます。カルデアで二人目、三人目のフォウのお世話係の誕生です」
なにそれ嬉しくない。
と、思っていると。
「ああ、そこに居たのかマシュ。駄目だぞ、断りもなしで移動するのは良くないと……」
モジャモジャで、ある意味腹に一物抱えてそうな奴が来た。
「おっと、先客が居たんだな。君達は……そうか、今日から配属された新人さんだね?」
こちらを見ると、礼儀正しく名乗る。
「私はレフ・ライノール。ここで働かせてもらってる技師の一人だ。君達の名前は……?」
「……衛宮佑人。こっちは衛宮桜」
元々、桜はムーンセルの住人だが肉体を持ってからは俺の家族として色々と偽装した。まぁ、よーするにムーンセルの小さい悪用である。これくらいは対して改変をもたらさないので有り難いが。
「ふむ、衛宮佑人君に衛宮桜君と。招集された48人の適正者、その最後の二人と言うわけか」
適正者……?どういう意味だろうか。質問しようにも後で分かることなので、今は気にしないでおこう。
「ようこそカルデアへ。歓迎するよ。一般公募の様だけど、訓練期間はどれくらいだい?一年?半年?それとも最短の三ヶ月?」
……早速面倒な質問だ。訓練がどんなものかは知らないが、俺達はなにもしてない。従って、答えは____!

「いや、訓練してない!」

となる。情けないことに。
「ほう?と言うことは全くの素人なのかい?」
驚く事もなく、レフは思い出したように言う。
「ああ……そう言えば、数合わせに採用した一般枠が在るんだっけ」
ナニソレ。
隣の桜も見ると、全くの同じ反応をしていた。
「君達はその枠から来た人か。申し訳無い。配慮に欠けた質問だった」
「気にしないでくれ、事実だからな」
俺はそう言うと、レフは言い返す。
「けど一般枠だからって悲観しないでほしい。今回のミッションは君達全員が必要なんだ。魔術の名門から38人、才能ある一般人から10人……なんとか48人のマスター候補を集められた。これは喜ばしいことだ。この2015年に置いて、霊子(りょうし)ダイブが可能な適正者全てをカルデアに集められたのだから。分からないことがあったら私やマシュに遠慮なく声を掛けて……おや?」
そこでレフが少女____マシュを見る。
「そう言えば、彼らと何を話していたんだいマシュ?らしくないじゃないか。以前から認識があったとか?」
「いえ、先輩達とは初対面です。この区画で熟睡していらしたので、つい」
「熟睡していた……?二人が、ここで?」
俺と桜は頷く。
「ああ、さては入館時にシュミレートを受けたね?霊子ダイブは慣れていないと脳に来る。シュミレート後、表層意識が覚醒しないままゲートから開放され、ここまで歩いてきたんだろう」
ナニソレコワイ。ナニコココワイ。
「一種の夢遊状態だ。二人が倒れたところで、丁度マシュが声を掛けたのさ。見たところ異常はないが、万が一と
言うこともある。医務室に送ってあげたいところだが……」
「……何か在るんだな?」
俺が言うと、レフが頷く。
「じきに所長の説明会が始まる。君達も急いで出席しないと」
「……うわあ、それ絶対遅刻したら目ぇ付けられる奴じゃん」
俺は嫌そうな声で言う。
「そうだね。些細なことで目を付けられるのもよくない。今後、君が平穏な職場を望むなら急ぎたまえ。五分後に中央管制室で所長の説明会がある。君達新人(ニューエイジ)への、ちょっとしたパフォーマンスだ」
すると、マシュがレフに話し掛ける。
「レフ教授。私も説明会への参加が許されるのでしょうか?」
「うん?まぁ、隅っこで立ってるくらいなら多目に見てもらえるだろうけど……なんでだい?」
「先輩達を管制室まで案内すべきと思ったのです。途中でまた熟睡される可能性があります」
「……君を一人にすると所長に叱られるからなぁ……。結果的に私も同席する、と言うことか」
……?何だ、一瞬嫌な顔になったけど。直ぐに戻ったから気のせいか。
「まあ、マシュがそうしたいのなら好きにしなさい。二人もそれでいいかい?」
「俺は構わない」
「私もです」
同意すると、レフは頷く。
「他に質問が無ければ管制室に向かうけど、今のうちに訊いておく事はある?」
「……ああ、そう言えば気になったんだが」
俺はマシュを見ると、
「何でマシュは俺らを先輩って呼ぶんだ?」
「………」
「ああ。気にしないで。彼女にとって、君達くらいの年頃の人間はみんな先輩なんだ。でも、はっきりと口にするのは珍しいな。いや、もしかして初めてかな。私も不思議になってきたな。ねぇ、マシュ。なんだって彼らが先輩なんだい?」
「理由……ですか?お二人は、今まで出会ってきた人のなかで一番人間らしいです」
「ふむ。それは、つまり?」

「全く脅威を感じません。ですので、敵対する理由が皆無です」

「……は?」
俺はポカンとすると、レフは笑う。
「成る程、それは重要だ!カルデアにいる人間は一癖も二癖もあるからね!」
……この職場、大丈夫か?
「私もマシュの意見には賛成だな。君達とはいい関係が築けそうだ!」
「……レフ教授が気に入ると言うことは、所長が一番嫌うタイプの人間と言うことですね。………あの。このままトイレに籠って説明会をボイコットする、と言うのはどうでしょうか?」
「そんなに!?所長不安なんだけど!?」
つい叫ぶ俺。いや、本当に大丈夫か、この職場。
「それじゃあますます所長に目を付けられる。ここは運に任せて出たとこ勝負だ。虎口に飛び込むとしようか二人とも。何、慣れてしまえば愛嬌のある人だよ」



「……大丈夫ですか先輩?」
心配そうにマシュと桜が俺を見る。
「……もしかして、寝てた?」
「はい。眠っていたかどうかで言えば、どことなくレム睡眠だった……ような」
「レム睡眠でしたね……」
「ともあれ、所長の平手打ちで完全に覚醒したようで何よりです」
「……ああ、だから頬が痛いのか」
確か、管制室に入って机で話聞いてたまでは記憶があるが、寝ていたらしい。
「先輩達はファーストミッションから外されたので今先輩達の部屋に案内していた____きゃっ!?」
「フォウ!」
「あ、フォウが顔に……」
突然現れたフォウがマシュの顔に張り付く。
「い、いえ、いつものことです、問題ありません。フォウさんは私の顔に奇襲をかけ、そのまま背中に回り込み、最終的に肩に落ち着きたいらしいのです」
「慣れてんな」
「慣れてますね」
「はい。フォウさんがカルデアに住み着いてから一年ほど経ちますから」
「フォウ。クー、フォーウ!フォーウ!」
「……ふむふむ。どうやらフォウさんは先輩達を同類として迎え入れた様ですね……。しかし、人間をライバル視するリスのような生き物はアリなのでしょうか……」
「……ライバル視されてんの、俺ら」
「まぁ、フォウさんのことですから明日には忘れているでしょう。それはそれとして、です。実はもう目的地に着いてます。こちらが佑人先輩の、お向かいが桜先輩の個室になります」
そう言えば、いつの間にか歩くの止めてたな。
「有り難うマシュ」
「なんの。先輩の頼みなら、昼食奢る程度までなら承りますとも」
すると、フォウが動き始める。
「キュー、キュ!」
「フォウさんが佑人先輩を見てくれるのですね。これなら安心です。それでは、私はこれで。運が良ければまたお会い出来ると思います」
そういって、マシュは駆けていった。
「……さて、俺も部屋にはいるか。またな、桜」
「はい」
桜も向かいの部屋に入って、俺も扉を開ける。
「はーい、入ってま____って、うぇええええ!?誰だ君は!?」
「俺が聞きてぇよ!?」
「ここは空き部屋だぞ、僕のサボり場だぞ!?誰の断りがあって入ってくるんだい!?」
「断りも何も俺の部屋だ!つーか、本当に何者だあんた!」
すると、男は残念そうな顔を作る。
「君の部屋?ここが?あー……そっか、遂に最後の子が来ちゃったかぁ……」
椅子から立ち上がると、男は名乗る。
「いやあ、初めまして衛宮佑人君。予期せぬ出会いだったけど改めて自己紹介しよう。僕は医療部門のトップ、ロマニ・アーキマン。何故か皆からDr.ロマンと略されていてね。理由は分からないが言いやすいし、君も遠慮なくロマンと呼んでくれていいとも。実際、ロマンって響きは良いよね。格好いいし、どことなく甘くていい加減な感じがするし」
「……初めまして、ドクター」
「うん、初めまして。今後ともよろしく」
すると、肩に乗っていたフォウがロマンを見ている。
「あれ?君の肩にいるの、もしかして謎の怪生物?うわぁ、初めてみた!マシュから聞いてはいたけど、本当に居たんだねぇ……。どれ、ちょっと手懐けてみるかな。はい、お手。うまくできたらお菓子をあげるぞ」
「………フウ」
しかし、フォウは哀れな目でロマンを見て無視した。
「あ、あれ。今、凄く哀れなものを見るような目で無視された様な……」
ロマンは話を剃らすように話題を変えてきた。
「と、とにかく話は見えてきたよ。君は今日来たばかりの新人で、所長のカミナリを受けたって所だろ?なら僕と同類だ。何を隠そう、僕も所長に叱られて待機中だったんだ。もうすぐレイシフト実験が始まるのは知ってるね?スタッフは総出で現場にかり出されている。けど僕は皆の健康管理が仕事だから。正直やることが無かった。霊子筐体に入った魔術師たちのバイタルチェックは機械の方が確実だしね。所長に“ロマニが現場に居ると空気が緩むのよ!”って追い出されて仕方なくここで拗ねてたんだ」
い、いい大人がしょうもなっ!拗ねるとか......しょうもなっ!
「でもそんなときに君が来てくれた。地獄に仏、ぼっちにメル友とはこの事さ。所在のない同士、ここて世間話でもして交友を深めようじゃないか!」
「あ、俺別にボッチじゃないですよ?」
向かいに桜も居るし。マシュは......あれ友達、と言えるな、うん。
「な......来たばかりなのにもう友人がいるなんて、なんてコミュ力なんだ......!あやかりたい!」
「止めてください切実に」 
 

 
後書き
久しぶりにこんなにかいた......いや、既存文に改編して入れんの疲れる。
では、近況、fategoのコーナー!
えー、前回の一周年ピックアップで何故か天災二枚来ました......いらねぇんだよ、星5だけどいらねぇんだよ......!よりによってキャスターかよ......!火力低いだろ......!
と言うことでそこで特大の運を使ってしまい嫁水着来ません......。くそう......!キャメロットと言う最大の不幸を乗りきったと思ったらこの仕打ちか!酷すぎんぞこのやろう!
ダ・ヴィンチちゃん「まぁまぁ、マスター。宝具は強いんだから、ね?」
モーションとか地味に格好いいから憎めない......。流石世紀の天災レオナルド·ダ・ヴィンチ。男の子のハート持っていきやがる。
そして、イベント一周の内にアサシン師匠のさいりん素材手に入れることが出来、絶賛第二まで終わってます。早く火種を集めなければ......(何かの使命感
と言うことで次回もお楽しみに! 
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