八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十七話 江田島その五
「北海道もそうだけれど」
「ニューヨークや北京は」
「もっと寒いから」
その北海道よりもだ。
「覚悟しないといけないわよ」
「その寒さになんだね」
「そう、だからアメリカとか中国はね」
こうした国々はというのだ。
「そうした場所もあるのよ」
「北海道より寒い場所が」
「そうなの、まあ北海道はね」
「寒いっていうんだね」
「神戸以上にね」
「だからその神戸も冬も」
「まだ迎えてないけれど」
それでもというのだ。
「平気だと思うわ」
「美沙さんにとっては」
「ええ、落ち着いてるわ」
「関西では京都も寒いけれど神戸もかなりなんだよね」
京都は盆地だから本当に寒い、しかも夏は暑いというのだがら考えてみれば過ごしにくい場所だと思う。
「冬は厳しいよ」
「その神戸でもよ」
「北海道よりはまし」
「札幌よりもね」
「そういうことなんだね」
「この辺りは違うでしょ」
美沙さんは今度は江田島とその周りの話をした。
「瀬戸内の辺りは」
「うん、結構過ごしやすい冬だよ」
「やっぱりそうなのね」
「確かに寒いけれど」
「北海道、そして神戸と比べたら」
「ずっと暖かいんだよね」
僕はその江田島の冬についても話した。
「こっちは」
「そうなのね、いいわね」
「その暖かさが」
「夏はこの通りで」
「冬はそうだよ」
「そうなのね、それでもこの夏も」
暑い瀬戸内の夏、この夏についてもだった。美沙さんは僕に微笑みを向けてそのうえでこう話してくれた。
「過ごしやすいわね」
「からっとしてるよね」
「日差しは強いけれど」
それでもというのだ。
「風もあるしからっとしててね」
「そうそう、瀬戸内はね」
「夏はこうなのね」
「すっきりしているんだ」
「大阪とかね」
美沙さんは神戸から電車ですぐのこの街についても言及した。今はその大阪とは同じ瀬戸内に面していても正反対の方にいるけれど。
「何かまとわりつくわね」
「暑さが」
「大阪って暑いわよね」
「実はあそこはね」
「実際に暑いのね」
「神戸や京都よりも暑くて」
僕は美沙さんにさらに話した。
「この瀬戸内よりもね」
「暑く感じるのね」
「何かあそこは暑い空気が溜まるのかな」
「そうなの」
「風が少ないせいかな」
神戸よりもだ、そして僕達が今いる瀬戸内よりも。
「人も多いしね」
「ああ、人はね」
「物凄く多いから」
何しろ関西圏最大の都市だ、それだけに人が多い。もっと言えば建物も多いし車も尋常な数が走っている。
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