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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十二話 羊はどっちかその二

「もういない」
「では」
「引かないというの」
「何としてもですわ」
「なら白黒つける」
「望むところですわ」
「どちらでもいいことでは」
 千歳さんが二人の間に入って言った。
「それは」
「千歳、何故そう言うの」
「あの、むしろ私にとっては」
「千歳にとっては」
「マトンかラムか」
「そっちの方が」
「大事だと」
 こうエルザさんに言ったのだった。
「思いますは」
「その違いが」
「マトンは匂いが強いですね」
「かなり」
「そしてラムは匂いがしなくて」
「しかも柔らかい」
「どちらも好きですが」
 千歳さんとしてもというのだ。
「私はです」
「産地よりも」
「種類の方が」
「そうなの」
「そういえばマトンは」
 ジョーンさんは千歳さんの話を聞いて考える顔になって言った。
「日本ではあまり食べられませんわね」
「ラムにしても」
 エルザさんも言う。
「日本人あまり食べない」
「どうにも」
「何故か」
「あまり食べませんわね」
「勿体ないことをしている」
「そうそう、日本人はネ」
「羊には疎いある」
 ジューンさんと水蓮さんは焼いたお野菜、ピーマンや玉葱をそれぞれが持っているお皿の中のソースに漬けて食べつつ言った。
「あまり食べないネ」
「お店でも売ってる量が少ないある」
「美味しいのニ」
「牛や豚、鶏が圧倒的あるよ」
「畑中さんにしてもネ」
「あまりお料理に出さないある」
「確かに馴染みはないですね」
 早百合さんが二人に答えた。
「日本では」
「お魚がその分多くテ」
「圧倒的あるな」
「そうですね、お肉と同じだけです」
 日本はというのだ。
「魚介類を食べますね」
「そうよネ」
「日本人は聞いていた以上にお魚好きある」
「牡蠣とか貝にしてモ」
「よく食べるあるな」
「そうです、本当に羊よりもです」
 こちらよりもというのだ。
「日本ではお肉、そして魚介類ですね」
「お刺身とカ」
「お鍋あるな」
「焼いて煮て揚げて」
 とにかく色々な調理でというのだ。
「楽しんでいます」
「魚介類好きはいいとして」
 エルザさんはむっとした顔で言った。 
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