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オズのボタン=ブライト

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第九幕その三

「この子自身にな」
「それじゃあ」
「少なくともサウナで寝たままはよくない」
「のぼせますよね」
「お風呂ではな」
 それこそというのです。
「寝るのはよくない」
「気持ちよくても」
「そうじゃ」
 それでというのです。
「ここはな」
「それじゃあ」
「うむ、今から起こそう」
 こう言ってでした、実際にです。王様はボタンのところに来て彼に声をかけました。
「起きるのじゃ」
「その声は王様?」
「そうじゃ」
 ゆっくりと目を開けたボタンに答えました。
「サウナに来たのじゃ」
「あれっ、ここサウナなの?」
 ここで、です。ボタンは。
 起きてです、周りを見回して言いました。
「そういえばそうだね」
「ずっと寝ておったのか」
「ベッドの中でね」
「そうだったのじゃな」
「貸してもらっているお部屋でね」
「それでどうしてなのじゃ」
 王様はボタンにさらに尋ねました。
「君はここにおるのじゃ」
「わかんなーーい」
 王様にいつもの返事で返しました。
「王様に起こしてもらったらね」
「ここにおったのか」
「そうなんだ」
「服は何時脱いだの?」
「わかんなーーい」
 ボタンはカルロスにも同じ返事でした。
「どうしてかな」
「そうなんだね」
「本当に気付いたらね」
「いるんだ」
「そうなんだ」
「まあボタンらしいかな」
 カルロスは全くわからないながらもこう考えることにしました。
「それも」
「そうだね、気付いたらっていうのは」
「それもね」
 ジョージと神宝もこう考えることにしました。
「ボタンらしいね」
「そういうことだね」
「しかも汗もね」
 ボタンの身体を見ますと。
「まだかいていないね」
「つまり入ってすぐじゃな」
 王様も言います。
「そうじゃな」
「そうみたいですね」
「わし等より少しだけ前に来た様じゃあ」
「じゃあ今から」
「一緒に汗をかくか」 
 そのサウナの中で、というのです。
「そうするか」
「それじゃあ」
「うむ、ボタンもサウナに入るか」
 こう提案するのでした。
「そうするか」
「うん、じゃあね」
 それならとです、ボタンも頷いてでした。
 五人でサウナに入りました、そして汗をかいてです。 
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