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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十七話 江田島その四

「ホテルに行くまでも山越えるよ」
「山あるのね」
「もう全体的になんだ」
 江田島という島がだ。
「山が幾つも連なって出来てる島なんだ」
「そうした島なのね」
「そう、だからね」
「山には注意ね」
「そこを朝走ったりするし」
 勿論合宿の練習でだ。
「山を越えてね」
「ひょっとして山もあるから合宿先江田島なの?」
「そうかもね、海も山もね」
 その両方がだ。
「ある島だよ」
「面白い島ね」
「緑も多いし」
 山に生えている木々だ。
「景色もいいよ」
「緑も多いなら楽しみだわ」
「美沙さん山好きなんだ」
「ええ、だって札幌にはなかったから」
 生まれ育ったその街にはというのだ。
「だからね」
「それでなんだね」
「そっちも楽しみよ」
 その江田島の緑もというのだ。
「神戸もそれが好きだけれど」
「神戸なんか後ろ山だしね」
「あれがまたいいわね」
「その代わり冬は寒いよ」
 その山から風が吹き降りてだ、えらく寒い。その代わり確かに夏はとても涼しいけれどそれでも冬は厳しい。
「とてもね」
「寒いのはいいの」
「慣れてるんだ」
「だって札幌だから」
 ここから言うことだった、このことも。
「寒いのはね」
「慣れてるんだ」
「というか神戸の寒さも聞いてたら」
 それこそというのだ。
「もうね」
「寒くないんだ」
「札幌なんてね」
 それこそという言葉だった。
「普通に零下でね」
「それが普通なんだね」
「雪はいつもだし」
「北海道だから」
「そう、もう神戸の冬なんかね」
 それこそという言葉だった。
「実際にまだ過ごしてないけれど」
「話を聞く限りだと」
「あたしから見ればよ」
 それこそというのだ。
「楽よ」
「北海道の寒さは別格だね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「まあジューンや水蓮は特にみたいだけれど」
 急に二人の名前をここで出して来た。
「アメリカや中国も地域によってはでしょ」
「ああ、どっちも広いからね」
「物凄く寒い場所もあるでしょ」
「アラスカとか東北の三省とか」
「あそこら辺はね」
「そうだったね、確かニューヨークや北京も」
 僕は両国をそれぞれ代表する街の名前を出した。
「どっちもね」
「北海道より北にあるでしょ」
「そうだったね」
「だから寒いわよ」
「それも相当に」
「どっちも下手したら凍死するらしいから」
 この言葉が出た、凍死というそれが。 
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