Blue Rose
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第十六話 神戸を後にしてその十三
「じゃあ楽しみだな」
「さっき話した通りね」
「よし、行くか」
「これからね」
二人で笑顔で話してだ、そしてだった。
優花と共にだ、龍馬は彼の家に来た。優子は龍馬の姿を見てまずは微笑んだ。
そのうえでだ、こう彼に言ったのだった。
「有り難う」
「有り難うですか」
「今日来てくれて」
「やっぱりこいつが長崎に行って」
隣にいる優花を見ての言葉だ。
「暫く会う機会も減りますから」
「だからなのね」
「来させてもらいました」
「そうなのね」
「じゃあ」
「ええ、今お料理を作ってる最中だからね」
それでとだ、優子は龍馬にさらに話した。
「少し待っていてね」
「わかりました」
「お風呂にでも入って」
「いや、お風呂は帰ってから入ります」
家にとだ、龍馬は優子の今の誘いにはこう返した。
「そうさせてもらいます」
「そうするのね」
「はい、じゃあ暫くはですね」
「待ってくれるかしら」
「わかりました、それじゃあ」
「ええ、もう天麩羅は出来たし」
その料理の話もだ、優子は話した。
「お刺身も切ったから」
「後は、ですか」
「ええ、御飯が炊けたらね」
「御飯炊かれたんですね」
「御飯は外せないでしょ」
主食であるそれはというのだ。
「どうしても」
「確かに。お酒を飲みましても」
「御飯がないとね」
「はじまりませんね」
「だから炊いたの」
こう龍馬に話すのだった。
「けれどそっちももうすぐだから」
「だからですね」
「もうちょっとしたら食べられるわよ」
「わかりました、それじゃあ」
「三人で楽しみましょう」
「それでどんなメニューなの?」
優花は姉にそのことを尋ねた。
「お刺身は聞いたけれど」
「ええ、貴方の好きな魬や鮪、鮭に蛸を舟盛りにしてね」
多くの刺身をそうした風に盛ってというのだ、本格的に。
「それで烏賊や海老、蛸に鱚に鰯の天麩羅に」
「天麩羅もだね」
「カルパッチョも作ったから」
「そっちもなんだ」
「お刺身を少しそっちに回して。それに」
まだ言う優子だった。
「冷奴と卵焼き、鰻に枝豆もあるから。牡蠣フライもね」
「和食を多くしたんだね」
「基本はね。それにサラダもあるから」
野菜もというのだ。
「たっぷりと食べてね」
「うん、じゃあね」
「お酒は白ワインよ」
ワインでそちらだというのだ。
「そっちを用意したから」
「いいね」
「そう、和食にはでしょ」
「白ワインだね」
俗にそう言われている、魚介類にはというのだ。
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