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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十二話 羊はどっちかその十

「嫌なものを見た」
「北朝鮮の様ですね」
「まさにな」
「あの国の将軍様ですか」
「そうした種類の輩だった」
 その先生はというのだ。
「見ていて不快に思った」
「そうした先生を観てですか」
「私はああした人間にはなりたくないとも思った」
「そしてこの校則もですね」
「いいと思う」
「そうですね、そうした人は自分は何もしませんね」
「生徒にやらせて当然だと確信している」
 今の様な後片付けや掃除をというのだ。
「愚かな輩だ」
「人として」
「そうも思った」
「上下関係は確かに世の中にありますが」
「しかし誰もが同じ人間だ」
「そうした人は上の立場につきますと」
「横暴を極める」
 まさにその先生が典型だ。
「そうした輩がいない様にするにもな」
「いい校則ですね」
「本当にそう思う」
 こうしたことを話しながらだった、井上さんも後片付けをしていた、その後片付けの手際はかなりよかった。
 そしてだ、後片付けをして砂浜が奇麗になったところでだ。
 先生は僕達にだ、こう言ったのだった。
「よし、じゃあ準備体操だ」
「そしてその後は」
「海で、ですね」
「遠泳だ」
 笑いながらだの言葉だった。
「とはいっても一キロだがな」
「一キロって多いですよ」
「去年も泳ぎましたけれど」
「一キロ泳ぐって」
「相当ですよ」
「何を言ってるんだ、海自の人達は十六キロだぞ」
 単純計算で十六倍だ。
「幹部候補生学校の人達そこまで泳ぐんだぞ」
「十六キロって」
「それ無茶ですよ」
「そんなの一日じゃないですか」
「一日かけて泳ぐんですか」
「そうだ、朝から夕方までな」
 本当にそれだけの時間をかけてというのだ。
「お昼も海の中で食べてな」
「凄いですね、海自さん」
「そこまで泳ぐなんて」
「あの学校の生徒さんだぞ」
 幹部候補生学校のだ、まさに。
「あの人達そこまで泳ぐんだぞ」
「鬼みたいな訓練ですね」
「そこまで泳げないですよ」
「水泳部ならともかく」
「まあ水泳部もな」
 八条学園高等部のだ。
「十キロ泳ぐがな」
「いや、十六キロは」
「六キロも多いじゃないですか」
 その十キロよりもだ。
「六キロってかなり違いますよ」
「海自さんって無茶苦茶ですよ」
「普通そんなに泳げないですよ」
「どんな訓練なんですか」
「安心しろ、海だからな」
 だからと言う先生だった。 
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