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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十話 午前の練習その二

「楽しそうに話してたぜ」
「何かそっちも楽しみだな」
「っていうかめっちゃ楽しみじゃね?」
「海は水着だよ」
「女の子な」
「バスケ部だけじゃないしな」
「色々な部活から来てるだけあってな」
 つまりそれだけ女の子が多いからだ。
「うちの学園美人多いしな」
「可愛い娘がな」
「だから去年もよかったし」
「今年も楽しみだな」
「夏は水着だぜ」
「しかも女の子のな」
 こう言う、だが。
 僕はその皆にだ、少し首を傾げさせて言った。
「それ親父も言ってたよ」
「それで海でもか」
「女の子達とか」
「うん、親父泳がないけれどね」
 海ではいつもシャツにラフなズボン、それにサングラスという格好だった。その格好がやけにダンディな感じでもてているのだ。
「水着の女の子にいつも声をかけてでね」
「こんなこと言ってたんだな」
「今の俺達みたいな」
「そうなのか」
「イタリアでもそうだよ」
 絶対にだ、このことは確信している。
「そうしてるよ、ニースにも出張してるかな」
「フランスの避暑地だよな」
「イタリアとの国境の」
「うん、親父はね」
 それこそだ。
「そうしてたし今も絶対にだから」
「それで大家はこうした話にはか」
「乗らないんだな」
「あの破天荒さ見てると」
 どうしてもだ、僕としては。
「ああなりたくないから」
「いかした親父さんだけれどな」
「粋なな」
「けれど息子から見たらか」
「そうしたところはか」
「あんな破天荒になったらね」
 どうにも嫌いになれない親父だけれどだ。
「人間としてどうかって思うから」
「真面目か」
「それに徹するってことか」
「うん、真面目かどうかは知らないけれど」
 それでもだ、僕としては。
「そうした話には入らないわ」
「そうなんだな」
「こうした話も面白いんだけれどな」
「それでもか」
「御前は入らないか」
「ただ、僕も男だから」
 僕は話には入らないがとだ、皆にこのことは断った。
「こうしたことはね」
「興味はあるよな」
「御前ホモじゃないしな」
「だからだよな」
「やっぱり」
「興味はあるよ」
 僕もこう答えた。
「やっぱりね」
「だよな、やっぱり」
「誰だって興味あるよな」
「こうしたことはな」
「本当にホモとかじゃないから」
「男同士はわからないから」
 否定はしなけれどそうした趣味は本当にだ。
「だから女の子が好きだよ、僕も」
「御前のアパート女の子ばかりだしな」
「しかも可愛い娘ばかりな」
「それじゃあな」
「何かあってもおかしくないしな」
「何もないけれどね」
 このことは強く否定した、本当にそうしたことはないからだ。 
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