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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十二話 羊はどっちかその七

「そうします」
「モダン焼きみたいに混ぜないで」
「挟むので」
「そうします」
 広島のお好み焼きではというのだ。
「そうします」
「お好み焼きはな」
 焼きそばを焼いている先生が言うには。
「あれだな」
「あれ?」
「あれっていうと」
「ここでは言わないな」
 言うのを避けた先生だった。
「そうするな」
「はい、そのお話は」
 小夜子さんも先生に応えて言う。
「避けるべきですね」
「広島だとな」
「大阪でも」
「それを言うとな」
 それこそという言葉だった。
「余計な火種になるしな」
「こだわりがあるので」
「だから止めような」
「そうあるべきですね」
「焼きそばの話でな」
 そこで止めようというのだ。
「絶対にな、じゃあ焼きそば食おうな」
「それでは」
「こっちは大阪も広島もないからな」
「はい」
 小夜子さんは先生の言葉に頷きつつ焼きそばを食べている、その食べ方は海で焼きそばと食べているとは思えない位に上品だ。
「本当に」
「まだ麺はあるからな」
「それでは」
「皆どんどん食えよ」
 このことはとりわけ強く言った先生だった。
「そして残すなよ」
「絶対にですね」
「食べるものは」
「そうだ、食べるものは残すな」
 先生は僕達に本当に強く言った。
「絶対にな」
「うちの学園そのことに厳しいですね」
「一切れ位ならよくても」
「この一切れはな」
 何かともだ、先生は僕達に話した。
「中華圏の話だからな」
「そうあるよ」
 中華圏で言わずと知れた最も大きな国にしてその発祥の国である中国出身の水蓮さんもここで言ってきた。
「一切れ残すのは礼儀ある」
「確かあれよネ」
 さっき水蓮さんと胸のことを話していたジューンさんが応えた。
「お腹一杯ご馳走になったかラ」
「食べきれなかったという表しあるよ」
「だから一切れ残すのネ」
「そうある」
 ジューンさんにもこう話した。
「最近は全部食べるようにしている人もいるあるが」
「そうした文化ネ」
「その通りある」
「うちはネ」
 ジューンさんは自分のお国のアメリカの話をここでした。
「一杯食べるけれド」
「一杯残すあるな」
「そうした人結構いるネ」
「それは勿体ないでしょ」
 ダオさんはその話を聞いてお顔をむっとさせた。
「幾ら何でも」
「やっぱりそうよネ」
「食べるものは残さずよ」
 ダオさんはむっとした顔のまま厳しい声で言った。
「そうしないと」
「駄目ネ」
「全くよ」
「まあ一切れ位ならいいがな」
 先生もまた言う。 
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