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第七幕その六

「あの人達も」
「そうじゃ、わし等と同じくな」
「迷路を楽しむんですね」
「その為に来ておるのじゃ」
「そうなんですね」
「まずは地下から入りな」
 そしてというのです。
「そこから一階、二階と進んでいく」
「頂上までですね」
「そうなっておる」
「この形ですと」 
 カルロスはそのピラミッドを見つつ思うのでした。
「上に行くにつれ迷路は小さくなっていきますね」
「その通りじゃよ」
「やっぱりそうですね」
「ピラミッドじゃからな」
 まさにというのです。
「そうなるからな」
「それじゃあ」
「今からよいな」
「はい、まずは地下にですね」
「あそこから入るのじゃ」
 見れば入口は下に続く階段になっています、そこに係の人達がいます。
「よいな」
「あそこから地下一階に入って」
「まずは地下一階の迷路を進むのじゃ」
「皆で」
「そうするぞ」
「じゃあ入ろう」
 ボタンはリュックからクッキーを取ってです、そのうえで。
 ぽりぽりと食べています、そうして言うのでした。
「これからね」
「うむ、そうじゃ」
「皆で」
「しっかり食べるのじゃぞ」 
 王様はボタンにこうも言いました。
「よいな」
「わかりました」
「そしてじゃ」
 さらに言う王様でした。
「起きておるとよい」
「起きてそして」
「そうじゃ、進んでいくぞ」
「そうするね」
 こうお話してです、皆で入口のところに来ました。既に国民の人達は迷路の中に入っています。そして皆の順番になったのです。
 王様がです、係の人達に言いました。
「わし等も行くぞ」
「今日はこちらですか」
「そうじゃ」
 係の人達ににこにことしての言葉でした。
「これから頂上を目指すぞ」
「わかりました、楽しまれて下さいね」
「そうしてくる」
「では迷われた時は」
「迷わぬわ」
 係の人の言葉にです、王様は笑って言うのでした。
「わしはな」
「大丈夫ですか?」
「何じゃ、わしが迷うとでもいうのか」
「王様前に来られた時は迷われて」
 そしてというのです。
「最後私達が迎えに行ったじゃないですか」
「頂上の出口のところでな」
「そうなりましたよ」
「あれはわし一人でな」
 そしてというのです。 
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