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話しているうちに

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第五章

「ホテルでもそうでしょ」
「ホテルってまさか」
「そうよ、そうしたホテルだってね」
 そうした場所のことも話すのだった。
「あれでしょ、ムードがあるから」
「ムードか」
「そう、ムードよ」
 まさにと言うのだ、大輝に。
「可愛かったり奇麗だったり」
「夕暮れにしてもイルミネーションにしてもか」
「ホテルだってね」
「何でもムードなんだな」
「いきなり好きです、って言われてもね」
 それでもと言うのだった。
「はい?ってなるだけでね」
「成功しないか」
「成功するものもしないわよ」
 それこそという口調での言葉だった。
「それこそね」
「そうなんだな」
「そうよ、だからね」
「ムードか」
「それを考えるのよ、あとね」
「あと?」
「あんたこういうこと全然知らないのね」
 留美はむっとした顔になってだ、大輝にこうも言ったのだった。
「それこそ」
「知らないって何がだよ」
「だからよ、こうした恋愛のことよ」
「だから御前に聞いたんだよ、けれどな」
「けれど?」
「そう言うのなら御前もだろ」
 留美もと言うのだった。
「御前も最近ずっとそういう本読んでるよな」
「悪い?さっき言っちゃったけれど」
「ああ、ホテル入ったことないんだな」
「彼氏とかそれこそね」
「これまで一人もか」
「いなかったわよ」
 半分居直った口調での言葉だった。
「今もだし」
「そうだったんだな」
「そうよ、悪い?」
「悪いって言ってないだろ、けれど勉強してるんだな」
「そうよ、アドバイスの為にね」
「あの人の情報だけでいいんだけれどな」
「何言ってるのよ、お姉ちゃんの情報聞いてもあんたじゃ」
 恋愛について何一つとして知らない大輝ならというのだ、留美はそのことを見抜いてそのうえでだったのだ。
「絶対に自爆するから」
「勉強してか」
「言ってるのよ」
 そうだというのだ。
「そうしたうでね」
「そうだったんだな」
「それでね、お姉ちゃんに告白したいなら」
「ムードも大事か」
「あと絶対にそこまでなるには」 
 ムードのある場所での告白をするのなら、ともだ。留美は話した。
「デートにまで持ち込むことも大事よ」
「あっ、そうだな」
「デートをするまでもね」
 ラストに告白があるこのイベントまでもというのだった。
「大変だしデートもね」
「ああ、何かとあるよな」
「どのお店に入るかとかね」
「何処に行くか」
「服装もだし」
「色々あるんだな」
「だからそうしたこともね」
 是非にと言うのだった。 
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