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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十二話 羊はどっちかその三

「日本人はもっと羊を食べるべき」
「全くですわ」
 ジョーンさんはこのことではエルザさんと考えが一致していた、さっきはお互いに引かなかったけれど今度は相棒同士になっていた。
「最高に美味しいお肉だから」
「もっとですわ」
「安くてカロリーも低い」
「どう調理しても美味しいでしてよ」
「だから日本人ももっと羊食べる」
「悪くないですわよ」
「羊はね」
 イタワッチさんも言う、インドネシアはムスリムの人が多いので羊をよく食べるらしい。
「最高のお肉よね」
「その通りでござる」
 マルヤムさんも同じ意見だった、マレーシアもムスリムの人が多いので。ちなみに二人共イスラム教徒である。礼拝も欠かさない。
「羊最高でござる」
「北海道じゃ結構食べるけれど」
 美沙さんはイタワッチさん達に言った。
「確かにこっちじゃあまり、よね」
「羊に疎いことは肉料理に疎いこと」
 こうも言ったエルザさんだった。
「日本人はもっと食べる」
「とにかく羊はなんだね」
 僕はエルザさんに問い返した。
「食べるべきなんだね」
「そう、こうしたバーベキューにもいいから」
「お酒にも合うし」
「どんどん食べるべき」
「日本に来てびっくりしたことの一つは」
 ジョーンさんがここで言うことは。
「スーパーでの羊肉の少なさ、食堂でのメニューの少なさですわ」
「羊料理の」
「ステーキ等はありましても」 
 八条学園の食堂にだ、実際にそうしたお料理もある。
「牛肉料理や豚肉料理の方が多いですわね」
「実際に」
「そうですわ」
 こう言うのだった。
「イスラム圏のお料理が多いのは凄いですが」
「そっちからの留学生の人も多いからね」
 八条学園全体でだ、東南アジアのイスラム国だけでなく中央アジアやアラブ、北アフリカからも沢山の留学生の人達が来ている。
「だからね」
「イスラムの羊料理がですわね」
「充実しているんだ」
「それはいいですけれど」
 それでもというのだ。
「もっと多くないと」
「ニュージーランドみたいに」
「そう思いまして」
「ううん、それはね」
「どうしてもですわね」
「ムスリムの人に合わしていて」
 そちらのお料理はだ。
「それでだからね」
「ありますのね」
「それで一応」
「羊料理もありまして」
「ニュージーランドやオーストラリアの人のことも考えているんだ」
 このことは実際にだ。
「そうしているけれど」
「やはり日本の方が多くて」
「そうなんだ」
「羊料理は少ないのですわね」
「確かに日本人羊を食べないね」
 完全にじゃないけれど。
「どうしてもね」
「それが寂しいのですわ」
「ニュージーランドの人から見れば」
「今にしましても」
 ジョーンさんは自分で焼いている牛肉は食べている、それも美味しそうに。けれどそれでもというのだった。
「牛肉ですわね」
「バーベキューもね」
「羊も欲しいですわ」
 やはりこう言うのだった。
「そうも思いますの」
「けれど牛肉しかないのなら」
 エルザさんはお肉を食べつつこうも言った。 
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